6.プロットは最高なんですけど、見せ方が…。というのも僕ね、徹夜で大学行きまして。授業終わってフラフラになってる時に、図書館という静寂の中で見たわけです。そりゃもう…ソラリスZですよ。いや、断言しますけど寝てはないですよ!! 全部観ましたよ!! 第2部はすごく見やすかったですけど、1部は徹夜の翌日には少々辛かったです。僕にとっては、愛の話です。あと「知識が不安にさせる」でしたっけ? あの言葉が「フムフムなるほどなぁ」と 【ようすけ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-10-12 00:50:11) (笑:2票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 タルコフスキーは、歳とって観ると、いいんだなぁ・・(しみじみ) この映画を観て、手塚先生は、火の鳥のSF版の構想練ったんじゃないかなぁと思える。 頭脳を持った惑星っていうのがいい。 宇宙船のクルーのイメージを物体化するという惑星。 個々の抱くイメージのお客がくる。 果たして、主人公には死別した奥さんが現れる。 このお客との接し方が、惑星との対話になるんだね。 で、ラスト、この惑星が、地球人をどう受け入れたかが分かる。 いいよね~ 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2024-02-18 19:46:57) (良:1票) |
《改行表示》 4.《ネタバレ》 久々にブルーレイで鑑賞したが、映像が鮮明なだけに大昔にVHSで観た時より堪能できた。 (ブルーレイの画質、色味に批判的な意見もあるが、それでも美しいと思う) こういう作品は理屈でわからなくてもいいのだと思う。じっくり不思議な時間を体験すればいい。 芸術を楽しむコツは、観ている間はあまり考えずに、じっくり観て聞いて感じることであろうと思う。 この作品は劇映画というより、オペラや能と同じ類だと思う。 首都高のシーンに象徴されていると思うが、科学の発展によって人間の生活テンポは限りなく早くなり無機質になってゆく。 人間は、もともとどうやって暮らしていたか、どういう生活のリズムを持っていたか、 度々回想される主人公の家庭のシーンが表現しているように思う。 なにしろアメリカと宇宙開発、核ミサイルの数で競っていた70年代のソ連である。 体制批判と取られないような表現で、この作品を作ったことは相当すごいことであるように思う。 「恥を知らなければ人類は滅びる」自分はこのセリフが最も印象に残る。 現にこの国でも科学に対する盲信が原発事故を起こしてしまったのだとはっきり思うし、 こういうことを予見していた映画だと今の自分は解釈する。 解釈は人それぞれで良いと思うし、多くのハイテンポな映像ばかりに溺れるのではなく、じっくり「時間」を体験するということは若い人たちにおすすめしたい。 【どっぐす】さん [ブルーレイ(字幕)] 8点(2019-08-02 00:59:16) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 間違いなく素晴らしい映画だが、このテーマをこの題材で扱う必然性はかなり薄い。 無重力のシーンや夢のシーンは美しかったが、無意味に世俗的なラストシーンなど、この映画を台無しにする部分が幾つかあった。 音楽の使い方がうまく、ぐっとするシーンもあったが、それらのシーンは「ソラリス」とは関係のないシーンばかりであった。 題材をより直接的なものにした後期の作品での方法で、このテーマが扱われていれば、おそらくより良かった。 【浅田荷葉】さん [DVD(字幕)] 8点(2019-03-26 15:58:50) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 こう言うとタルコフスキーは草葉の陰で激怒するかもしれないが、この映画の魅力の大半はハリー役のナタリア・ボンダルチュクが負っている。容姿の美しさもさることながら「地球外生命体によって造られた人間のコピー」という難役を完璧に演じ切っている。赤ん坊のように天真爛漫で聞き分けのない登場序盤、思春期のように不器用な中盤、生の感情を爆発させ、突然悟る終盤。 ハリーは男の記憶から造られた女で、「男の夢」を具現化している。この映画に惹かれる人の67%(当社比)はハリーに惹かれている。おれもソラリスに行ってハリーみたいな女が欲しい。タルコフスキーはそれに途中で気付いてラストシーンで慌てて否定するがもう遅い。みんなハリーの虜。 終始陰鬱でアンハッピーエンドな作品にもかかわらず不思議と後味は悪くない。タルコフスキーはSF要素を邪魔と感じていたらしく、SF映画と思って観るとかなりのおあずけ感を食らう。映像的暗喩に次ぐ暗喩、特に前半は暗喩による伏線なので一度観終わってからでないと意味がわからない。この映画は何度か見て初めて真価が分かる作品なのだろう。幸い美しいハリーが待っていてくれる。 【tubird】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-09-24 21:43:28) (良:1票) |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 主人公クリスに魅力がないのが残念だ。中年太り、生気のない眼、もじゃもじゃ髪、心理学者らしいところがなく、現象の解析や心理分析も一切行わない。亡妻ハリーの出現に驚愕し、短慮にもロケットで抛棄したり、わけなく愛の幻影に溺れたりと、全くの素人状態。地球基地に報告も行わない。そもそも単独で調査に乗り込む設定に問題がある。バートン証言が真実ならば、行方不明のフェルネラはソラリスの島の庭園に赤ん坊と暮らしている。海を泳ぐ4mの赤ん坊は、フェルネラの未だ見ぬ新生児で、実体化されている途中。クリスも同じ運命を辿る。彼と父との関わりは不明確だが、出発前に「今生の別れ」めいた会話があったので、父は不治の病なのだろう。亡妻、亡母へのトラウマは癒されたので、父との生活を選んだのである。想像だが、ソラリスの知能の海と交信して、心が癒された者だけが島に留まり、海と共生(意識の交流)するのだろう。海が欲しているのは健やかな精神だ。他の船員は精神の傷が癒せないため、海と正常な関係が結べず、望まない者が出現したり、鬱病になったりするのだろう。海に知性があるという設定が蠱惑的だ。更に人間の潜在意識を実体化する能力があり、コピー人間は元の人間と同じ記憶、感情を持ち、人間と同様愛し、悩み、苦しむ。それなら元の人間とどう違うのか?生命の価値観、愛の価値観の見直しを迫り、意識とは何か、進化とは何か、幸福とは何か、問いかけてくる哲学的な内容。より身近に言えば「故郷地球を捨てて、復元された理想郷ソラリスに住むのは幸福か」という問題になる。 実体化した妻のあわれさ、美しさが感じられれば感情移入できる。心理学では水は無意識の象徴だ。冒頭クリスは美しく流れる川を眺め、池で手を洗い、雨に打たれて濡れる。宇宙船では母に腕を水で洗ってもらい、島の家では天井から水が瀝る。浸透する水は意識の変容を表わす。鏡も同様な意味で使われている。監督は水、鏡、カラーとモノクロの切り替え、テンポの遅さで意識と現実の境界を曖昧にし、観客の無意識に働きかける。「海」が人間にとって「魔物」なのか「救世主」なのか不明だが、自殺者を出すのだから、ローレライの魔女のようなものなのだろう。ただ癒しの力、再生力は不老不死に似ていて「神」に近い。人類がみな虜になってしまう可能性もある。尚、林檎は知恵、馬は恐れ、火は再生の象徴で、それぞれ適確に挿入されている。 【よしのぶ】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-09-16 06:53:25) (良:1票) |