21.冒頭、アイザックが語るニューヨークについての想いが興味深い。 アレンはニューヨークを偶像化もしているし、ロマンティックで白と黒の世界としても描いているし、雑踏やせわしなさ、そして現代文化の腐敗の象徴等々としても描いていると感じる。 ニューヨーク、マンハッタンは見ようによっては確かにどのようにも見れると思う。 ニューヨークをどのように見るかは、映画の中で触れられていた主観の問題かもしれないが、アレンはこの映画を通して「永遠の都」に対する深い愛情を込めて送り出したと感じる。 これほど美しく描かれたニューヨークの映画はないだろう。 特に夜明け前、犬の散歩の際にアイザックとメリーが公園のベンチで語るシーンや、アイザックとトレイシーが馬車のようなもので回るシーンには目が眩む。 ニューヨークの美しさを強調しながらも、アレンが伝えたかったことは人間の不条理や矛盾じみた行為、感情と建前に揺れる人間模様を描いていると思う。 ニューヨークに住むインテリたちの不必要な問題を抱え込むような「頭」を使った愛し方に対して、揶揄を込めているのではないかと思う。 人間は「頭」で愛するのではない、「感情」で愛するのではないかということを感じた。 結婚をしているからとか、年齢が離れすぎているからとかを言い訳にごちゃごちゃと頭で考えすぎている。 もっとトレイシーのように本当の感情を放出すべきではないか。 登場人物の中で一番トレイシーが己の感情に忠実であり、また「人を信じなきゃ」という一言に誰よりも大人を感じさせた。 人間にとって、確かに「知」は必要なのかもしれないが、それ以上に必要なものを感じ取れる映画だ。 また、アレン流の笑いも随所に込められていて、元妻が書いた告白書の中身には笑えたなあ。 |
20.これで人生が変わった、といっても過言ではないくらい。本当はこんな人たちに感情移入なんかできそうにないけれども、見るたびにそれぞれのキャラクターに感情移入してしまう。胸をかきむしられるような思いで見てしまう。モノクロのマンハッタンが実に美しく、バックに流れるラプソディ・イン・ブルーが涙が出るくらいにはまっていて、最高傑作としか言いようがない。テープレコーダーに自分の好きなものの名前を吹き込んでいくところから、本当に好きなのは彼女だと気づいて、マンハッタンを走り抜けるシーン、そしてラストのM・ヘミングウェイの大人びた一言。何て素敵な流れだ。何と狂おしいエンディングだ。ぼくがマンハッタンに行ったのはこの映画を見たから。そして、ホンモノのウディ・アレンを間近で見たのだった。 |
19.20代前半で見たときは少し退屈でしたが、40台で見ると秀逸、響きました。それにしてもNYが美しい。 【かじちゃんパパ】さん 8点(2005-02-16 08:31:55) |
18.ごめんなさい、この映画の良さが全く分かりませんでした。 【リーム555】さん 2点(2004-08-31 22:31:38) |
17.トレーシーの涙や表情、セリフにとても魅せられました。決して凄い美人じゃないんだけど、あのゆるぎの無いまっすぐな力・・・ただただ愛しい気持ちになっちゃいます。それを失ったおじさん・おばさんたちへのシンパシーの方が強いので(笑)、最後アレンと一緒に幻のように消えていった尊いものを見たような・・・いい気分です。 【ジマイマ】さん 6点(2004-08-31 20:52:00) |
16.人間不信ではあるが、周囲を裏切らずに誠実であろうとする主人公。だが、周りにいる人間はいい加減なため右往左往してしまう。最後は10代の真っ直ぐな気持ちに「少しは人を信用して」と説教されるが、酸いも甘いも嘗めた40代にはたいして届きはしない? 最後の主人公の笑みには10代の青臭さに呆れると共に、40独身男の焦りと諦めを感じるのだが。 |
15.アレンルギーになったのが本作でした。点数下げてすんません。登場人物たちがそれぞれつきあう相手に対して心変わりするのは全然抵抗ないんです。でも延々と続く会話の綾チや固有名詞がまったく理解できなかった覚えがあります。なので「どうじゃ?!」と観客を納得させるタイミングはわかるが、面白く感じることができず♪ガーシュウィンが大音量で流れ、とても困りました、すんません。英語に長けていたら点数はたぶん倍増しますが私のアタマではここまで。ラストも渡辺淳一を知る前だったらヨッシャ!と思ったかも、、すんませんです。 【かーすけ】さん 4点(2004-07-09 20:45:50) |
14.イヤミなくらいシャレた大人の恋愛映画。クラシカルな音楽からNYの風景まで、ウディ・アレンの美学が指先まで浸透している。どうしようもない現実にあきらめるラストの多いこの監督の映画にしては、珍しく希望が見えるラスト。教訓としては、やたら理屈ばっかり述べるくせに不倫という理屈に合わない行為をしている女は、やはり幼児的な依存心を持ち続けていて信用できないなと。 【ラーション】さん 9点(2004-05-24 05:29:08) |
13.ウディアレンの映画に出てくるいつも通りのインテリニューヨーカー達は大嫌いな私ですが、とりあえずこの映画は映像がすごくキレイで洗練されており、かっこいいです。でもって何かと意味のない事や物に、一々理由付けし気取ったバカな大人であるアレン自身をズドンと落とすこの映画は好きです。 【亜流派 十五郎】さん 7点(2004-04-12 22:28:46) (良:1票) |
12.恋人がいるのに他の人を好きになったり、突然フッたり、突然戻ってきたり。「そんな身勝手な」と思いながらも、「でも人間ってこうだよなぁ」と観る人に自然に思わせてしまうのが、ウディ・アレンのすごいところだと思います。だからいろんな登場人物に共感できる。この映画は特にそう思えました。 【Mプ】さん 8点(2004-02-13 23:52:05) |
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11.コメディ要素が満載でそれだけで面白いんだけど、ウディ・アレンの映画ってそれだけじゃないんですよね。オシャレだけどどこか寂しくて、でも物事の本質を捉えているような・・・うまく言えませんが(笑)。だから、ずっと心に残るんだと思います! 【患部】さん 8点(2004-01-31 13:56:18) |
10.↓そうそう。これほど美しいB&Wの映画って観たことない。テレビ画面でもこの美しさは十分堪能できますので是非観てみてください。 【じゅんのすけ】さん 10点(2003-07-05 16:52:59) |
9.モノクロの画面がとても美しいです。音楽もガーシュインでこれまたゴキゲンな映画。 【KINKIN】さん 7点(2003-06-22 17:22:42) (良:1票) |
8.この作品はファンが多いでしょう。当然アカデミー賞受賞作のアニー・ホールの方が知名度が高いし、私もおもしろいと思うが、アレンのファンならこちらを選ぶと思う。この作品の最大の美点は都会性。2番目は少女に慰められてしまうという、男性が持つ脆弱性にあると思う。 【ももんが】さん 9点(2003-05-31 22:46:48) |
7.STNIG大好き様。お久しぶりです。久々にこのサイトを覗いてみましたら貴方の投稿履歴がヒットし、思わず書き込みしました。で、マンハッタンですが、私も大好き!アメリカに行った時、無理して一日半ミッドタウンを散策しました。その間中、「ラプソディ・イン・ブルー」が頭の中で鳴り響いていました。映画のラストでウディが走る!マンハッタンを走る!これだけで何故か感動してしまいました。もちろん全編含めて!ここで他のサイトを紹介するのは失礼で、管理者の方に削除されても文句は言えませんが、「映画生活」というサイトをメインにレクター博士で投稿しておりますので、よろしかったら覗いてみて下さい。では(^-^;)。 【レクター博士】さん 10点(2003-05-04 03:13:17) |
6.私には少し難しかったです。愛がどうとか文学がどうとかよくわからないんで。でも、いろんな女性を行ったり来たりするうちに、自分は誰を一番愛しているかを気づくというところが良いなぁと思いました。物語のその後を描かないところが好きです。当初、アイザックはトレイシーを子ども扱いしていましたが、ラストでは彼女が一番大人らしく、アイザックが子供のように思えました。 【はがっち】さん 7点(2003-02-26 12:51:28) |
5.稀代の才人ウディアレンの作品は、初期のドタバタコメディ、男女の関係や人生を問いかける哲学的要素の強い中期、ミアファローとの離別後から始まる楽天思考の後期、と3つに分かれるが、本作はその中期の最高傑作だろう。代表作と言われている「アニーホール」をも凌ぐ。抜群のユーモアのセンス、オシャレなカット割りと凝ったカメラワーク、あまりに美しいマンハッタンの景色、機知に富んだ会話の数々。そして何より、安っぽい美談や誇張を一切排して人間の不条理さ、非合理さ、弱さを真正面から告白していく勇気と誠実さに、やむことのない拍手を送りたい。ちずぺさんが下で「将来何かを生み出そうとする人は見ておくべき」と書かれてましたが、まさしく。“本物”のアーティストやクリエーターを志す人は、見ておくべきでしょう。さらに私なりに言わせてもらうなら、「何度でも」見なくてはならない作品であると付け加えさせてもらいたい。 【給食係】さん 10点(2003-01-19 01:43:51) (良:1票) |
4.個人的にはウディ・アレンの最高傑作。女性の共感を得られづらい話ではあるが、わかるよ~この優柔不断さがストレートな男の心理を表してると思う。ラストで流れる「ラプソディ・イン・ブルー」はまさにこの映画のための楽曲と思えるほど見事にマッチ、なんて贅沢な終わり方なんだ。 【ゆたKING】さん 10点(2002-12-30 17:53:19) |
3.<<ネタバレあり>>アレンお得意の、ほろ苦系恋愛モノの中でもNo1の作品!最後までクールな大人の恋物語かと思っていたら・・・最後は走ったね~そして18歳の彼女に「少しは人を信じなきゃ」と諭されてしまうところは、アレンらしくて好きです。随所に出てくるモノクロのNYの画も素敵です。 【クロマス】さん 9点(2002-12-12 00:03:21) |
2.モノクロのニューヨークとガーシュインの音楽が美しく、ウディ・アレンのニューヨークに対する愛情に満ちあふれた作品。インテリの編集者であるダイアン・キートンに「人間の身体のなかで脳は過大評価されている。本当に大事なモノは違った形で自分の中に入ってくるんだよ。カタチの醜さは我慢しなくちゃ。」と言うシーンが印象的。 【黒猫クロマティ】さん 9点(2002-06-27 14:30:55) |