9.劇場公開最終日に見てきました。
「仮面ライダーファンのための映画」というより、「仮面ライダーファンが作った映画」という表現がピッタリ。 それも筋金入りの。
原典へのリスペクトを散りばめるように、古臭さを残す特撮やアクションのカット割りといい、郷愁へ誘うこだわりを感じた。 反面、令和だからこその現代的解釈が空回りしており、政府関係者を出す意味が感じられず、 基本人気のいないところでの撮影ばかりでスケールがこじんまりとした印象を受けてしまった。 これでは令和の時代に甦らせる意義が弱い。
あとは庵野監督の悪い部分が終盤はもう剝き出しで、内省的な展開がひたすら続く最終決戦はもういいやと思ってしまう。 全編説明不足で新規の仮面ライダーファンでも終始置いてけぼりではないか。 これは彼のサポートを務めていた樋口真嗣が不在で、誰も止められない暴走状態であったことが目に浮かぶ。
「熱量は感じられるが、思い入れが強すぎて客観視できず、明後日の方向へ全力で走っていった二次創作」というイメージ。 シン・シリーズ完結後、庵野監督はどこへ走っていくのだろう。 【Cinecdocke】さん [映画館(邦画)] 5点(2023-06-04 22:36:00) (良:2票) |
8.もちろん駄作なんですが、庵野秀明の作品の中では最もまともに鑑賞する価値のある作品かもしれません(実写アニメ両方含めて)。今までと異なりこの映画は何より役者の演技をちゃんと撮ろうとしています。何度も繰り返される仮面の着脱、無機物でしかない仮面にどう表情を宿らせるか、間違いなくこれは実写映画でしかできない試みです。フォトジェニック以上のものではないですが撮影も今までで一番良かったです。この映画の不幸は擁護する意見でさえ過去の作品へのオマージュの側面ばかり取り上げられるところです。自身がそのように読み解かれるよう自己演出を続けてきた庵野秀明の自業自得ではありますが、鷲巣詩郎の音楽やいつもの明朝体(シン・ゴジラで一番ゲンナリした要素です)が封印されているのは今までとは違うものを作ろうという精神の現れです。エヴァンゲリオンではメタフィクションに逃げ、シン・ゴジラは震災を描くように見せかけて帰ってきたウルトラマンのプロットを流用したに過ぎず、シン・ウルトラマンに至ってはノスタルジー以上の価値を見出せませんでした。今回庵野秀明はかつてないほど真剣に現代的なテーマを扱ったストーリーを語ろうとしているように見えます。最大多数の最大幸福ではなく最も絶望している者の救済、疫病による人口削減、人にも自然にも負担をかけない奴隷制度の復活、エネルギーの奪い合い、絶望を多幸感で上書きする洗脳。それでもショッカー側のキャラクターはワンパターンの快楽殺人鬼ばかりだったり、最終的には肉親の不幸に収束するスケールの狭さもあってまともにテーマを処理できてはいません。だから最終的には駄作と判断せざるを得ないのですが、この映画って言わばまともにストーリーが完結しているエヴァンゲリオンじゃないですか。そう考えるとシン・エヴァンゲリオンなどよりはるかに凄い達成だと思います。 |
7.《ネタバレ》 あまりいい所がなく結局いいな懐かしいなと思ったのは効果音だけだった。経緯、設定、スペックにこだわり過ぎたし説明も長い。なんだっていいのに。もっと悪の結社に専念してほしかった。いちいち流暢な英語の発音にこだわる演出も違和感。誰も望んでいない事に力を注ぎ誰も楽しめない映画になった。飛翔シーンのCGがダサい。いかにもCG。そしてなぜかCGのくせに視点の縦横な移動がぎこちないもんだから空中間・躍動感の気持ち良さが感じられないという残念な始末になっている。 【ほとはら】さん [インターネット(邦画)] 5点(2024-12-07 19:51:37) (良:1票) |
6.《ネタバレ》 1971年にTV放映された「仮面ライダー」をリアルタイムで夢中になって観ていた身としては、いきなりショッカーの戦闘員たちを返り血を浴びながら殺害していくライダーに一瞬引いてしまいました。この作品は、元祖TVシリーズにはなかった暴力的リアリティを追求していくのか?と。
しかし、観続けて行くと、特にリアリティの追求ということでもなく、カット割りや演出、登場人物の台詞回し等々、寧ろ元祖版を丁寧にトレースしているように思えて来て、当時を知る世代にとっては懐かしき昭和の時代を髣髴とさせてくれる作品でした。
併せて、子供向けとして制作された元祖版では少々抑え気味だった、ヒーローの背負った悲しみ・苦しみといった物語の重要な背景部分にも光を当て、今や中年を越え老齢の域に一歩踏み入ったリアルタイム世代にとっては、別の意味でも堪らなくノスタルジックな作品です。
それだけに、ショッカー戦闘員殺害シーンでの流血や、ラスボスとの最終決戦シーンでのライダー流血シーンが必要だったのかどうかは微妙に思えます。
また、次々に怪人が登場する前半~中盤は、スピード感はあるものの今ひとつ綺麗に流れていないように思え、一話完結モノを繋ぎ合わせたようなイメージでした。原作に忠実にするためには尺の都合もあって仕方なかったのかも知れませんが、ルリ子の遺言以降の流れが一気に加速し厚みを増すのに対して、何かもたつきのようなものを感じてしまいました。
仮面ライダー1号・2号はリアルタイムで観たものの、その後はすっかりご無沙汰してしまい、次に観たのは「仮面ノリダー」だったという浜辺美波ちゃんファンの自分にとっては大いに楽しめる作品でしたが、平成以降のファンを始め1号・2号の時代に何かしらの思い入れがない人にとっては全く楽しめない作品でしょう。観る人を選びますね。なので5点献上に留めます。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(邦画)] 5点(2023-08-17 00:31:59) (良:1票) |
5.圧倒的な戦力差からの小競り合いのような展開はなんでだ。 【TERU】さん [インターネット(邦画)] 5点(2023-08-15 19:59:34) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 仮面ライダーのかのじも通ってこなかった勢としての感想になってしまいますが、もう少しアクションシーンは何とかならなかったのか、という点でした。 あとこれはこの作品に限ったことではありませんが、変に頭文字をとって「ショッカー」と読ませるあたり「子供っぽい名称より俺が考えたこっちの方がずっと大人っぽいぜ!」みたいな中二病全開で逆にダサくなってるのと、「まだそんな演出やってんの?」(奇抜なアングルや風呂ネタなど)という印象が強かったです。 【クリムゾン・キング】さん [映画館(邦画)] 5点(2023-04-14 17:56:53) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 このサイトでの酷評を見ていたので、覚悟して鑑賞。 むう。のっけから何が何だかわからんうちに事件が始まり、やたらと多いセリフで背景をべらべら説明されて、ポカーンとなってしまいますね。これで本郷に納得せよ、といっても、本郷はなぜか受け入れていましたが、観客が受け入れられません。 プラーナがどうこう言う設定は、ちょっとくどい感じでした。 最悪というほど悪くもないけれど、登場人物のだれにもあまり感情移入できないままで終わってしまいました。 本郷がなぜ人に対して優しく、そして強くあろうとしているかの事件の説明が終盤になってなされますが、素直にこれを冒頭に持ってきて、仮面ライダーが誕生するまでをもうちょっと丁寧に描いたほうがよかったんではなかろうか? 【Northwood】さん [映画館(邦画)] 5点(2023-03-21 17:37:07) (良:1票) |
2.<原作未読、TV第1シリーズは第1話だけyoutubeで鑑賞>今年2番目に楽しみにしていた映画(1番はキングダムの3作目)。仮面ライダーファンではなく、シン・ゴジラ&シン・ウルトラマンを受けてのライトな庵野秀明ファンとして楽しみにしていたのだが、うーん…これは賛否ありそう。自分はやや否の側なのだが。ストーリーは仮面ライダーことバッタオーグが他のオーグを倒していき、最後はボスの緑川イチローまでたどり着くというシンプルなもので、それ自体に面白味はなく、ザラブやメフィラスのような魅力的な悪役も今回はいなかった。そしてなんといってもアクションの出来が悪い。そりゃオーグは人間とは比べ物にならない力を持ってるからその戦いを描くとき、ああいう映像表現になるのも分からないではないが、作り物感が強すぎてなんともありがたみのないバトルシーンが、とくに後半は続いたなあと思う。随所に見られた昭和的演出と、浜辺美波、西野七瀬らの可憐さは評価したい。 【リーム555】さん [映画館(邦画)] 5点(2023-03-18 00:36:56) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 私は「シン・ゴジラ(以下「シンゴジ」)」という映画が好きで好きで、劇場に最低でも10回は観に行ったぐらい好きです。「シン・ウルトラマン(以下「シンウル」)」もシンゴジ程では無いですが、かなり好きな映画です。 普段邦画はあまり観ない(散々懲りたので)私ですが、「自分と庵野実写とは相性が良いんだろう」と思っていました。 ・・・浅はかでした。上記の2作は、樋口真嗣監督なんですよね。 今回のシン・仮面ライダーは庵野秀明監督。庵野濃度100%の本作は、乗れませんでした。
そもそも仮面ライダーという題材が私には合わないのかもしれません。 私は昭和40年生まれで、6才の頃にウルトラシリーズでは「帰ってきたウルトラマン」が始まり(Q、マン、セブンも再放送で散々観ていました)、仮面ライダーの方は今回の元ネタにもなっている第1作が始まりました。 友人達の間では両方とも常に話題の中心でしたが、私は仮面ライダーよりもウルトラシリーズの方が好きでした。 私の両親が、仮面ライダー第1作の暗ーい雰囲気をあまり好まず、あまり私に見せようとしていなかったのもその要因かもしれません。 今回の「シン・仮面ライダー」を観て、私が仮面ライダーにあまり乗れなかったことをあらためて思い出しました。
以下、ダラダラと。 ・予告編を観て、「何だか安っぽい感じがするな」と思った人、正解です。本編も安っぽいです。(これ、庵野監督のこだわりというより、シンウルと同様、単に予算の問題だと思う) ・いくら「バッタを元にした改造人間」だからといって、マスクの後頭部に「BATTA」と書いてあるのは笑うとこですか? ・シンゴジやシンウルの時はキャストの演技が全然気にならなかったのに、今回は特にショッカー怪人達の変な演技が寒すぎる。これが「仮面ライダーらしさ」なのだとしたら、やっぱり私には合わない。 ・ライダー1号2号がようやく共闘して、ダブルライダーキックをブラックライダー(だっけ?)に浴びせるまでのシーンは超盛り上がるところだと思うのですが、なんで真っ暗なんだよ! ・本郷猛よりも一文字隼人の方がキャラとして輝いていましたね。 ・政府の役人として竹之内豊を出すのはシンウルまででいいよ!あと、政府組二人が最後に名前を明かすシーンも白けました。おっさんオタクはああいう「とりあえず出しときました」みたいなのを一番嫌がると思うよ。 |