《改行表示》 4.映画界が彼に恋したというのが言い得て妙のモリコーネ。名曲名シーンにまた観てみたいと思わされ。 音楽家としての考え方も丹念に示されていて興味深かった。 アカデミー特別賞受賞スピーチでの奥様に向けた感謝に胸熱。巨匠の人生を記した貴重な作品です。 私的に尻込みしそうな時に頭に流れる夕陽のガンマン、これからも後押ししてもらいます。感謝です。 |
3.ジョン・ケージなんて正直何の価値があるのかいまいちわからなかったのですが、我々大衆に理解できなくともプロの世界には多大な影響を与えていたことがよくわかります。この映画で再発見したのはエンニオ・モリコーネは音楽家である以上に最高の映画演出家であったということですね。ウエスタンの冒頭シーンは音楽に頼らないセルジオ・レオーネの純粋な演出の力で見せているシーンだと思い込んでいたのですが、あれこそまさに現代音楽の発想を活かした演出だったのだと気付かされました。おそらく後世においては音楽を担当した作品のどの監督よりもエンニオ・モリコーネこそが重要な人物として名前を残すことになるのではないでしょうか(それと同じことがこの作品にも出演しているジョン・ウィリアムズにも言えるかもしれませんね)。そういう意味ではスタンリー・キューブリックは音楽を依頼するチャンスを逃してむしろ運が良かったのかもしれません(笑)。ジュゼッペ・トルナトーレ監督の作品は感傷的で大袈裟なメロドラマというイメージであまり好きではないのですが、この映画では観客へのサービスを意図した名曲集のような構成ではなくエンニオ・モリコーネのキャリアと思想を語るのに必要な映像と音楽を優先する姿勢で好印象です。ドキュメンタリーとしては基本的にインタビューと過去の映像を編集しただけの何の変哲もない作りではあるのですが、久々にこの映画が終わってほしくないという気持ちにさせてくれました。 |
2.《ネタバレ》 先ずは最初に言いたいことがある。私はアカデミー賞が嫌いだ。正解に言えば、セレモニーや受賞者のスピーチは好きだが、会員数達が選ぶ作品に対する不満が多い。モリコーネ程の巨匠、名作曲家が6回しかノミネートされなかったこと。そして、6回目にして初めて受賞という結果が納得できない。そんな馬鹿なアカデミー賞受賞式で名誉賞を受賞した時、クリント・イーストウッドと2人並び立つ姿と2人の握手に感動させられた。モリコーネが生前、一緒に仕事をした監督や、モリコーネ好きな音楽家、アーティスト、俳優、監督の娘等のインタビューを見て、モリコーネという作曲家がどれだけの人に愛されていたか、影響を受けていたかよく分かる。映画の名シーンと共に語られるモリコーネ音楽の素晴らしさ、一本のドキュメンタリー映画としての完成度もさることながら、モリコーネの人間としての素晴らしさを見せてくれたこと。モリコーネの素晴らしい音楽、素晴らしい仕事、作曲家としても人としても超一流であるこの偉大な名作曲家の人生を最後まで一瞬足りとも眼の話せない映像で見せてくれたジュゼッペ・トルナトーレ監督にも拍手! 【青観】さん [映画館(字幕)] 9点(2023-02-07 19:05:22) (良:1票) |
《改行表示》 1.モリコーネさんと言えば「ニュー・シネマ・パラダイス」「海の上のピアニスト」。 この作品により、驚くほど多くの映画音楽を作っていたと知る。 モリコーネさん、自身を語るのに積極的で嘘や誇張は無く、映画っぽくポーズつけたり、お茶目。 真面目な取り組み、あふれ出る才能、やりたくない事でも我慢強い。 口笛など今までにない手法も取り入れるアイデアマン。 そして愛妻を大切にするジェントルマン。 マカロニウエスタンのフィルムが流され、劇場内の素晴らしいスピーカーの音楽に包まれると。 おお!!モリコーネさんの世界にどっぷり浸かれる。 なんと幸せな時間。 あの映画もこの作品もモリコーネさんの音楽。 あらためて知る驚きもある。 多くの監督から尊敬され、映画音楽と言うジャンルを作った巨匠のひとり。 もうひとりの巨匠、ジョン・ウィリアムズさんがインタビューで 「モリコーネは高齢なのに活動してるんだよ。」と言っていたようで、大笑いした。 ふたりの巨匠のお陰で、映画は大いに盛り上がったと思う。 私の中では、インタビュー形式の映画ではナンバー1の良作。 トルナトーレ監督にも拍手。 カメラワーク編集の素晴らしさも光った。 【たんぽぽ】さん [映画館(字幕)] 9点(2023-01-29 14:23:30) (良:1票) |