《改行表示》 5.《ネタバレ》 既にご指摘のあるように、「羅生門」を想起させる展開ですね。しかも、一人の人間の言動によって事実関係が塗り替えられて行くという変化球。複雑に入り組んだ物語には大いに翻弄されました。キチンと辻褄合わせが出来ている脚本には脱帽です。 が、少なからず展開ありきの肉付けを感じてしまうのも事実。そりゃあこれだけ入り組んだ物語を最終的に一か所に収斂させて行くには力業の一つや二つは必要でしょうけれど、結構何回も「んな訳ないだろ!」的な展開が結構頻繁に見受けられます。痛し痒しとでも言いましょうか、この複雑な物語の落としどころを如何に自然にバランス良く偶然と必然に描き分けるかに当たっては、作り手も相当苦労したのではないかと思う次第です。 極上のエンタメ系作品として割り切るのであれば大いに楽しめました。ただ、一旦疑問を挟んでしまうと、と言うか現実問題として捉えてしまうと評価は一変しそうです。今回はエンタメ系として割り切りました。 ちなみに邦題は良いですね。原題のままだと単に密室殺人の謎みたいなイメージかと。「悪魔の証明」を持って来たことで物語の本筋が見えて来る感じですね。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(字幕)] 7点(2025-04-17 14:03:43) |
4.《ネタバレ》 良作。うわーそうきたか、と気持ちよくエンドシーンを迎えられるでしょう。でも疑問が一つ。スペインの人にはこのオチ、バレバレじゃないのかな。 【代書屋】さん [インターネット(字幕)] 8点(2025-04-09 02:06:26) |
《改行表示》 3.密室劇+回想劇によるスペイン産ミステリー。 観客をミスリードする数々の要素や仕掛けが多分に盛り込まれ、ストーリー展開以上に、登場人物たちの印象が二転三転とひっくり返る興味深いサスペンス映画だった。 SNSのショート動画で紹介されていた情報を見て、ほぼ衝動的に鑑賞に至ったが、“掘り出し物”としての満足感も非常に高い作品だったと思う。 事件にまつわる人物たちの「証言」によって、事の真相が転じていくというストーリーテリングは、古くは黒澤明の「羅生門」から始まり、その映画タイトルから取って、「羅生門スタイル」とカテゴライズされたりもするが、本作も大枠で捉えればその範疇のストーリーだろう。 ただ本作の場合は、「証言」を行うのが、ある殺人事件の罪を問われている若手実業家一人に集約され、彼の発言とその行動が徐々に詳らかにされていくにつれて、映画冒頭の「印象」とは一転する趣向が新鮮だった。 本作があまり馴染みのないスペイン映画であり、出演する俳優たちの知名度も個人的に皆無だったことも、つくり手が意図するミスリードにまんまとハマっていく要因となり、功を奏していたと思う。 無論、鑑賞後にあれやこれやと突き詰めれば、無理筋だったり、道理が通らない要素も見えてくるけれど、ミステリーとしての整合性は保たれており、秋の夜長に楽しむには充分だったと思える。 スペイン人監督オリオル・パウロの作品は初鑑賞だったが、無駄のない画づくりで卓越したビジュアルをクリエイティブしていた。本作も含め、脚本創作も手掛ける注目すべき映画人だと思えた。他の作品もぜひ鑑賞してみようと思う。 日々SNS動画を見ていると、映画の内容を要約したり、ネタバレする情報も流れてきて慌てて飛ばさなければならないことも多々あるけれど、こういう隠れた良作の情報得られる機会も多いので、一長一短だなと思う。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(字幕)] 8点(2024-10-27 11:43:04) (良:1票) |
《改行表示》 2.話が進んでゆくにつれグッドマンはダニエルの両親の依頼を受けていると見たのですが・・・ 斜め上の結末に驚くと共に無理筋にも思えました。 ローラ殺人の真相も雑に感じ、鑑賞後急激に冷めてしまった微妙な作品でした。 |
1.《ネタバレ》 ある殺人事件の容疑者と、弁護士の代理でやってきた女性との室内限定会話劇。タイムリミットは尋問開始の3時間後まで。という超魅力的な設定です。構成は、出だしから予想できるとおりの「羅生門型」であり、あるやりとりが終わって別のやりとりが始まると、今度はがらりと違った様相を見せる、というなかなか凝った展開です。また、会話劇が基本でありながら、回想や時系列操作を適切に入れ込んでおり、単調に陥ってもいません。オチ自体は、伏線の分かりやすさも手伝ってかえって分かりやすいともいえますし、また性質上話の広がりも期待できない(一定の枠からは外に出ない)わけですが、それでもサスペンスとしては手堅く焦点を絞ってまとまっています。 【Olias】さん [DVD(字幕)] 6点(2023-04-15 22:36:26) (良:1票) |