10.《ネタバレ》 晴明と博雅が、「お前は本当に良い男だ」「お前もな」と笑い合って終わるが、これにどれほど共感するか映画を観た満足度が測れると思う。全く同感できなかった。二人が親友として認めあうには、相互扶助の関係があってこそ。なのに博雅は晴明に一方的に助けられるだけの存在。青音によれば「二つの星が一つになったのは、晴明と博雅が二人で都の守り人となったこと」を意味するそうだが、その説明が欠落している。「一方が死ねばもう一方も……」と暗示するが、博雅が死んでも、晴明には何の影響も現れなかった。悪の権化、道尊だが、この人の内面が描かれていないのが、ドラマとしての最大の難点だ。陰陽師として高い地位にあり、そこそこの暮しをしている。そこに何の不足があるのか?人間や世の中に関心はないのに、どうして天皇を亡きものとし、都を地獄と化すことに執念を燃やすのか?そのあたりの動機がみえてこない。それにあれほどの術が使えるのなら、天皇を意のままに操ることなど朝飯前だと思うのだが……。早良親王も同様で、通り一遍の描き方しかされてないので、遺恨や怨嗟は伝わらず、ましてや青音との愛は空疎にみえる。早良親王憤死の顛末を20分程費やして描いていれば、いくらか深みがでたと思う。最大の見せ場は晴明と道尊の術合戦だろうが、結果は肩透かしだ。道尊はいろいろと術を使うが、晴明は結界を張っただけ。それに嵌ったは道尊はあっけなく自死する。ここは二転、三転して盛り上がりを見せるべきところ。それに晴明が術を使うのにつぶやくだけなのは迫力に欠ける。気分が高揚しないのだ。痛快活劇伝奇映画として失格。自死といえば、右大臣の自死も物足りない。こちらは自死の理由も不明だ。技術的な不手際も目立つ。からくり仕掛け丸出しの式神烏や蛇、苦笑するしかない鬼の面、チープなCG、冬枯れの庭に無理に咲かせた花。夕日の中で博雅が笛を吹くと青音が出現するが、その場面は夜になっている。道尊が帝を追い詰めてゆくと、ほぞを固めた帝は、「自分を差し出せ」とまで叫ぶが、その後は姿を現さない。やっつけ仕事のオンパレードだ。何がなんでもこんな映画を創りたい、こんなことを伝えたいという映画愛や情熱が感じられない。こだわりがないのだ。最後に、早良親王の恋人で永遠の生命を持つ青音は、二十歳くらいの娘が演ずれば絵になるものを、年増が演じたのでは台無しである。恋愛パートも失格。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2012-10-04 03:31:45) (良:2票) |
9.《ネタバレ》 視覚的にはかなり楽しませてもらいました。でも平安宮中と貴族の装束と館以外の視覚効果、例えば視覚化された悪霊などは余計です。陰陽の頭(真田広之)、陰陽師(野村万斎)、龍笛の名手の貴公子(伊藤広明)、この三人は脚本さえよければ怪獣映画ばりの視覚化なしに人と悪霊が共存していた平安朝の雰囲気を出せるだけの実力がある俳優だと思います。それにしても真田広之は時代劇に出たらチョンマゲ姿だけではなく平安貴族でも悪霊の使者のざんばら髪でも、どんな格好をしても素敵です。彼を主演にできる良い脚本を待っています。この作品の役柄では今でいう厚生労働大臣が地下鉄にサリンを撒いているようでわけがわからないです。わけがわからないのは野村萬斎が演じる安倍晴明も同じで時代は違っても陰陽寮勤務の公務員なんだから公務員らしい言動をして欲しいです(安倍晴明は自分の上司に勝てる自信がなかったので言っただけなのかもしれませんが言のほうにかなり問題あり)。三人の男優の中で言動ともに地位・身分と整合性がある役を演じたのは伊藤広明だけだったように思われます。主役ではありませんが芸術(笛)の才あり、恋した女性に対する思いやりあり、最後には武勇も見せるといういい役回りだったです。今の世なら安倍晴明の発言はメディアに叩かれて関連ブログが炎上し、陰陽の頭の件は人事院では済まずに総理大臣(平安時代の太政大臣)が採用責任を問われる事態です。藤原道長よりも百年ほど前の話らしいですが、凝った映像とキーになっている美しい龍笛の音はさておき、ストーリーに関しては「一体何やってんねん。」が偽らざる感想です。今昔物語にあるとかだったら評価を変えるかもしれませんが。 【かわまり】さん [DVD(邦画)] 5点(2016-01-18 12:25:39) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 カラス!カラス!カラス!カラス!カラス変!カラス!NHK教育かよ!カラス!もうちょっとなんとかならなかったのかよ!カラス~~~~~!!! 予告で流れまくった「うぉのれ清明!!」のドシリアスシーンが、まさかあんなしょーもないシチュエーションだったとは……… 【えむぁっ。】さん [映画館(邦画)] 6点(2005-10-30 06:16:07) (笑:1票) |
7.野村萬斎の演技には苦々しい思いをさせられた。狂言師としての癖が台詞のイントネーションに嫌な具合に絡みつき、とても気分が悪い。あと、伊藤英明は我慢ならない。今後、俳優と称するのは辞めていただきたい。小泉今日子!またおまえか! 「踊る大捜査線」でもやってくれてたね。極めつけはまだあるよ。素人(今井絵理子)を使うな!無理に仕事を与えてやったのが見え見え。もう勘弁して欲しい。 一言でいえば内容もショボい。つまらない話をダラダラとタレ流し。恐ろしくテンポが悪い。それに加えて、CGデザイナーは手を抜きすぎ。おそらく視点の工夫とか(ラフスケッチもせずに)を考えずにブッツケで創ったのだろう。 この映画は明らかにマニア向けだ。 【おはようジングル】さん 2点(2004-10-03 17:44:24) (良:1票) |
6.晴明の妖艶さは出せてたんじゃない?萬斎さん。口の前に指を立ててうんだらかんたら~って囁くシーンはかっちぇかったぞ。萬斎の魅力満載。マンサ~イ。(万歳~ |
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5.原作は知らないが、清明=美形というイメージがあったので、野村萬斎ではミスキャストでは・・と思っていたが、あの立ち居振る舞いで見事にカバーしていると思う。蜜虫の今井絵里子の大根ぶりはびっくり。だが、あそこまで下手だと、かえって虫っぽくて良いのかも・・。野村萬斎と真田広之に4点! 【黒猫トム】さん 4点(2003-10-09 10:20:43) (笑:1票) |
4.もともと話に無理が有りすぎるので、主役二人の好演にもかかわらず、主人公たちの必死さも、危機感・緊迫感も全く伝わってこない映画だった。野村萬斎の所作はたしかに美しい。水干姿があんなにハマっている俳優はなかなかいない。真田広之のアクションや迫力も素晴らしい。でも、どーして、今井絵里子や小泉今日子といった、あきらかに和装が似合わない女優陣が出てくるのか、わからない。 ひどく安っぽい印象になっていて、美しくない。背景の映像も、実際は寺や神社である現存の建物やあまり大きくないセットを、無理に宮殿として撮影しているせいか全体のバランスが悪く、窮屈な印象。そして、どう考えても変なのは、外に出歩く女性たち。貴族の姫君や宮中の女官たちは、基本的に一歩も建物の外に出ません。自分の足で歩きません!! この題材はたぶん、映画には向かない・・・・・・。 【ルクレツィアの娘】さん 3点(2003-07-03 21:05:13) (良:1票) |
3.最初はあまりに頭にきたのでただカッカしてましたが、なぜ私がとんでもないと思ったかを少しはちゃんと書きます。まず第一に、陰陽師というダークな世界に、CGが合わなさすぎ。ここまでひどいミスマッチは見たことありません。この世界観にCGを入れ込むなら、ここぞという「部分」だけに、効果的に使うべきだったと思います。これでもかとCGを使いまくるのはまったくの逆効果だったとしか思えません。その意味で、「2」にもまったくの期待はできません。次に、多くの人が憤慨している演技のひどさですが、これは洋画にだってあるレベルだと思いますから、とやかく言いません。真田さん、萬斎さんは健闘していたと思います。演技に難があるのではなく、深遠な雰囲気をかもし出すべきところを、劇画的な演技にもっていこうとした、これは演出のミスだと思います。素材のセレクトの問題。というか、滝田監督はCGを使うことに長けている人だとは思えないから、そっちのほうに労力を使うことを余儀なくされ、想像ですが、演技に関しては二大・名優に「おんぶにだっこ」だったのではないでしょうか? だけどそれじゃあ役者たちは自分たちのカンで演技せざるをえなかったのでは? そんな想像が浮かんでしまうほど、うすっぺらーい内容でしかなかったわけです。その中で唯一、この「陰陽師」という世界にふさわしい雰囲気と演技を表出していたのは、私は夏川結衣だったと思います。実に怨念のこもったおどろおどろしい演技で、本領発揮だったと思いました。だから、1点は夏川さんに。あとはむしろマイナス点をさしあげたいくらいです。 【おばちゃん】さん 1点(2003-03-21 00:48:16) (良:1票) |
2.ショックでした・・・確かに野村萬斎はすっごいかっこよかった。伊藤英明は演技は白々しいけどかわいいからヨシ。んで、狩衣・・・見所はそれだけかよっ!あのツノとかキバって一体・・あのカラスって一体・・あのCGはなんなんじゃあああ(T_T)アホくさくてため息と乾いた笑いしか出なかった・・・原作と野村伊藤のキャスティングが気に入ってるだけに、残念すぎる。もったいない(T_T)陰陽師2って・・どーなんだろ・・・ 【玉麗】さん 4点(2002-05-23 02:18:45) (良:1票) |
1.ホントつまんなかった。伊藤君とスピードが下手だった。真田君はうまいと思う。 【高山】さん 1点(2001-10-28 21:33:19) (良:1票) |