★5. ネタバレ 原作未読。原作は名のある賞を受賞した作品。映画化にあたっては、かなりの味付けを施したように思えます。
そう、言い方を変えればかなりの部分で粗が目立つと言うかツッコミし放題と言うかの作品ですね。ホラーだホラーだとミスリードしておいて、結局はホラーじゃなくて人間の狂気をベースにしたサスペンス。
少なくとも本作を観る限りにおいては、主人公のトラウマになっている実家における過去の出来事と、おそらくはそれに起因する兄の現状は、主人公のマイホームに纏わるストーカー的事件とは関係ないです。兄が何かに怯えているからといって、主人公の家にまで類が及んでいる訳じゃ全然ないでしょう。あるとすれば、あくまでも主人公の内なる世界のお話じゃないかと。
子どもの頃、弟を庇い父親に虐待を受け続けていた兄。見かねて父を殺してしまった弟。同じく夫に苦しんでいた母親は、子どもたち(自分自身も?)を守るべく遺体を処理して犯行を隠してしまった。弟の凶行と母親の隠蔽行為は兄にとってあまりに重過ぎた。だから、得体の知れない脅威を想像し引き籠ってしまった。
主人公はあまりの心理的ショックに自らの行った行為の記憶を封印してしまう。閉所で錯乱するのは封じた記憶が解き放たれるのを妨げるためでは?百歩譲れば不倫行為もその延長上にあるのかも。十分に幸せなのに更なる幸せを欲張ってしまった?
いずれにせよ、幸せの絶頂から奈落へと突き落とされたことで狂気に陥ってしまった設計士の犯行は、間接的には主人公の不貞行為に起因するものかも知れませんが、あくまでも彼女の世界を守らんがための凶行。同僚殺しも主人公の元愛人殺しも主人公の兄殺しも。とりわけ兄はある意味純粋な被害者。とばっちりに近いのでは?
全編を覆う不穏な空気間。登場人物の謎めいた雰囲気。途中でそこそこ見えてしまうにしても、適度に意外性を伴う真犯人とその人物像等々、惹き付けられる部分は少なからずあります。しかし、総じて見れば今一つ纏まりに欠けるように思えてしまうところ。数多ある「?」とか「んな訳ないだろ!」的ツッコミどころをもう少し丁寧に描きつつ、実家の事件と現在の事件の整合性を整えていただければ、もっともっと楽しめたかも知れません。エンディングも残酷性に走ってしまった感があり、かなり残念な作品。ラストの赤ちゃん受難エピソードが胸糞だったことは原点要素です。
ちなみに、地下室見ていて思ったのは、エアコンの造形が「ホームアローン」のボイラーみたく見えてしまったことと、何で照明ないの?作業できないじゃんと思えてしまったことです。 【タコ太(ぺいぺい)】さん [インターネット(邦画)] 4点(2025-05-05 00:09:21) ★《新規》★ |
4.ネタバレ 事件は、霊的なものではなく人間の仕業だったのに、あの兄貴にはいつも何が見えていたのだろうか? それにしても、この事件はハウスメーカーも共犯と見なしていいのではないか。家を建てる(買う)という事は、人生において1,2番の大きな買い物である。にもかかわらず、最近おかしいと皆が認識していた社員を休ませることもせず、そいつにお客まで任せて、一切のフォローやサポートも無しとかあり得ない。それを後出しじゃんけんみたいに「実は…」とか、まるで他人事じゃん。 【リニア】さん [インターネット(邦画)] 6点(2024-05-04 13:57:12) |
3.ネタバレ 原作は読んでませんが、わりと楽しめました。新居を買って住んだ一家が恐ろしい目にあうってホラーです。心霊なのか?犯人がいるのか?とゆう感じで一家と見てる鑑賞者をゆさぶってくるのですが、クライマックスの天井裏のシーンは結構ゾッとしました。オチがちょっと狙ったにしては嫌すぎるのと、主人公がわりと暗めなので、途中ちょっとダレました。もうちょい短くしてたら、もっとノレたかも。 【なにわ君】さん [インターネット(邦画)] 5点(2024-02-28 09:58:04) |
2.ネタバレ 俳優陣がいい演技をしていてそこは文句ないのだが、あとがダメダメ。なぜ何人も殺したのか、ラストのシーンはなんの意味があるのか。 【ブッキングパパ】さん [インターネット(邦画)] 3点(2023-12-28 16:43:42) |
1.ネタバレ ネタバレあります。ご注意ください。
主人公の兄が言う「あちらこちら(家の天井や床下)にいる害なすもの」とは何でしょう。自分(兄)には見えるが、お前(弟=主人公)には見えないもの。一般的には「ネズミかゴキブリ」を連想すると思いますが、本件では本当に天井と床下に「害人」が居ました。この真相には脱帽!ネズミかゴキブリと大差ない点にも唸らされます。更に言うなら害人から発せられる「悪意」も害なすものに含まれるのでしょう。「憎悪」「敵意」さらに「背信」も。これらは人の命を奪う脅威となり得る恐ろしいものでした。厄介なのは、一見して判別できないこと。あの人の悪意は「親しみ」に擬態しましたし、かの人の「気遣い」は「嫉妬」に読み違えられました。残念ながら人は見た目に騙され易い。本物の悪意を見抜けず裏をかかれた主人公は大切な家族を失いました。もっとも最後に待っていた悲劇は主人公の身から出た錆。見なくてはいけないものは見えないのに、見せたくないものは見えてしまう皮肉。いや主人公の場合は現実から目を背け続けてきたのですから、見えないのは当たり前。溜まりに溜まったツケを払わされる時に破滅を伴うのは世の常と言えましょう。 冷静になれば「そんなわけあるかい」な設定ばかりですが、なかなか言い訳が上手い。空調の集中管理システムがネズミの生息を可能にすると。多分裏設定に「忍者の末裔」も隠されていることでしょう。知らんけど。そもそも「そんなやつに接客させるな(怒)」とも思いますが、慢性的な人手不足や日本の雇用制度を考えれば「無い話では無い」かもしれません。あな恐ろしや。 最後にひとつ確認を。主人公の兄を刺したのは誰でしょう。劇中では「あの人」ということで事件処理されていますが、警察のいうように所詮は「死人に口なし」です。悪意を見抜ける兄(大の男)が不覚をとる相手と考えれば、おそらく真犯人は「あの方」でしょう。いや「あの方」を狂わせた元凶を突き詰めるならば、最も責められるべきは言わずもがな。裏テーマは「不倫。ダメ、ゼッタイ」です。 【目隠シスト】さん [インターネット(邦画)] 8点(2023-12-12 18:29:34) |