9.《ネタバレ》 英国人のアレックス・ガーランドだからこそ、こういう洒落にならないような際どい題材の作品が撮れたのだろうと思います。〝米国で内戦が発生!”というでかいテーマを非常にミニマムな視点でしかもロードムービーとして撮っていますが、しょうじきなんで内戦が勃発する事態に至ったのか現在の情勢はどうなっているのかなどの基本的にオミットしているので、ワシントンDCへと向かう四人の視点でしか情勢が判らないようになっています。反乱軍としてタッグを組んでいるのがカルフォルニア州とテキサス州というちょっと現実にはあり得ないけど、リアルな米国の政治情勢を織り込んで刺激が強くならないようにという配慮があったんでしょうね。だからワシントンに近づいていっても何がどうなっているのかさっぱりで、どうやら政府軍は敗北しそうでそうなったら大統領は殺されることになりそうだということぐらい。その代わりに四人は道中で様々な理由で虐殺された一般市民を見ることになるわけで、まさに合衆国は北斗の拳の世界の様な修羅の国になっているということです。それでも途中には〝国が内戦状態であることを見ない”という現実逃避に走って平穏な暮らしが続いている町もあるわけです。設定では反乱側は全米50州中の19州、つまりいちおう連邦政府を支持する州の方が多いことになっていますが、きっと様子見というか傍観しているだけの国民が多いということなんでしょうね。主人公たちは報道カメラマンにTV記者そしてNYタイムズの記者でいわゆるオールド・メディアの奮闘を描いているとも取れますが、このSNS全盛の時代にはちょっと現実離れしている感も無きにあらずです。見習いカメラマン的な立ち位置のジェシーがニコンのアナログモデルを愛用していて屋外で使用できるキット(そんな優れモノがあったとは知らなんだ)を使用してフィルムを現像するシーンがあるところなんか、監督の意思が伺えたような気がしました。ラストの展開なんかトランプが観たら激怒することは間違い無しですが、さすがにハリウッドではあの写真のショットで幕を閉じるなんてことは、絶対ムリでしょうね。それにしても久しぶりにキルスティン・ダンストの出演作を観た気がしますが、すっかり歳相応のおばさん顔になっていましたね、これはイイ意味での誉め言葉ですけど。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2025-04-19 22:58:47) |
8.話題性が高かったが、作品自体はある断面を切り取ったような映画。 リアルな感じは確かにある。ただし、見る時の状況なりと合わせて相乗効果を考えるものだろうと。 【simple】さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-12-14 19:14:40) |
7.《ネタバレ》 観る前に思っていたのは、なぜ内戦になったのか?その根底な部分を歴史や政治などを交えながら紐解いていく、そんなドキュメンタリータッチな映画かと思ってました。ところがいざ観てみたら、一人の半人前な報道カメラマンの女の子が、幾多の修羅場をくぐり抜けて、いっぱしの報道カメラマンへと成長する物語だったとは・・・いや~思ってたのとは違いましたが、これはこれでなかなか見応えがありました。
私が撃たれたらその瞬間を撮る?て問いかけたその半人前のカメラマンが、憧れだった先輩カメラマンが撃たれた瞬間、躊躇なくシャッターを切り続けるまでに成長しちゃう、それほどまでに過酷な世界での対応力、順応力のすごさがこの映画の本性だったんですね。恐ろしい映画です。
実際問題もしも本当に内戦が起きた場合、まず株価は暴落しますよね。次に産業の停止。法や秩序の崩壊。日常生活が機能しなくなり、略奪や暴力。でもそんな中でも人間らしさを失いたくないという集団も。この映画ではその二つを見せてくれてるのがリアリティがあってぞっとしました。内戦=戦争でありつつも、「ウオーキングデッド」さながらの無秩序な暴力な世界もあって、むしろ兵士どうしの戦場よりもそっちの方が怖かったです。銃社会だからこその恐怖ですね。
ただ一つ気になったのは、そこまでアメリカの軍の現状を知らないので何とも言えないんですが、大統領サイドの正規軍、圧倒的に強そうなイメージなんですけど、説明ないけど反乱して離脱した兵や隊もあった、て勝手に補足すればいいのかな?こういうところを事細かに描いてたら3時間近くいっちゃうかも(汗)
最後に、射殺した大統領を囲んで笑顔な兵士たちの写真でエンドロールを迎えますが、この写真をキッカケに半人前だった女の子は一躍トップ報道カメラマンへとなっていくんでしょうね。そしてまた次世代の若手カメラマンが現れて・・・。歴史は繰り返す。そういうことかな。
「アメリカの内戦」そのものは結局はただの「舞台」でしかなかったわけで、その点ではそれが見たかったのに!てなるのはやむなしですね。まあでも私自身は1本の映画としては良かったと思えたのでこの点数にしました。あしからず。 |
6.《ネタバレ》 戦場カメラマンたちは一歩間違えれば命を失うというにも関わらずその緊張感が感じられませんでした。 【珈琲時間】さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-12-12 12:50:32) |
5.《ネタバレ》 臨場感が凄い。力の理不尽さを痛感。アメリカですらこうなる恐れがある。どこに住もうと庶民にとって平穏な生活はたまたまなのかもしれない。 【ほとはら】さん [インターネット(字幕)] 6点(2024-12-08 18:31:26) |
4.《ネタバレ》 予備知識なしで鑑賞、唐突に始まったので誰がどっち側でどうなってるのか分からないままストーリが始まってしまいました。 キルスティン・ダンストはスパーダーマン以来な感じ。 終始、若いお姉ちゃんのせいで味方が死んでる感じはちょっとやり過ぎ。 映画の前にwikiでも読んでおいた方がいいと思います。 【木村一号】さん [映画館(字幕)] 6点(2024-11-02 17:34:49) |
3.《ネタバレ》 告知から抱いていたスケールとは違いましたが、独特の切り口で表現しているものの、やはり一種の“終末パニックもの”だったという感想です。 若き報道カメラマンの成長(?)ストーリーと捉えれば、そこそこ面白い作品だと思います。 成長というよりは、戦争の狂気に侵され、徐々にクライマーズ・ハイのようになっていくのですが、そこが見所ではないかと。 また、戦闘シーンと対比するように使われる穏やかな風景や音楽により、戦時の惨さが格段に強調されていました。 残念だったのは、終盤の大統領官邸のくだり・・・ちょっとご都合よすぎだったかと…。 ラストシーンは目的を達した軍人の「記念写真」、それとともに流れだす不気味なテーマ…愚かな人間にふさわしいエンディングを見せつけられ、昨今の危うい世界を重ね合わせ、ただただ空しくならざるをえませんでした。 【午の若丸】さん [映画館(字幕)] 6点(2024-10-20 13:33:33) |
2.《ネタバレ》 事前の情報が映画館での予告編だけだったので、歴史ifシミュレーション・戦争アクション・エンタテインメント映画(エンタテインメントとしたのは最後に主人公側が勝ってハッピーエンドという流れだと思ったから)だと思っていたら全然違っていました。従軍ジャーナリストあるいは戦争ジャーナリストのロードムービー風リアル(フェイク)ドキュメント映画という感じでした。戦闘シーンでロックやポップスが流れるなんていうのはドキュメンタリーの演出ですよね。民主党地盤のカリフォルニア州と共和党地盤のテキサス州が手を組むというのは現実的ではないんだけれど、IT(経済力)のカリフォルニア州と軍事力のテキサス州と考えればありうるのかなと思いました。出身を聞いて射殺するか決める武装兵のシーンはそんな輩も本当にいそうで恐ろしさを感じましたね。 だだ本当に見せたかったのはアメリカの分断なのか、戦闘のリアルさなのか、若きカメラマン女性なのかいまいちはっきりしない印象は残りました。
[追記] パンフレットには現実のアメリカとこの映画のアメリカとの相似点がわかりやすく書かれていました。これを読んでから見るともっと深く理解出来ると思います。 【MASS】さん [映画館(字幕)] 6点(2024-10-07 21:51:40) |
1.《ネタバレ》 もっとポリティカルな主題が中心の映画と想像していましたが、大分違いましたね。 内戦が起こった経緯や戦況、両軍の大義がほとんど説明されないので、ずーっと消化不良のままでした。 そういう情報は序盤のホテルのロビーのシーンの会話にある程度含まれていたのかもしれませんが、聞き取れず。 あくまで映画は4人のジャーナリストの体験するごく狭い範囲の事件の積み重ねだけで進むというシンプルな内容です。
戦争のシーンの恐ろしさはかなりのものだし、「どちらのアメリカ人だ」のシーンは心底ぞっとしましたし、そういうところの完成度は高いのですが、でも、現代の社会問題とか人間のモラルとかを、そこまで考えさせられるような内容の映画とは思えず。 結局この映画は最後、南軍の軍隊が○○○をも情け容赦なく射殺するというショッキングなシーンを絵にしたかっただけの映画なのでは?と思ってしまいました。
あと、銃声でびびらされるシーンが何度かあって心臓に悪いです。 【Northwood】さん [映画館(字幕)] 6点(2024-10-05 22:33:51) |