《改行表示》 6.「ORDINARY PEOPLE」と「普通の人々」とでは、ニュアンスにかなり違いがあると思うのだけど、英語のニュアンスはよく分からないから、まあこれ以上つっこむのはやめておきます。 見たのは公開当時で、その頃は映画というものはもっと簡単に作られているような錯覚をしていたので、「フツウ」? ほんとにふつうだわー、とバカにしていたような気がします。 「ふつう」としか思えないほどにナチュラルに演出しているすごさに、気づいてなかったんですよね。 今思うと、自分が出ればそれだけでベーシックな観客動員は約束されているようなものなのに、それをしなかった監督の潔さにも、改めて感服です。 ○ニーニとか、○ブソンのように、自分で監督して主演して、という人が好きじゃないので、 なおさらです。 今なら素直に言えます。「感動しました」って。 でも観た当時はそう言えない何かもこの映画は持っていたのも事実です。 直球勝負の映画に、たじろいだということかもしれません。 【おばちゃん】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-02-07 16:57:55) (良:2票) |
《改行表示》 5.二人の息子のうち、可愛がっていた方が死んでしまった家族の物語。兄の死や弟の自殺未遂といった映画的に美味しい部分は敢えて省略し、一家が平穏を取り戻そうとしている部分にスポットを当てるという、なかなか斬新な構成となっています。『ペーパームーン』で高い評価を獲得し、後には『スパイダーマン』シリーズを手掛けるアルヴィン・サージェントによる脚色が素晴らしく、本来はドラマティックではない物語が、非常にドラマティックな内容として描かれています。何が素晴らしいって、それまで機嫌良くしていた人間がさっと冷めていく瞬間であったり、何となく保たれていた日常の均衡が崩れる時の気まずさであったりというものが、抜群の臨場感をもって描かれているのです。例えば、祖父母も交えて家族写真を撮る場面。みんな勝手なことばかりを言って会話はまるで噛み合っていないのですが、それでも全員が笑顔で機嫌良く振舞うことで、場の空気は平穏に保たれていました。しかし、イライラを募らせた次男が怒鳴り声をあげたことで一瞬にして全員が凍りつき、「この場を何とか取り繕わなきゃ」と思っても適切な言葉が浮かんでこないという、あの場面の何とも言えない気まずさ。あるいは、冒頭の朝食の場面。母親が作った朝食を子供が食べないというありふれた場面なのですが、本作の母親は「食べないのなら捨てる」と言って、出来たてのフレンチトーストを流しに捨ててしまいます。この数十秒のやり取りで、この母親がキ○ガイだということが観客にはっきりと伝わる仕組みになっているのです。本作にはこの手の的確な描写が多く、ディティールの面で非常に成功した映画だと言えます。。。 レッドフォードは初監督ながら、地に足のついた演出でこの脚本を映像化しています。また、自身が俳優であるためか役者の動かし方もよく心得ていて、エキセントリックな役柄ばかりを演じてきたドナルド・サザーランドに気の弱い父親役を、有名なコメディアンであるメアリー・タイラー・ムーアに神経質な母親役を、演技歴の浅いティモシー・ハットンに繊細な次男役をやらせるという奇抜なキャスティングながら、各々から生涯ベストとも言える名演技を引き出しています。ただし、地に足がつき過ぎて一つ一つの場面が妙に長かった点は、本作の数少ない欠点。今回DVDで見たオリジナル版よりも、正味90分に編集された地上波放映版の方が面白く感じられました。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2013-06-19 01:39:47) (良:1票) |
4.時代は全然違いますけど、本作を観て私は小津安二郎の映画とついつい比べてしまいました。レッドフォードの演出は驚くほど繊細で、これが初監督とは思えません。ティモシー・ハットンはこの演技で見事初ノミネートでオスカー受賞しちゃったわけですが、どうも一発屋だったみたいで、近年は全然名前を聞かなくなっちゃいましたね。80年代以降でもっとも伸びなかったオスカー受賞俳優と言ってもいいんじゃないかな(ちなみに女優ではミラ・ソルヴィーノ)。なっとく行かないのはこの映画でオスカーに本当にふさわしい演技だったメアリー・タイラー・ムーアが受賞できなかったことで、実にもったいない。この人は本来コメディが得意分野ですが、ここまでシリアスな演技ができると言うことは評価が高いと思います。 ラストは家庭崩壊みたいな感じですが、不思議と暗さは感じなくて何か希望と再生の一筋の光が見えていると感じました。 【S&S】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-07-12 00:41:58) (良:1票) |
3.この母親、インパクトありましたね。「まとも」をふりかざし、一見まったく「まとも」なのに、「このひとなんかおかしい、なんかまちがってるぞー!!」と言う思いを見るものに抱かせ、見るものを引きずり込んでいく。こういうところをきちんと押さえて筋をつくってあるところが、ほんとに凄いぞレッドフォードってかんじです。彼はもちろん「映画界の巨人」であるのは万人が認めるところですが、「アメリカの良心」と呼んじゃってもさしつかえないのではないでしょうか? 【ちずぺ】さん 10点(2002-07-10 00:48:37) (良:1票) |
2.タイトル通り、普通の人々を描いているだけの作品。しかし同じくオスカーを受賞した「アメリカン・ビューティー」とは違って、過激なシーンを売り物にせず、若者の不安定な精神状態を理解しようともしない親たちを描いており、若者側にとってとても共感できた作品です。 【イマジン】さん 9点(2001-01-23 12:25:20) (良:1票) |
1.共感とまではいかないけど、超すごい。カノンの音楽聞くたびに思い出してしまう。ロバート・レッドフォードって監督でもすごいんだなあ。 【ゆう】さん 9点(2000-12-04 01:00:36) (良:1票) |