《改行表示》 4.《ネタバレ》 思えば「グッドウィルハンティング」はかなりここからパクっていたんですね。 兄貴が生きている間は家族間の力関係が安定していたために誰も疑問を持たなかった「コンラッドに対する無関心」が、バックが居なくなったことにより表面化してしまった。それでこれからどうしよう?という話ですね。 その「無視」の出所は母親のベスであるわけで。まあどう考えても彼女のコンラッドに対する態度は異常ですよね。なんで今まで気がつかなかったんだ?というくらいに。 カウンセリングを受けなければいけないのは誰よりもベスなんだけど。 みんなが腹を立てているベス、その思考回路について私が想像してみましょう。 彼女のキーワードは「完璧」「安定」「計画どおり」です。こういう人が最も恐れるのは予定を乱されること、突然のアクシデントです。彼らは自分が他人より弱く傷つきやすいと感じており、予期せぬ事態に耐えられないと思っているからです。 そのため予定を立て、家族を管理し、自分の許容範囲を超えたハプニングが起こらないように努めるのです。「不寛容」は、もちろん自分が「寛容」を与えられなかったから出てくるので、「私がこんなにがんばっていることに比べればあんたのがんばりなんて何よ」という気持ちで四六時中過ごしているのがベスのような人です。自分が一番大変な思いをしているという気持ちですね。こういう人は自分のことでせいいっぱい。自分が崖から転がり落ちないようにするだけで力を使い果たしている。「母親のリミットを知れ」と言ったバーガー医師はまことに正しい。 私はどちらかというとベス的な人間なので、分かるところがあるのです。 彼女はたぶん、「いい子にしていればすべてが与えられる」という育ち方をしたのでしょう。だから、大人になった今も主婦として妻として、落ち度の無いようにがんばっているのです。そうしないと「最も恐れていた事態」が起こるかもしれないから。それは「夫に捨てられて生活に困ったらどうしよう」ですね。ところが皮肉なことに、それは彼女が想定していた落ち度以外のところから訪れたのです。 誰もが理解に苦しむベスとは、(たぶん)こんな人です。「魔女」ではありません。 この話の女の子版が萩尾望都の「イグアナの娘」ですね。(マンガだけど) 【パブロン中毒】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-06 19:36:08) (良:3票) |
3.《ネタバレ》 いや~ 良作でした~ 全ての元凶が、母親だったんですね..最初は、地~味な展開に少しガッカリぎみで観ていましたが、後半、急展開! 次男が母親にハグするシーンでは、切なくて ほろっ ときました..ラストは、母親が改心してハッピーエンド! かと思いきや、、あんな結末になるなんて..でも、そこが リアル と言えば リアル、母親は自慢できる長男だけしか愛していなかった..そして性格上、残された夫と次男に愛情を注ぐことが出来ない..自己中心的で、体面ばかりを気にし、夫を見下し、問題を起こした次男を嫌い、理解しようとする努力を怠り、あろうことか邪魔のも扱い..典型的な ダメ母! 父親は心優しく、少し頼りないが家族を誰よりも愛している、次男は真面目で素直な優等生、父と亡くなった兄が大好きだった..しかし事件をきっかけに母親の言動も重なり、心は傷つき苦しみバランスを失う..時間が掛かってしまったが、夫として、父として、それにやっと気付く父親..そんな父を見直し信頼する次男、..とてもレベルの高い演出と脚本、伏線も良く効いています..家族愛について深く考えさせられる作品ですね... 【コナンが一番】さん [DVD(字幕)] 8点(2007-09-21 12:29:14) (良:2票) |
2.《ネタバレ》 自殺未遂を起こした後、原因不明の苛立ちを抱える次男、そんな息子を腫れ物扱いする父、そして溺愛していた優秀な長男を事故で失い、心が「死んでしまった」母。本作はそうした家族をストイックなまでに繊細で醒めた視点から描いている・・・んだけど、要は集中して観てないとただの「退屈な映画」かもしんないって事です。実は最初観た時はちょっと置いてかれた感じがしたので、も一回観て、んで感動して泣いた、というのではないけど心の色んな所を刺激され、家族について、愛について考えさせられました。やっぱし人を愛し、誠実に向かい合おうとした時には、自分が傷ついたり他人を傷つけたりするのを恐れちゃいけないんだな。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-03-04 19:58:28) (良:2票) |
《改行表示》 1.「ORDINARY PEOPLE」と「普通の人々」とでは、ニュアンスにかなり違いがあると思うのだけど、英語のニュアンスはよく分からないから、まあこれ以上つっこむのはやめておきます。 見たのは公開当時で、その頃は映画というものはもっと簡単に作られているような錯覚をしていたので、「フツウ」? ほんとにふつうだわー、とバカにしていたような気がします。 「ふつう」としか思えないほどにナチュラルに演出しているすごさに、気づいてなかったんですよね。 今思うと、自分が出ればそれだけでベーシックな観客動員は約束されているようなものなのに、それをしなかった監督の潔さにも、改めて感服です。 ○ニーニとか、○ブソンのように、自分で監督して主演して、という人が好きじゃないので、 なおさらです。 今なら素直に言えます。「感動しました」って。 でも観た当時はそう言えない何かもこの映画は持っていたのも事実です。 直球勝負の映画に、たじろいだということかもしれません。 【おばちゃん】さん [映画館(字幕)] 8点(2004-02-07 16:57:55) (良:2票) |