4.《ネタバレ》 アクションの迫力は59年製作の『ベン・ハー』に遠く及ばず、豪華絢爛を見せつけたパーティのシーンの優雅さはこの作品と同じ年に製作された『山猫』に遠く及ばない。それでもこの作品が異色かつ魅力的なのは、この映画がハリウッドスペクタクルの顔とリアリズム系ヨーロッパ映画の顔を同時に持っているからだと思う。米英の視点から描くストーリーはハリウッド流だが中国側からの視点も無視されていない。チャールトン・ヘストンというスター俳優がスター俳優らしくかっこよく登場しても一人果敢にばったばったと敵を倒してゆくわけでもない。ヒロインの死というドラマチックなプロットが用意されていてもその死を看取るのは医者一人という極めて盛り上がりの欠けるものとなっている。ハリウッドの歴史大作としてソツなく「事件」を描きながら「人間」もしっかりと描かれている。ただ、主人公に偏った物語にせずに多くの人物のドラマを見せようとしているのは好感が持てるが少し散漫に感じた。ラストの連合軍各国行進はTDLの「イッツ・ア・スモールワールド」を思い出した(笑)。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 6点(2006-05-26 18:19:35) (良:3票) |
3.《ネタバレ》 そうか、1960年代前半には、アメリカは大金をかけて、こんなアメリカ中心の歴史スペクタルものを、さも当然のように制作していたのだな。デヴィッド・ニーヴン演じる英国公使が、愛する息子を反乱勢力に狙撃されて、中国進出を自省するシーンがちらと描かれているけれども、当時のアメリカはといえば、ベトナムにいよいよ本腰いれて介入しつつあったのだ。このあと60年代も末になると、大人たちの偽善ぶりに怒れる若者たちが、強く反抗しはじめる。この映画の主役、戦闘を指揮するアメリカ軍少佐を演じたチャールトン・ヘストンは、その後右派の武器業界全米ライフル協会の表看板となり、彼が応援にたって当選に貢献したというブッシュ政権は、イラク攻撃につっこんでいくことになる。そんな歴史のなりゆきを、今一度調べかえしながら観ると、この映画は皮肉にもそれを予感していたようにも見えてくる。ところで、描かれる1900年当時の新興国で、映画制作時の「敗戦国」であった日本の、なんと影の薄いこと。 【goro】さん [DVD(字幕)] 4点(2008-11-24 15:36:10) (良:1票) |
2.始めのほうで出てくるイギリス女王の誕生パーティーの豪華なこと・・・。西洋づくしの建物でもちろん西洋風に着飾った外交官とその令夫人らが西洋音楽(レコードではなくて生演奏の)にのってダンスを楽しむ光景なんて、見た中国人はさぞかしカチンと来たことでしょう。自分たちの政府がこういう連中の言いなりになっていたら追い出したくなる気持ちもわかります。この作品のリメークですが、中国にとっては恥の時代とは言っても、この後で日本の言いなりになって満州国まで建国した征服王朝のやったことなので、趣旨さえ明確ならわりとすんなりロケの許可なんか出るのではないでしょうか?ただ、日本の軍人代表が真田広之だったりしたら、英語力は抜群ですが、私はちょん髷頭しかスクリーンで見たことがないので笑ってしまうと思います。強い女が大好きなコン・リーが西大后だったりしたらもう笑って笑って・・・ラッセル・クローがアメリカの軍人ではなくて実際、イギリスに次いでもっと大きな影響力を持っていたはずのロシアの軍人だったりしたら「待ってました、グラディエーター!ゲームの理論は任せたぞ!」なんちゃって・・・考えるだけで楽しくなりますが、本当にやったら大真面目でしょうから冗談はここだけにしましょう。ラスト近くのの8カ国連合軍の北京入城のシーンは感動ものですが、これを機会に列強が中国進出を本格化したことを思えば感動してもいいのかなという気もします。清朝政府が間接的かつ明らかな国際法違反だったので、いいのでしょう。製作当時はやりだったスペクタクル映画を中国を舞台にして中国ロケが出来なかった時代によくやったな、とは思いますが建物のセットなんかがやはり古色蒼然としているし、中国の儀式などの時代考証が怪しげなので点数はちょっと辛目です。 【かわまり】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2005-07-31 11:28:59) (良:1票) |
1.金掛けてるなあって感じですかね。何か歴史教科書を観ているような淡々とした作品に思えました。何故かこの手の作品には必ずと言っていいほど、チャールトン・ヘストンがいますね。もしかすると歴史の教科書には、間違って彼の顔が載せられるってことはないのでしょうか?☆オールキャストに混じって、若き日の伊丹十三氏が出ているのが嬉しい限りです。 【イマジン】さん 8点(2001-10-09 12:43:07) (笑:1票) |