7.ネタバレ 原作の最終エピソードを描いた劇場版第5作。テレビシリーズが原作の終了を待たずに終わってしまい、ファンの要望に応えるかたちで作られた作品だそうだが、ほかの劇場版と違って原作となるエピソードが存在するためか、多少詰め込みすぎな印象があるものの、それでもこのシリーズに少しでも思い入れがあればじゅうぶんに楽しめる内容になっている。地球の存亡のためにあたるがラムと鬼ごっこをするという展開は完全に第一話と対になっていて、最後にきて改めて「うる星やつら」という作品の肝はあたるとラムの鬼ごっこにあるのだなと感じさせてくれる。それに加えて記憶喪失装置の作動によってあたるがラムの角をつかまなければ記憶が消されるという展開もドラマを生んでいて、寝ているあたるにテンが泣きながら「お前のこと、忘れられてせいせいするわい。」と悪態をつくシーンや、いよいよリミットが近づいたときにサクラが弁天たちにかける言葉が感動的。この後の鬼ごっこの結末にも思わず感動した。「うる星やつら」の幕引きとしては最高の終わり方ではないだろうか。作風的にはあまり劇場版という感じはしないのだが、丁寧に作られていて、ファンの期待を裏切らない作りなのが好感が持てる。声優陣の演技も気合いが入っていて、これが最後という雰囲気がよく出ている。中でもかつてラン役だった井上瑶をカルラ役で起用しているのは偶然ではなく、最後のお祭りにどうしても彼女を参加させたかったというテレビシリーズからの関係者の思いがあったのではないかと、ついそんなことを考えてしまうキャスティングでこのアニメの制作メンバーの絆の深さも感じられた。ただ、本当にこれで終わっていれば潔かったのになという思いもあって、本作を見たあとで先週見た(この映画の次作である)「いつだって・マイ・ダーリン」を見ていたら、「いつだって・マイ・ダーリン」の感想はボロボロだったかもしれない。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-11-17 14:53:26) (良:2票) |
《改行表示》 6.ネタバレ 「評価が高いから」「うる星やつらの入りとしてこの作品を」という方にはお勧めしません。 というのも、本作は「原作を読んでいる」「アニメを見ている」「うる星やつらのファンである」という人にはぶっ刺さる作品であるが、逆にそれ以外の人には2021年現在の感覚では刺さりづらい作品かと思うからです。 「完結編」という通り、本作は原作のラストエピソードの映画化作品であるため、それまでのストーリー、キャラクター、世界観に思い入れがあるか否かで全く評価が変わるかと思います。 その上で10点を付けさせていただくのは、「うる星作品としてこれほど完成度の高い原作再現をしてくれてありがとう」という気持ちによるものです。 うる星やつらは「ラムちゃんとあたるの気持ちの違い」言い換えれば「女の子と男の子の感覚の違い」が根底に据えられており、そこにコメディやファンタジー要素が入れ込まれる、という作品です。 それを本作(というか原作のラストエピソード)は完璧に表現している。 女の子は「外面上は何と言っていても本当は不安。心で繋がっていることを確認するために好きだという言葉が欲しい」 男の子は「外面上は何と言っていても本当は心で繋がっているはず。なんでそれがわからないんだ」 これを表すのが「嘘でもいいから好きだと言ってほしいっちゃ」「言わなきゃわからんのか」「こんな状況で好きだと言ったら嘘かほんとかわからんだろうが」という言葉。 最終的に「好きだと言わなければ世界が滅ぶ」という状況に達するも、それでも好きだと言わない。 なぜなら、あたるにとってそれは世界の崩壊よりも遥かに大事なことだから。 だから 「一生かけても言わせてみせるっちゃ」 「今際の際に言ってやる」 というのがこれまでの二人の関係を表した完璧な言葉であるとともに、作品を締めくくる完璧な言葉。 今際の際に言う=死ぬ間際に言う=一生好き、ということであり、それを表しつつも、決して「好きだ」とは言わない。 原作の高橋留美子先生は女性でありながら男性の気持ちをこれほどまでに理解し、うまく作品として表現していることが本当に素晴らしく、それをほぼ完璧にトレースした本作は、私にとって10点に他ならない作品となっています。 【53羽の孔雀】さん [ビデオ(邦画)] 10点(2021-09-01 10:21:30) (良:1票) |
5.ネタバレ 誘拐されたラムを取り戻しに行くものの、喧嘩となり戻って来たあたる、いつまでも喧嘩ばかりしていてもやはりラムの事が忘れられないという叫びがラムの心にも届く追いかけっこのシーンが感動的です。逃げたり、追いかけたりのラムとあたるだけどそんな馬鹿で意地ぱりな二人が繰り広げる世界こそがこのアニメ、うる星やつらの世界である。どこまでも不思議で、変な登場人物ばかり出てくる所もこのアニメの魅力であって、面白い所です。ところで原作者の高橋留美子はルパに拐われたラムをもう一人の偽物のラムを茸を使ったコピーダケなるもので作るところを見るとパーマンの大ファンではないかと思わずにはいられなくなります。 【青観】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2016-02-25 18:37:35) (良:1票) |
《改行表示》 4.この作品のエッセンスがギュッと詰まった完結編だったと思います。ほぼ原作通りの流れでしたが、原作が素晴らしかった分だけ、チラホラと残念な部分も見受けられました。クライマックスの「忘れるもんか!」はもう少し上手く演出して欲しかったです。 地球の命運を担う痴話喧嘩。どんだけアホらしいやら。とんでもない設定の中に日常の機微を持ち込み、そのギャップをギャグにした最初の人が高橋留美子だったと思います。ノーベル文学賞ものだと、個人的には思っております。 【アンドレ・タカシ】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2013-02-06 15:18:40) (良:1票) |
3.私も漫画で知っていたので今更観るのもどうだろうと思ったのですが、実際観てみるとよかったです。「うる星~」が好きだったので、こういう最高の終わり方をしてくれて本当に嬉しかったです。 【諸葛桂】さん 9点(2003-12-03 23:19:58) (良:1票) |
2.最終日、黄昏時の友引高校での、ラムの放った「ダーリンのバカ!本当にうちのこと忘れてもいいっちゃ!?」。 それと、それを聞いたあたるの心の底から滲み出てくる様な数々の名場面の回想・・・・・・・。 ここ数年アニメーションで涙など流したことなかったのに、久しぶりに恥も外聞も無く目頭を熱くしてしまいました。 基本的に高橋留美子女史の作品は9割9分9厘拝見させていただきましたが、うる星やつらは、原作でも、少年誌連載らしいギャクと面白さに加え、そんじょそこらのお涙頂戴映画よりも感動出来る素晴らしい作品と思いました。 うる星やつら“完結篇”は、そんな原作の完結篇でもあり、実に高橋女史らしい映画で、全6作ある長編の中で一番気に入ってます。 この作品の後にも、長編は作成され、それも拝見しましたが、やはり自分にとって“うる星やつら”は完結篇で完結していました。 本当はこの作品は10点満点なのですが、自分と“うる星やつら”を引き離した哀しい作品でもあるので、そこのところを勝手に情状酌量させて頂きましたので9点とさせて頂きます。 【街角の傍観者】さん 9点(2002-12-26 16:52:55) (良:1票) |
1.“完結編”(?)このシリーズ、この後も劇場板は作られているのですが、一応、結末らしいのがあると言えばありますが。とにかくラストの鬼ごっこは、この作品を愛してきて良かったと言う感動を味わうことが出来ました。皆さんはどうでしたか?ではまた・・・・・ 【イマジン】さん 10点(2001-10-14 14:04:35) (良:1票) |