《改行表示》 1.ネタバレ これでもか、と言うほどバラエティ番組で宣伝していた本作品。鈴木亮平さん目当てでいそいそと観に行きました。原作未読。直木賞受賞作とのことですが、原作は短編らしいですね。短編小説として読むなら面白い作品だと思いますが、このストーリーを映画にするとなんとな~~く、つまらない。キャストは全員関西出身で固めたということで「ホンマもんの関西弁」が飛び交う。こちらは関東出身なので「兵庫と大阪では微妙に違うんですわ」と言われても「そんなん知らんがな」とひとりツッコミ。 肝心なお話はフミ子と言う美人さんと、和樹ちゅう背ぇの高いイケメンの兄がおりまして、つつましく暮らしているんですわ。両親を事故で亡くし、兄やんは高校を中退して鉄工所で働きながら妹を大学まで行かせ、その可愛い妹が結婚することになりましてん。で、その妹には幼い時から別の女性の記憶があるっちゅうから、ホンマ驚きやで。兄やんに内緒で、その亡くなった女性の家族と交流していたフミ子は、ぜひ自分の結婚式にその家族を招待したい言い出します。「ほな、そうしいや」とスムーズに事が運ぶこともなく兄やんは大反対。せやけど、その思いを汲み取った兄やんは結婚式当日に…ちゅうお話。 なんやろな。有村架純さんの表現力の問題か、演出だったのかわからんけど、主人公のわりに印象に残らない感じやねんな。別の家族への思いや婚約者への愛情が感じられず、ただ兄やん一人が怒って、泣いて、走り回って、結婚式当日に遅刻してまで別の家族を式へ連れて来る。ここでや、台本を変えて鈴木亮平さんの「泣けるスピーチ」が始まるねんけど。 自分には別に感動もなく、他のレビューで読むほど心震える感動はなかったです。やはり設定が自分には荒唐無稽すぎて合わへんねん。亡くなった女性の記憶を持つって人がいきなり訪ねて来て、それを受け入れる人っています??? フミ子が生まれると同時に、ある女性が亡くなって、その魂がってこと?なんだかその設定も安直だなぁ。 亡くなった両親が「フミ子のこと頼むで、兄ちゃんやろ」みたいなシーンのCGだか、アニメには興ざめ。 妹が生まれたシーンで父親が「別嬪や、この子が嫁に行くときにはどーたらこーたら」言うシーンもな~んだかね。人にもよるだろうけど、父性って生まれたばかりの子にすぐに芽生えるものですか?いや、可愛いいに違いない、しかし「嫁にはやらん!」なんてすぐに思わないでしょ。しかも病院の外で「ばんざーい!!」って、あほか。フミ子の婚約者もなんだか中途半端。カラスの研究?してんねんけど「カラス語」しゃべるて。あほか。しかも、若すぎて研究者には見えへん。学生ちゃうの?有村さんとのリアルな年齢差もあってなんかピンと来ない。鈴鹿央士を使わなきゃいけない理由でもあったんかいな。お目当ての鈴木亮平さんは自然体だったし、今回はちゃんと服も着ていて安心感はあったけど、どこか「普通の人を演じよう」と言うのが見え隠れ。今まで特殊な役が多かったから、普通の人を演じるのは楽しかったと思うねんけど。柄本明さんくらい枯れてくると、見ているこちらも普通の人って思えるんかなぁ。 良かったのはファーストサマーウイカさん。飲み屋の娘で、兄やんの幼なじみ。ちょっと兄やんのことが好きなんやろな。せやけど、ここでも関西マインドを前面に出そうとするあまり、衣装がコテコテやねん。韓国のアジュンマみたいに柄on柄のファッションセンス。今時、関西だってシンプルな服を好むと思うねんけど、どやろ? ちゅうことで、自分には深みのない人間ドラマで物足りない2時間でありました。似非関西弁、堪忍な~。ほな、また! 【mila】さん [映画館(邦画)] 3点(2025-05-03 13:12:21) 《新規》 |