4.子供の頃、通ってた塾の先生が、「今晩、テレビで『旅情』が放送されるから(教育テレビの世界名画劇場)、勉強なんかしてないで是非観なさい」って、言ったよ。何しろ先生が「勉強すんな」って言うんだから、そりゃ喜んで観ましたよ(どうやら元は学生運動の活動家だったらしい、と知ったのは後のこと)。まあ確かに、いわゆる恋愛コメディみたいなところのある映画で、子供が観てもそれなりに楽しめる映画ではありましたが・・・やっぱり、大人になってから観ると、格段に面白い。というのはきっと、大人の方が、「日常」というものにクサクサしている分、「脱・日常」というコトに、より敏感になっているから、でしょうか。昔は、テレ東の旅番組なんて絶対観なかったのに、最近はふと気づくと、テレビのチャンネルが旅番組になっていることがしばしば(宿の窓から海さえ見えれば「うわ~絶景~」とかコメントするのは勘弁してくれ、とかボヤキつつ)。だもんで、映画としてこんなに見事に“旅情”を表現してくれると、もうタマランのです。汽車に乗ってヴェニスに到着する主人公の期待感とともに、彼女の視線とともに我々の目に広がりゆく、街の風景。前半は彼女はどちらかと言えば、傍観者であり、彼女の視点から風景が描かれる。だけど、骨董屋と恋に落ちてウキウキしだすあたりから、彼女は傍観者という“見る立場”から、映画における被写体すなわち“見られる立場”へと切り替わる。そう感じられたその瞬間、彼女も常に持ち歩いていたカメラを、「忘れてきたわ」と言うタイミングの良さが、心地よかったり。物語における恋の行方については、いささか強引なので子供には刺激が強かったかも(?)。でも今では、中年男女が少年少女のごとくキャピキャピしている光景を、微笑ましく見ることができるのですが……正直に言います、半分「トホホ」と苦笑しながら観ていることは、否定いたしません、はい。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2009-04-04 16:10:28) (良:1票) |
3.愛と言うのは炎と同じで激しく燃えた後、いつかは消えてしまうかもしれない。しかし二人は愛が一番激しく燃え、二人ともが激しく相手を求め合っている時に別れた。心の中で一生相手を求め、一生愛し続ける為に・・・そしてその別れは突然やってくる。キャサリン・ヘップバーン演じるジェーンが別れを告げる数分前、とても嫌な予感はしていた。それはストーリーの流れから読み取れる雰囲気もあったけれど、やはり一番は彼女の顔から滲み出る切なさ、愛の感情が並半端なものじゃなかった。この映画は水の都ベネチアの数々の美しい風景を観て感動し、そこに暮らす人々の温かい心、人情を知りさらに感動した。さらにその上に、二人の情熱的で美しい愛を目にし、心が揺さぶられ胸が苦しくなるほど感動した。そしてラストの美しい別れ。辛く悲しい別れだったけれど、二人の赤い糸はしっかりと結ばれたまま別れた。別れとは必ずしも辛いだけとは限らない事を知った。 【ボビー】さん 9点(2004-08-30 18:55:46) (良:1票) |
2.「日曜洋画」で観ました。河に落としたくちなしの花(だったかな)を拾いそこねたことが、ラストの別れの暗示になってしまうのだが、解説で淀川さんが「あの男、飛び込めば良かったんですね」と言っていた。ああ、そうなのだ、そうなのだ、と。 【アンドロ氏】さん 9点(2002-12-11 23:55:36) (笑:1票) |
1.キャサリンがすごくいいよ。さすがオスカーを4回とってるだけある。作り方は古いけど、古い映画なんだからしょうがないやね。 【ジャンジャン】さん 9点(2002-02-19 12:19:10) |