4.《ネタバレ》 恋で焦がした胸の痛みは、一生かかっても消えない。恋は全ての倫理観に勝る力を秘めている。だからナビィの決断には、賛同できなくても共感はできます。残された時間を大切にして欲しいと願います。それよりもおじぃの方が気にかかる。おじぃの心情は察して余りある。もともと自分は“代わりの男”。それを負い目にしつつも、数十年寄り添ってきたという自負もある。しかし、代替品はどこまでも代替品。遂に本命にはなれなかったのでしょうか。いや違う気がする。おじぃもまた本命になれた。連れ添った年月の価値は重いと思う。いやそう思いたい。2人が過ごしてきた時間は、ナビィに残された時間よりも遥かに長く尊い。勿論おじぃの本音は“行かないでくれ”。最新のマッサージチェアーが家に届いたときの2人の顔。ぎこちない動き。双方の想いは語らずとも伝わります。それに恋で胸を焦がしたのはナビィだけじゃない。おじぃもまた、少年の日の想いを忘れられないのです。だからおじぃはナビィの好きにさせた。沖縄の風土と人、音楽に心を洗われ、切なくほろ苦く、でも笑顔になれる物語を堪能しました。(余談。占い師の存在について。どうにも胡散臭い(失礼)占いを島民が信じて疑わないのには訳があると思いました。恐らく血が濃くなり過ぎるのを避けるための知恵ではないかと。そうだとするならば、ナビィの恋が実るのには相当の歳月が必要だったことになります。) 【目隠シスト】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2007-04-27 18:40:51) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 おじいとサンラーの一度きりに終わった対面シーンが心に残る。おじいとしてはサンラーが挨拶に訪れたコトの意味を知っていながら 互いに直接的な言葉を一切使わず そして儀式は長い時間を要することもなくあっさり終わる。ツライ瞬間でしたね おじいの気持ちを察するならば心が痛い胸が痛い。しかし、あれだね 取るか取られるか 守るか守らぬべきか ナビィをめぐる そんな一大行事の置き土産がマグロ一体というわけでもなく 小魚3匹だとは アハハ なんだかあれだね 土地柄なのか そういう世代なのか 答えは そういう人間柄ということだったのでしょうねぇ。 【3737】さん [地上波(邦画)] 7点(2013-07-09 23:51:35) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 沖縄の風情たっぷりに素朴でのどか、音楽も効果的に使われ南国らしく陽気で楽しい。 方言が柔らかく人を包み込みようで耳に優しい。 サイレント映画のような回想も味のある演出だ。 ユタの占いで結婚できずに引き裂かれるという前近代的な風習がそもそもの原因とはいえ、ナビィが50年連れ添った夫を捨てるとは…。 これが標準語で都会だともっと非情な印象を与えるだろうが、あの方言とナビィのキャラクターでずいぶん緩和される。 愛する人のために黙って送り出してやるおじいはこれぞ日本男児で立派だけど、なんとも切ない。 【飛鳥】さん [ビデオ(邦画)] 7点(2013-06-06 00:08:37) (良:1票) |
《改行表示》 1.平良とみと登川誠仁の名演が炸裂する爆笑ムービーです。もちろん沖縄がいつも幸せに溢れているわけではありませんが、暖かい南の海はそれだけでも温帯の人びとの心を惹きつけてやみません。沖縄というとひめゆり部隊に代表される映画が多かったのですが、内地とのしがらみを(あまり)描かないこうした映画が多くなってきたのは、沖縄が自信をつけてきた証拠でしょう。 【きのう来た人】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-12 05:23:32) (良:1票) |