4.世界観が本当に素晴らしい。演出としてうどんやら舞妓さんやら日本的なものがいろいろとでてくるが、日本人のぼくが観ても何一つ違和感なくこの世界観を醸し出す道具となっているように思えた。またレプリカントの死に様がなんとも美しい。特にルトガーハウアーの演技は悲哀が漂っていた。 【しっぽり】さん [DVD(字幕)] 9点(2011-09-11 23:39:42) (良:2票) |
3.レプリも長く生きると感情が芽生える。恋愛感情や仲間意識も生まれるし、奴隷であることに嫌悪する。死にたくないとまで考える。もともと理性しかない機械なのに。生命は感情から理性を得たのに、レプリは理性から感情を得ている。もしかしたらこの話は、感情や本能の存在目的は、理性的に結論が出るという事を言いたかったのだろうか。機械の彼らが命を大切にし、もっと生きようとした理由はなんだったんだろう。 【カジ】さん 9点(2005-01-25 21:15:09) (良:2票) |
2.天才的映像センスを持つリドリー・スコット監督により産み出された映画。水と色彩のイメージが強いその映像は緻密にして美麗。それまでのSF映画における未来都市は清潔なイメージで構築されていたが、彼は環境が汚染され酸性雨のそぼ降る退廃的なイメージで構築した。この映画の混沌とした未来都市は、ヴァンゲリスのシンセサイザー音楽とも相まって、世界観の確立に貢献している。そしてラストシーン。レプリカントのリーダー、ロイ・バッティの語る言葉は何度聞いても感動する。この言葉は、何とルトガー・ハウアーのアドリブだそうだ。以下、全文。「お前たち人間には信じられない光景を俺は見てきた。オリオン座の肩の近くで炎を上げる戦闘艦・・・。暗黒に沈むタンホイザーゲートのそばで瞬くCビーム・・・。そんな記憶もみな、時とともに消えてしまう。雨の中の涙のように・・・。死ぬときがきた・・・」。 【しぇんみん】さん [ブルーレイ(字幕)] 9点(2014-04-18 23:54:18) (良:1票) |
1.「レプリカント」とは、複製の「レプリカ」と、亡霊の「レブナント」を合わせた造語である。彼らは数年に設定された寿命から逃れ、「生きたい」と願う。レプリカントは、人間と区別されるために、感情移入テストを行い、ふるいにかけられる。レプリカントを追うブレードランナーは、本人は人間と信じている(または信じていたい)レイチェルと、恋に落ちる。レイチャルは自分がレプリカントだと知らされて、涙を流す。ロイは死ぬ間際に、「お前ら人間には信じられぬ物をみてきた、、、そういう思い出もやがい消える。涙のように。雨のように」と言って死んで行く。そう、彼らレプリカントは、なによりも「人間」なのだ。ただの複製が人間そっくりになって、生物と非生物がどこまでも暖味になった世界、人間とそうでないものの違いは何なのか?という問いに対する問題を提起している。この映画の原作者、フィリップ・K・ディックは言った。「あなたがどんな姿をしていようと、あなたがどこの星で生まれようと、そんなことは関係ない。問題はあなたがどれほど親切であるかだ。この親切という特質が、わたしにとっては、われわれを岩や木切れや金属から区別しているものであり、それはわれわれがどんな姿になろうとも、どこへ行こうとも、どんなものになろうとも、永久に変わらない」たとえ人間であっても、良心もなく、親切心もない人間は果たして人間だろうか?彼らアンドロイドの方が、よほど人間的ではないだろうか?感情移入テストで人と反応が違えば、彼らは物扱いされるのか?人間であるとは、良心が、親切心があるからこそ人間なのだと言える。感情に欠け、人間関係が希薄しているこの世の中だからこそ、特にそんな問題を訴えかけてくる。ビジュアルや、雰囲気や、世界観もさることながら、この映画はまず何よりもヒューマンドラマなんだ。 (追記・本作及び完全版は、都合により監督の思い通りの仕上がりにはなっておりません。初見の方はファイナル・カット版あるいはディレクターズ・カット版をご覧下さい。) 【あろえりーな】さん [ブルーレイ(字幕なし「原語」)] 9点(2001-07-31 03:25:28) (良:1票) |