5.レプリカントが私たちとは異質な悪と感じられたら、この映画は吐き気さえ催す駄作に感じられるかもしれません。(確かに、そういう方向の想像力の発揮もありかもと今、ふと思ったりもするのですが)、、、、、、、レプリカントが求めているものは、限定づけられた命をながらえることであり、それは人間の根源的な欲求と重なり合うものです。、、、だから彼らが延命の術を求めて、街をさまよう姿は、行き詰まった恋愛、隘路に逢着した仕事に活路を求めつつ、虚しく歩む私たち自身の姿を想起させるのです。ヴァン・ゲリスの流れる雨降る夜の街は、そうした情感をさらに強くしてくれるものでした。、、、、そうした彼らに対して、既存の社会は、絶対的な障壁を設定し、差別し、その欲求の実現を暴力的に抑圧する。、、、、、、、それに対して彼らは暴力で応える。、、、彼らの中に、自分達と共通する願望を認め、差別される姿に同感を覚えつつも、その暴力に抵抗感を感じながら映像に見入ってゆくことになります。そしてロイの最後。、、、、自分は、極めて短期間であっても、誰とも違う経験をすることができた、その経験を美しく抱きながら、この先の命を断念しようと、ロイは暴力を収め、運命に従いました。、、、、あまりに美しく神々しい。、、、この時、私という存在も、経験、思い出によって定義される存在であるということが、切々と了解されるのです。過去の想い出は、わたしという現象そのものであるのかもしれない、、、、、、。レイチェルが懊悩するのは、自分を定義してくれる、かけがえのない記憶、思い出が、実は偽りのものであるかもしれないからでした。、、、SFの魅力は、今と違う世界を描くことで、私たちの想像力を刺激し、刺激された想像力で、ふと今の世界を見たとき、今の世界が違った形で豊かさを回復してくれる、というところにあると思います。そしてこの作品は、そうしたSFの魅力を見事に実現していると私は考えます。 【王の七つの森】さん 10点(2004-06-03 12:06:01) (良:4票) |
4.初めて観たのは中学生の時私立図書館のLDで。それまで観たどの映画にも似ていないその世界観が強烈で、何度も足を運んで繰り返し観た(この映画とターミネーター2とエイリアン2はそれぞれ10回以上は観たに違いない)。 特に好きだったのは2つで十分ですよの名物おやじ。あのセリフのインパクトは凄い。また、変な日本語の看板や街中で繰り返される変な日本語が謎すぎて笑える。
当時はエレベーターが閉まった所で終わる最終版が好きだったが、完全版の暴力描写やナレーションも悪くないなと思った。色々バージョンはあるけど結局ブレランはブレランなのだという結論に至った。なので、それぞれのバージョンごとにレビューはせず、全部ひっくるめてここに書くことにします。 また、今頃になって監督がデッカードはレプリだったと断言してしまった為、せっかくレプリかどうか推測するという楽しみが無くなってしまったのは残念でならない。 【ヴレア】さん [レーザーディスク(字幕)] 10点(2013-12-23 20:45:34) (良:1票) |
3.アジアンな喧騒に包まれながら、その内包するものはヨーロピアンな感覚の近未来LA。 映画の完成を見ずして逝ったP・K・ディックの原作をベースに、リドリー・スコットの世界が広がる。 リック・デッカード(ハリソン・フォード)が人間と感じられる劇場公開版は、ビデオの完全版とともに最もなじみのあるもので、最初に見たものから逃れえぬ観客もいる。 人間とレプリカントの闘争でなければ、ロイ・バティ(ルトガー・ハウアー)の最期の輝きも生きてこず、レイチェル(ショーン・ヤング)との関わりも同類相憐れむようなものとなってしまうのではあるまいか。 説明過剰を好まず、デッカードをもレプリカントに転生させたい思いのあるスコットは、ボイス・オーバー(ナレーション)が気に入らずなくそうとしてきたが、あれがあっては到底そうは思えないというのもあるのだろう。(「別れた妻」がいるレプリなどいるだろうか?) 物憂げなモノローグは多少古風であっても、デッカードの内面や情報を伝えてくれるものだが。 キューブリックから譲られた美しい空撮を使ったエンディングも、閉塞感に支配される作品において唯一開放を感じさせるシーンであり、デッカードの台詞も味わいをもつ。 スコットがそれら嫌いな部分をそぎ落として磨きあげたファイナル・カットは素晴らしい出来だが、その二つを無意識のうちに脳内補完する自分もおり、物足りなさや喪失感を感ずることおびただしい。 監督の好みがかならずしも観客のそれと一致しない一例で、不本意な任地に赴いた父親の子供にとってはそこが故郷になるようなものか。 魅惑的なヴァンゲリスの音楽も、長らくサントラが出なかったせいでカヴァー盤の方に愛着があるという煩雑さ。 ジョン・アルヴィンによるオリジナル・ポスターは素朴だが味があり、このシアトリカル・カット同様今も愛されている。 【レイン】さん [映画館(字幕)] 10点(2012-09-10 07:00:02) (良:1票) |
2.ブレラン症候群・・・1. 日常生活で「~で十分ですよ」というフレーズに異常に反応してしまう。2. 雨が降っている日がちょっと好き。3. 写真を見ると、奥の方に写っているものも見てしまう。4. 亀を見ていると引っくり返したくなる。 一つでも当てはまるなら、あなたもブレラン症候群。 【MacGyver】さん [DVD(字幕)] 10点(2005-04-26 22:42:12) (笑:1票) |
1.『ブレードランナー』を語ろうとすると、語りたいことがいっぱいあるけど、みなさんが書いてるとおりなので手短に書きましょう。まず、DVD版と完全版の違いは、完全版には1.デッカードのナレーションがある。2.デッカードがピアノを弾く時にユニコーンの回想シーンがない(これは重要)。3.ロイがタイレルの目を潰すシーンがかなりエグイ4.ラストでデッカードとレイチェルはエレベーターを降りた後、ロサンジェルスを脱出し、冬季管理人としてコロラドにあるオーバールックホテルに行く。というのは冗談で、どことなく映画『シャイニング』で見覚えのあるシーンのような気がするが・・・5.その他。 このように、いくつかのヴァージョンが存在するために意図的もしくは明らかにミスと思われるようなシーンが多数ある。特に、蛇の鱗を顕微鏡で調べてもらっているシーンから、途中で購入したチンタオのボトルを自宅で飲むまでの間のシーンは謎の宝庫である。しかし、これは、R・スコット監督の我々観る側に対する挑戦状として受け止めたい。次に、ガフの作った折り紙の意味についてですが、深読みするとデッカードも実はレプリカントではないか?との疑問がわいてくるので、それはやめて浅く考えると、最後にでてくるユニコーンの折り紙は、ユニコーンとはレプリカントの意味で、更に言うとレイチェルを表しており、ガフのデッカードに対する「レイチェルといっしょなのはわかっていますよ。彼女は短い命ですから生かしておきましょう。早くお逃げなさい。」とのメッセージがこめられていると思う。最後に、余談ですがデッカードが冒頭で飲んでいる四角いグラスはとても格好よくて、僕も特注して作ってもらいました。 【Fatman】さん 10点(2003-03-30 15:40:35) (良:1票) |