5.邦題の最後に意味もなくつけられた「Q」の文字、ウルトラQあたりにあやかったのかも知れませんけど、いずれにしてもヤケクソなんですね、きっと。まー何ともムチャクチャな映画。主人公の少年の退屈な日常から始まったと思いきや、寝ている少年の元に突然、タンスの中から変な連中が現れ、歴史上あるいは空想上の様々な(しかもデタラメ極まりない)場面を渡り歩く、実に実に脈絡も何もないハチャメチャ冒険譚。どんなムチャクチャな状況に対しても主人公の少年はまったくツッコミをいれることなくアタリマエのようにすべてを受け入れており、5W1Hのうち「Why」が完全に欠落しております。だからこの先何が起こるかわからない、この先どんなことでも起こり得る、という自由さがトコトン満喫できます。ただし、「この先」に待ち受けるのは、予想を上回る世界、ではなく、予想のしようもないデタラメな世界、なので、何か面白いモノを期待しちゃうと、その期待もしっかり裏切ってくれますが・・・。 ナポレオンのくだり等で流れる行進曲風の音楽、これはおそらくマーラーの第6交響曲を意識したものなんでしょうが、これもまあ何だかヘンテコな音楽で、さしずめ「喜劇的」とでも呼べそうな。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2017-01-07 21:07:00) |
4.私も下の方と同じく当時何かの同時上映で観てこちらの方が印象に残った派です。これを観てからギリアムの虜になってしまいました。彼の作り出すサーカスの様な怪しさ漂う世界観が大好きです。でも当たりハズレ激しいけどね(笑) 【movie海馬】さん [映画館(字幕)] 7点(2012-06-24 17:58:19) |
3.ギリアムが描く摩訶不思議なファンタジー。その不可思議っぽさが魅力です。一般受けは難しいだろうけどねえ。 【tantan】さん 7点(2004-08-18 16:01:48) |
2.ストーリーテリングの基本はつかみとひっぱりとカタルシス。その3つの技をとことん追求したと言う意味で素晴らしいエンターテインメントだ。ただし、観客は毒に耐性のある少年の心を持っていなければならないという制約付きだけどね。それにしても豪華な映画だ…ひとつの時代のセットや衣装やロケ地を使いまわせば安く上がるものを、あそこまで目まぐるしく替えてしまうとは(タイタニックのシーンなんか豪快なだけで、ストーリー上なくてもいいじゃんって感じ)。結局のところ一番の勘所は、監督の奇想につきあってバカな無駄遣いを楽しむ姿勢を持つ事かもしれない。アメリカに『珍説世界史パート1』あればイギリスに『バンデットQ』あり。ギリアムよ、原点に帰ってきてくれ…! 【エスねこ】さん 7点(2004-05-04 02:03:16) |
1.恐怖心よりも好奇心の方が勝っている少年が、6人の小人たちを引き連れて時空を超えた冒険の旅に出る。ファンタジーSF&冒険のツボをしっかり押さえ、ゴシック・ホラーのおどろおどろしさとユーモアセンスに溢れた、いかにもT・ギリアム的創造世界を見事に構築させている。例えば少年の部屋のタンスをブチ破って白馬の騎士が突然現れたり、その部屋を始め至るところに4次元へ抜けるタイムホール(なぜか四角い)が出現したり、次々とトリップする歴史は支離滅裂なものだったりと、彼本来のいい加減さと豊かなイマジネーションが巧くミックスされている。J・ハリソンのプロデュース作品でもある。 【ドラえもん】さん 7点(2001-11-03 23:45:40) |