《改行表示》 4.大昔しょぼい14インチのテレビで見た時に、今度は絶対映画館で見たいと思いました。未だその望みはかないませんが、VRゴーグル+映画館をシミュレーションするアプリで近い体験が出来ました。顔に少し違和感を覚える以外、目の前に広がる圧倒的な大画面での鑑賞です。 大画面だと、タルコフスキーの製作意図なんか考える暇もなく自分が映画の中に入っている感じです。主人公と同じ視点では決して無く、主人公の後ろに立って見ている感覚です。2次元の画面を遠く離れた所から見ているのではなく、登場人物やモノがとてもリアルに感じられます。景色は、ゲーテを鬱から回復させた眩しいほどのイタリアの色彩とは全く異なり、とてもイタリアとは思えません。 退屈というレッテルがよく貼られるこの映画なのに、あっという間に時間が過ぎていきました。形而上学的な会話を登場人物たちが延々と続けるインテリ風と異なり、小さなストーリーが次々と流れていきます。ふっと笑えるシーンや女性の裸すら出てきます。 ロシアの母なる大地とタルコフスキーの母への想いがシンクロしてできたこの映画、最近なにかと話題になる「ロシア的」とは何かを知りたいと思ったのが観た目的でした。イタリアではなくウクライナで戦争をしているロシア兵はロシアへのノスタルジアを覚えるのでしょうか。それともプーチンが主張するように同じロシアだと感じているのでしょうか。 【amicky】さん [インターネット(字幕)] 8点(2022-09-24 09:07:27) |
3.《ネタバレ》 『ストーカー』までのタルコフスキーには、ただただ酔いしれたが、これで初めてハテナを感じた。ノスタルジーのテーマと願望のテーマが今ひとつ重なりきってない、って感じ。ドメニコが言った「かつて生命は一つだった」ということへのノスタルジーととれば重なるけどちょっと無理がある。みなが心を合わせて願わないとならない、っていうのは『ストーカー』にも出てきたが、どうなのかな。とにかくこの監督の映像主体の世界に言語の意味の世界が入ってきたような不満がちょっと。ラストの犬はドメニコの犬なのか故郷の犬なのか。犬はこの監督が繰り返し描くモチーフで、寡黙な・じっと耐えてるイメージがあって、鳥や羽根がそれと対照されてるみたい。ラストの趣向はけっきょく『ソラリス』と同じことやってるわけだけど(故郷に帰ったつもりが…)、まあ酔いしれます。音が凄い。水のポチャンチャポンまで冴えて響きながら、一枚幕を隔ててる感じもあって。映像における霧の隔たりと同じ効果。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 8点(2013-01-24 10:16:04) |
2.《ネタバレ》 ストーリーは大まかにしか分からなかったですが、映像の美しさで最後まで観ました。家に閉じこってたオヤジが自殺するとき、飼ってたワンちゃんがそれに気づいて、吠えた場面で、この監督、普通の分かりやすい映画も撮れるんじゃないか、と思いました。最後、詩人とワンちゃんが佇んでた広場の場面で、カメラが遠ざかっていくと、実は建物の中、ってとこがポイントなんだろうな、と思いましたが、ロシアの歴史を知らなかったので、それが何を意味するのか、分からなかったので、今、少しづつ、勉強してます。そして、もう一回観ようと思ってます。 【トント】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2008-02-18 18:25:57) |
1.いつか似たような景色を見るだろう、と思った。 【儚犬】さん 8点(2003-03-09 03:01:26) |