ストーカー(1979)の投票された口コミです。

ストーカー(1979)

[ストーカー]
Stalker
1979年西独ソ連上映時間:163分
平均点:7.48 / 10(Review 54人) (点数分布表示)
ドラマSF小説の映画化
新規登録(不明)【シネマレビュー管理人】さん
タイトル情報更新(2020-03-29)【イニシャルK】さん
Amazonにて検索Googleにて検索Yahooにて検索
Twitterにて検索
ブログに映画情報を貼り付け
監督アンドレイ・タルコフスキー
キャストアナトリー・ソロニーツィン(男優)作家
脚本アンドレイ・タルコフスキー(ノンクレジット)
音楽エドゥアルド・アルテミエフ
美術アンドレイ・タルコフスキー
字幕翻訳岡枝慎二
あらすじ
かつて異星人が来訪したという郊外の一角。そこは「ゾーン」と呼称され、政府軍の厳重な包囲によって立ち入りが禁じられている。ゾーンでは物理法則が歪み、侵入者の運命を操り、その深奥の部屋では願いがかなうという。従ってこの地に忍び込もうとする者も、また後を絶たなかった。そういう輩から高額の金を取り、軍の目を盗んでゾーンへの侵入を手引きするヤミ案内人たちの事を、世間は「ストーカー」と呼んだ…。
ネタバレは禁止していませんので
未見の方は注意願います!
(ネタバレを非表示にする)

【口コミ・感想】

別のページへ
新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順】
1
>> お気に入りレビュワーのみ表示
>> 全レビュー表示

>> 改行なし表示
※ 「改行」や「ネタバレ」のデフォルト表示のカスタマイズは「カスタマイズ画面」でどうぞ
11.極端に言えば命がけで散歩するだけの映画。当時、これだけ地味で金のかかってなさそうな、イベントに乏しい(というかこの映画では何も起こらないのが命)、暗い映画は初めてでした。なのに、この緊張感! 美しさ! 泣けてくる皮肉なエンディング! ただ車を運転するだけでも『恐怖の報酬』という名画が出来てしまうわけですが、『ストーカー』は散歩するだけで名画になってしまったっすね。子供時代には真剣にやってた秘密基地遊びを髣髴とさせる、あのドキドキ感はたまらなかったな~(←間違った観客かもしれない)。
エスねこさん 8点(2004-04-01 01:32:54)(良:2票)(笑:1票)
10.この映画の主題は二つある。一つはタルコフスキー映画全般のテーマである「時間」である。それは、ストーカーの家のテーブルにあるグラスが揺れるシーン、長回しで淡々と撮った前半の滑車で走るシーン(観る者はストーカーたちと同じ時間を共有させられてしまうのがおおきなポイント)や、後半、トンネルを作家が歩く場面(すさまじい時間の緊張が伝わってくる)、そして三人が、肉挽き機から難を逃れて、砂が敷き詰められた部屋に到達して、休む場面などで象徴されていると思います。こういった場面から分かるように、この映画での時間の次元の中心は過去の回想ではなく、現在進行形の時間の流れである。それをタルコフスキーお得意の水の描写を絡ませながら描いている。この水の描写で特に印象的なのが、望みが叶えられる部屋に入ることを断念し、座り込む三人の前で降り注ぐ癒しの雨である。そして、もう一つの主題は現実主義と理想主義の対比であろう。ゾーンという理想主義が渦巻く場所にしか自分の生きる意味を見出すことのできないストーカーは、同じような不幸な人間をゾーンへと導くことで生きる目的、一種の優越感を感じている。しかし、ストーカーの妻はゾーンにいくストーカーに嫌気がさしており、現実的な生活を望んでいる。妻は夢が叶うゾーンを否定し、普通の生活は苦しいけれど、そこに一筋の幸せがあると思っている現実主義の人間である。そこに理想と現実の対比があると思われるのだ。それはまた徹底的なリアリズムで描かれたストーカーの家と幻想的で不思議なゾーンの対比でもあるわけである。そして圧巻なのは、最後、こんな絶望的な世界に舞い降りた一筋の光 それが娘の超能力である。この奇跡はは一瞬、歩いているかのような錯覚を受けた娘のショット(実は肩車してるだけであるが)というこれから起こる奇跡の暗示が示されてから発生するわけだが、これによって観る者は救われるわけである。 タルコフスキーはこの映画を通じて、絶対的に非可逆である時間の厳しさを提示したあと、一つの光をみせることで、我々に生きる希望を投げかけているのではないか。
たましろさん 10点(2003-11-06 23:40:04)(良:3票)
9.20世紀の映画の最高傑作の一つ。映画でしか表現できない事を表現し、なおかつ、映画では表現できないはずのことをも表現している。SFとしてみた場合でも、原作を超えた数少ないSF映画。聖域としてのゾーンの描き方、その美しさには息を飲む。侵してはならない場所へ侵入することへの畏怖と緊張感。画面には何も映っていないのに、明らかにそこに何かがあるということを鑑賞者に感じさせるその表現力。このリアリティはどんなにハリウッドがデジタル技術を駆使しても永遠に実現できない。そしてタルコフスキーのすべての映画に流れる「信仰」ということへの一貫した問い。とにかく、これが映画だとすれば他の多くの映画は映画に成れず、他の多くの映画が映画だとすれば、この作品は映画を超えている。
とびおさん 10点(2002-08-02 00:51:49)(良:3票)
8.この感覚どこかで味わったことがある・・・と思っていたら子供時代の野原での遊びの記憶でした。芒の原っぱは広大な海原、崖は海にそそり立つ断崖絶壁の秘密基地、廃坑は怪物の住むトンネルだったかもしれない。あそこを踏んだら異次元に落ちるから近づいたらダメ、とか。マンションの非常階段、抜け道的な用水路、おっかない爺さんの居る近所の立派な庭・・・かくれんぼかヒーローごっこか何の遊びだったか憶えていませんけども、この映画にはあの時の感覚が横溢している。「童心に戻って遊ぶ」と言えば、スポーツ化された雪合戦や欧米にあるサバイバルゲーム等がありますが、ルール化され、お金をかけて装備を揃える点で立派な「大人の」遊び。あの頃の、自由に想像力を駆使して遊ぶような面白さとは異なるものです。子供時代のあの感覚を再現するのにこういう手法があったかと唸りました。ちょっと異端の感想かしら。
番茶さん [DVD(字幕)] 9点(2011-06-05 18:25:56)(良:2票)
7.《ネタバレ》 「信仰と希望」についての限りなく美しい映画。セピア色の空間に蛍光灯が点滅する冒頭のバーのシーンから、タルコフスキーだけが創ることができた象徴に満ちた映像世界に引き込まれる。明らかにキリストを象徴するストーカーは希望と信仰を持ち続けて、人々をそこへ導こうとする。しかし、ストーカーに案内されてゾーンに入る教授も小説家も、希望を持つことができない矮小で空虚な人間だ。ストーカーの絶望は深い。映画は希望を提示して終わるのだが・・・(「ノスタルジア」に続く)
xr4000さん 9点(2004-02-20 23:20:01)(良:2票)
6.《ネタバレ》 僕の大嫌いな作家がかつてこの作品のことを「最も影響を受けた」と語っていたので、どんなもんじゃろと今回鑑賞してみました。正直な感想を述べさせてもらうと、もう最初から最後までひたすら退屈!猛烈な眠気と必死に戦いながら何とか最後まで観終えましたが、得られたものは何もありません。ハゲ散らかった3人のおっさんがひたすらグダグダやってるのを見せられても、面白くもなんともありませんて!やはり大嫌いな作家のお薦めする作品は、やぱ合わないもんですね。まあ普通そんなモンは観ないんでしょうけど(笑)。
かたゆきさん [DVD(字幕)] 3点(2020-07-24 00:30:28)(笑:1票)
5.《ネタバレ》 2時間45分という長さは、全2部構成として1つずつ別けて見ればどうという事はない(と思う)。
「惑星ソラリス」に続くSF映画だが、この映画は冒頭のウォーレス博士の短い言葉が字幕で語られ、ストーカーたちが追う「ゾーン」と呼ばれる空間だけがかろうじてSFの機能を果たす。ここでの“SF”は、完全に要素の一つとして使われるのみ。
いや、もっと言えば身近な科学…例えばこの映画では原発の描写を暗示または予兆している。
タルコフスキーの映画はこの作品から難解と言われるようになるが、俺にはこれほど解り易い映画も無いと思う。
確かに途中の劇中会話は謎も多いが、大筋は“願いがかなう場所に旅人を案内するハンター”の話だ。
長セリフで少し退屈する時もある(意味不明だし)が、あの長回しの映像は見ていて何故か飽きない。
電車の振動が「ボレロ」のように幾重にも響くこの映画は、ストーカーという運び屋がとある酒場に入る場面から始まる。酒場には物理学者が二人。彼らは興味本位・欲望の赴くままストーカーに身を預ける。
だが「ゾーン」に入ればありとあらゆる願いが叶うと信じられていた。人々はその願いのために命懸けでストーカーと共に冒険へと出る。
冒頭から夥しく飛び込む水と光のイメージは、湿地帯の静かさを除けばところどころ人間の欲望で穢れてしまった空間ばかり。
ストーカーはあの空間に安らぎを見出しているが、旅人には危険な「パンドラの箱」でもある。
部屋で揉める旅人と運び屋の取っ組み合いを不気味に静観するように“待ち続ける”「ゾーン」。「ゾーン」は拒む事も手招きもしない。ただ彼らが部屋に入るのを待つだけでいい。
旅人たちは己との戦いの果てに答えを出す。
ストーカーも以前は同じ旅人の一人だったのかも知れない。
だが、彼は過去の出来事で同じ旅人が部屋に入った結末を知ってしまっている。
だからストーカーは運び屋であり、傍観者になる事を決めた筈だった。その傍観者が旅人から「ゾーン」を守るために己の“欲望”を優先して傍観者を止める。ストーカーもまた作家になじられる旅人でしかなかったのだ。
ストーカーは絶望を口にするが、彼はその絶望を何度となく味わうであろう宿命にある。
その宿命は、その妻や娘をも狂わせていくのだろう。ストーカーの家族が旅人にならないという保障は何処にもないのだから。
すかあふえいすさん [DVD(字幕)] 9点(2014-11-01 01:02:09)(良:1票)
4.《ネタバレ》 タルコフスキーのストーカー。久々に見ました。
タルコフスキーの映画の映像に宿る美しさの正体とはなんだろう?
それは未だにわからない。
それとは別に、
タルコフスキーは人の孤独を突きつけるような気がした(しかし孤独は美しい哲学だ)。
男は孤独であると、それを思い知らされる。
囚人の気分になる男は、
日常という牢獄に苦しみ、哲学を求め、夢やロマンを求め、冒険を求め、そういう何かを(家庭の外に?)求める男の姿を描いています。
しかし「死」というものが凄く間近にあってチラつきます。
この作品の不思議な空間の中では、「死」が非常に近くにあって危険で、一歩間違えると危うい異次元のような感じが好きです。
また、そういう危ない場所に挑む男達が好きです。
映画の中の言葉にありましたように、人生は僅かな楽しみ以外には、苦しみか空しさの選択しかありません。なんだかそんなこと考えちゃいました。
ゾーンという空間は女性を受け付けないみたいですね。おもしろいです。
自然が美しく、植物の美しさが好きです。水も火も美しいです。
タルコフスキーの映画はなんでズッコケる人が続出するのか分かりません。
タルコフスキーの映画は舞台芸術を見ているかのようです。
役者の台詞が、観客に向けて訴えているみたいです。静かな演説のようでもあります。
タルコフスキーの表現者としての表現の仕方が好きです。表現しかしていないみたいです。
観客に伝えるのが、まるでなにかの運動のようです。
最後でコップが動いてこちら側に向かってくるのは(その意図は分かりませんが)、少女の念がまるで観客にまで迫ってくるようで、リングのテレビから貞子が出現する恐怖の伝え方みたいです。
タルコフスキーの訴えんとするメッセージをまるで彼が少女の瞳に込め、その少女の眼力とコップの動きで迫ってくるような迫力が、観客への念の伝動みたいです。
コップが落ちたときに、ハッとしてそのメッセージを受け取ったような錯覚を受けました。
知識に関係なくタルコフスキーのスピリットを多少なりとも受け取ることが出来ると思います(タルコフスキーは知識として伝えようとしているのではなく、効果で伝えようとしているからです)。
「利益を目的とするとヤマアラシのようになります」と話す場面では、
演技の域を超えていたと思います。
演技の域を超えた瞬間に映像に命が宿るのだと思いました。
ゴシックヘッドさん [DVD(字幕)] 9点(2011-05-17 23:37:37)(良:1票)
3.草むらを掻き分け、そっと川底を覗き込んだ、幼少期の狩猟体験をどこか想起させる。ノスタルジーをかきむしられた。
カリプソさん [地上波(字幕)] 10点(2006-12-18 17:18:11)(良:1票)
2.個人的に、タルコフスキーは最も神の視点に近い映像作家だと思っております。この作品もいつものことながら、ものすごいスローテンポなので、実際にゾーンに行く前にドリームゾーンに到着する人多数だと思われます。しかしながら、それを乗り越えると、気味悪いトンネルや砂やら水やら、とにかく美しい映像が堪能できます。一応ストーリーは理解できたんですけど、僕もラストの意味がよくわかりませんでした。
あろえりーなさん 7点(2003-04-20 00:25:39)(笑:1票)
1.ひたすら長く、難解なこの作品の上映中一度も寝なかった人は偉い!と思います。
mic550さん 2点(2002-11-20 11:20:51)(笑:1票)
別のページへ
新規登録順】 / 【変更順】 / 【投票順】
1
マーク説明
★《新規》★:2日以内に新規投稿
《新規》:7日以内に新規投稿
★《更新》★:2日以内に更新
《更新》:7日以内に更新

【点数情報】

Review人数 54人
平均点数 7.48点
000.00%
100.00%
223.70%
335.56%
423.70%
5712.96%
623.70%
759.26%
81120.37%
9712.96%
101527.78%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 7.50点 Review4人
2 ストーリー評価 9.66点 Review3人
3 鑑賞後の後味 10.00点 Review4人
4 音楽評価 8.75点 Review4人
5 感泣評価 8.33点 Review3人

■ ヘルプ
© 1997 JTNEWS