4.GHQによる占領時代の講和条約からバカヤロー解散にいたるまでの吉田茂内閣時代を描いた実録政治もの。見る前はなんか淡々としていそうで退屈するのではないかと思っていたが、確かに淡々としているものの、スケールが大きくてものすごく見ごたえのある骨太の作品で、原作者の監修が入っているからか大作映画で知られる森谷司郎監督作(本作が遺作。)の中では大味な部分も特になく政界ドラマとして非常に面白い作品になっていると思う。公開当時にまだ現役だった実在の政治家(公開当時の首相は中曽根康弘。)たちが多数実名で登場している(当然本人には相当配慮していると思われる。)などドキュメンタリー映画的な側面もあってこの時代の政治家には威厳があったのだなあと感じる。吉田茂を演じる森繁久弥が本当にそこに吉田茂本人がいるような雰囲気が漂うほどの名演技で間違いなくこれは彼の晩年の代表作だろう。またこの映画を見ていると主人公の吉田を含め近年総理大臣に選出された安倍、福田、麻生の父親や祖父が登場しており、今の政界はつくづく世襲の多い世界だと思うと少々唖然とする。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-11-25 20:17:51) |
3.原作はさいとうたかをの漫画で読んだが、非常にうまく映像化されていると思う。基本的に実話なので淡々とした流れになるのは仕方ないとは思うが、倒れた鳩山を三木が叱咤するシーンはもうちょっとドラマチックにしてもよかったのにと思う。あと、広川弘禅が寝返るシーンも。政治は筋書きのないドラマであることを改めて教えられるが、最近の小泉劇場は数十年後映像化されることはあるのでしょうか。スケールはかなり落ちると思いますが・・。 【陽炎】さん [DVD(邦画)] 8点(2007-07-28 13:05:54) |
2.良質なドキュメンタリーのような佳作。ただ当時、本編はもちろん吉田茂とあまり関係のない有名な政治家を無理やり登場させ御丁寧にも字幕まで出して紹介したりして逆に分かりにくくしてしまったり講和条約後からバカヤロー解散までの展開が散漫になってしまったようなきがするが、政治家が政治をしていた時代が、この国にもあったことを思い出させてくれた。 【憲玉】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-09-09 23:45:32) |
1.難しい政治の話が永遠と続くので、それをどう評価するかで観る人を選びそうですね。個人的には面白かったと思う方ですが、“バカヤロー解散”など、もっと劇的に撮っても良さそうなのを淡々と描き過ぎている気も。やはり政治家や国会などが全面的に撮影を協力する異国とは、少し事情が違うのかもしれません。それにしても森繁久彌はハマっています。一方、西郷輝彦の田中角栄は、ちょっと辛い気もしますが・・・ 【イマジン】さん 8点(2001-11-06 12:26:17) |