《改行表示》 8.《ネタバレ》 どうなんだろうなあ。天草四郎と言っても、蘇り神に決別して、復讐のために世を転覆させる、と言った時点で、この人はもう我々の知る天草四郎時貞じゃないもんなあ。この場合、同姓同名の別人と思っても大差ない。だって天草四郎の要素がまるで無いんだもの。 神の沈黙をなじり、仲間の無念を嘆くまではとてもいい。しかし結局江戸を焼き払い、民衆を操り、苦しめている時点で、ただの悪者。それを最後、人間の業だ的な事言われても、ちょっとなんなの?と思ってしまう。 復讐譚というのは、キライではないのだが、それは最後にカタルシスがあるからで、大抵の場合、復讐されるに足る適役が必要だ。そして復讐はその相手に対して行われるのが普通だ。この物語の時貞は、江戸中を火の海にして、憚らない。しかも、首を切られたとは言ってもやられていない。(あれ?何でコイツだけ死なないんだ?)見ていて気持よくない。 彼を本当に天草四郎というのなら、最後は彼を見棄てた神と、決着を付けさせるくらいの事をして欲しいものだ。 それでも最後の江戸城の、火の海のシーンの映像的な凄さに3点。同シーンの見事な殺陣に2点。沢田研二の演技に2点。首が飛ぶシーンなどの「ピュー」という効果音のセンスに-2点。合計で5点です。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-08-18 05:13:44) (良:2票) |
7.子供の頃から、だーい好きな映画なの。まあ子供に安心して見せられるタイプの映画ではないかもしれませんけどね。とにかく、登場するキャラクターの豪華さは、まさに夢のよう、『リーグ・オブ・レジェンド』なんてメじゃないね、と真剣に思うぞ。そしてこのキャラ達を演じる役者陣がまたナイス。イイ声担当のジュリー、スタント担当の真田広之、エロ担当の佳那晃子、などなど、各ジャンルにおいて定評のある才人が結集しております(エロに定評って・・・)。なかでもスバラシイのが、若山先生の驚異的ともいうべき殺陣! さすがは座頭市・・・の兄貴。もちろん忘れてならないのは主演の千葉ちゃん、渋い、渋い、渋すぎる。宮本“これって緒形拳?”武蔵との対決シーンがこれまたシビれる。とかく暗いシーンの多いこの映画で、しかも後半のスピード感あるドス黒い流れを敢えて断ち切り、この二人の夢の対決を、陽光の下の海岸に求めたのが、印象的で心憎いところ、サービス満点です。というわけで、特異なストーリーによってこそ実現する、特異なシチュエーション、特異なシーンのオンパレードに、アゼン愕然、キモチワルくてユカイで楽しい映画、なのです。 【鱗歌】さん [地上波(邦画)] 9点(2008-03-10 10:35:58) (良:1票)(笑:1票) |
6.出来る事なら亡くなった若山富三郎氏を本当に「魔界転生」させて映画界に蘇らせて欲しい。そう思わせるほどまでにあの太刀筋は斬れている。 【ぶらき】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-05-28 03:53:52) (良:2票) |
《改行表示》 5.《ネタバレ》 映画館で2回続けて見た昔の自分。最近DVDでまた見た。 邦画では一番好きかもしれない。原作も読んだし。リメイクのお粗末さにくらべてこの充実感。当時は技術も進んでなくて、効果とか大変だったろうに。やっぱり映画は技術は「1番目」じゃないんだよね。20年前のほうが、役者さんもうすっぺらくない。みんな「何かありそう」な顔をしている。リメイク悲しかったなあ。個人的記念碑的作品。 追・↑ぶらきさんそのとおりです。切れてます。 【パブロン中毒】さん [映画館(吹替)] 9点(2005-11-09 21:48:44) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 この映画を製作後40年近く経っても人々の記憶に残っているのは、やはり千葉真一の柳生十兵衛と沢田研二の天草四郎の対決というインパクトがなせる業でしょう。千葉真一の十兵衛はこの映画で四度目のとなる彼の当たり役、でもこの一作しかないんですけど沢田研二の天草四郎も映画スター・ジュリーが演じたもっとも有名なキャラとして日本映画史に君臨しています。本作でのジュリーの存在感は半端なしで、真田広之とのキス・シーンまでありその妖艶な色気はクラクラさせられます。原作を大胆にアレンジしたストーリー(細川ガラシャまで登場させるところなぞ、原作者の山田風太郎は絶賛していたそうです)には、江戸時代初期の有名人や事件がてんこ盛り状態、佐倉惣五郎や刀匠村正まで登場し最後は明暦の大火で江戸城天守閣炎上ですからねえ。この炎上する江戸城内での十兵衛と但馬守の柳生親子対決の迫力といったら壮絶です。若山富三郎といえば殺陣の技は日本映画史上ナンバーワンとの呼び声ですから、千葉真一との対決はまさにドリームマッチです。このシーン、炎上する室内と役者の合成が偉く上手いなと感心してたら、なんとほんとにセットを燃やして撮ったそうで、もうクレイジーとしか言いようがないです。そんな危険な現場で無傷でチャンバラできるのは、そりゃ千葉真一と若山富三郎しかいませんよ、ジュリーに至っては軽く火傷したそうです。 この映画こそ、毀誉褒貶のある角川映画が残した最高傑作だと思います。 【S&S】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2019-03-23 23:32:51) (良:1票) |
3.監督・脚本家から道具係りさんに至るまで全ての関係者が120%の本氣パワー全開で創りあげた映画と見えました。昭和の時代は何の分野にでもいた職人の仕事ぶりに感服。取り分け役者さん方、アクションのベテランは勿論ですが、神に捨てられた(と思い込み)恨みで魔に転じた若き殉教者を、狂氣たっぷりに演じているジュリーさんの姿は見事。当時、真の意味でのマルチタレントだった彼の実力を見せつけられた感があり、大いに見応えあります。 【役者の魂】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2015-03-13 06:46:39) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 ロードショーから今までに軽く二十回以上観てるが、まだ飽きない。その理由は、辻村ジュサブローの衣装デザインと、沢田研二が完全に融合しているから。『新八犬伝』で育った世代にしてみると堪らないのですよ! あの絢爛豪華な衣装に身を包みながらも、全く負けてないジュリー演ずる天草四郎が。 ▼とにかくこの作品はキャラ! ジュリー演ずる天草四郎も、緒形拳演ずる宮本武蔵も、佳那晃子演ずる細川ガラシャも、室田日出男演ずる宝蔵院胤舜も、丹波哲郎演ずる村正も、千葉真一と若山富三郎の柳生親子も、とにかくキャラが立ちまくってる。だから、面白い! ▼山本邦山と菅野光亮の音楽もかっこいい。上映時間122分じゃ物足りない。あと30分は欲しい! 【伊達邦彦】さん [映画館(邦画)] 8点(2014-05-16 04:35:08) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 主役の天草四郎がジュリーというキャスティングのセンスが凄すぎ。彼ほどのアイドル性とカリスマ性を持った人であれば、霊界から甦ったと言われても納得してしまいますし、少しも衣装負け・美術負けしていません。当時アイドルとして売り出し中だった美青年・真田広之も、ジュリーの前ではまるで子供ですね。細川ガラシャの佳那晃子も頑張っています。いつもは脇役のことが多いので、これほど存在感があったというのにはびっくり。2人が並ぶと、千葉真一や若山富三郎ですら食われてしまいそうです(ラストの殺陣は別格ですが)。よく見ると、登場人物のそれぞれの動きは適当でばらばらなのですが、陳腐な団結とか統一目標といったものを出さずに迫力で全部押し切っているのは見事。 【Olias】さん [映画館(邦画)] 9点(2006-09-12 01:00:21) (良:1票) |