83.「HANA-BI」は確実にゴダールの「気狂いピエロ」に影響を受けている。 所々与えられた絵画群、青い海と空、暴力、犯罪、銃、愛。夫婦の死までも共通している。 しかしタケシはゴダールの様に映画の中にソレとわかる詩を唱えない。 映画中に現れる絵画にも存在する理由を与える。 照れがあるからであって、また、それを隠す為に暴力やギャグを利用する。 コレが彼特有の表現手段になっているのは明確であり、日常の経験論からのアプローチである。 いわば詩というインテリジェンスで叙情的な手段を使わず、むしろ逆の方向からゴダールと同じテーマを描いてみせたのだ。 凄い、タケシ。 ゴダールの様な巨大な芸術精神に彼なりの表現手段で並んでみせた。驚かされる。ゴダールがこの作品を誉めたのもうなずける。
「菊次郎の夏」でもタケシは「優しさ」を暴力やギャグの中にまぎれ込ませて表現した。 「HANA-BI」の中ではどうだろう。暴力の中に見出せる愛。そんなのは駄目だと意識は反発したがるのだが、理屈を超えた説得力を以って納得させる。 タケシの心は大きい。
しかし、タケシにとって、もはや表現手段として暴力を利用する事は楽な道の選択に思える。 次の課題は新しい表現手段を見出す事ではないのだろうか。 既に評価されている形に固執しない度胸と新しさを追及する力を彼は持っている。 タケシが新しいタケシへと展開するコトを期待をするのは、あながち的外れではない。
さて、現実のタケシは次の自分に対してどういった挑戦をしているのだろうか。 さあ次のタケシの作品を観なければなるまい。
しかし、困ってしまうのは、映画監督としてのタケシに対するリスペクトが深まる毎に、 ブラウン管の中のタケシにまで憧憬が増してしまう。彼にとっては不本意らしいのだが。 【夢の中】さん 10点(2004-03-08 01:27:03) |
82.終わる10分前が一番泣ける。 エンドロールの曲は少し物足りなかった。
それにしても泣いた。 【kokayu】さん 8点(2004-03-02 22:39:45) |
81.全体的には退屈な映画だった。監督はかなり絵画的な映像美に凝っている。芸術性を意識して仕上げており、明らかに賞狙い。狙いにいって見事に獲ったのである。日本的な美(富士山、桜、お寺など)を効果的に挿入したり、抽象的な絵を所々に散りばめた点がイタリアの審査員に気に入られたのかな?緊張(ハードボイルドタッチ)と緩和(心温まるエピソードやミニコント)のバランス感覚は上手いと思った。監督は一方的に愛だけをクローズアップするのが恥ずかしいのだろう。同時に人間が持つ残酷な側面も描かずにはいられないのでは?照れ屋な人だから。 【やすたろ】さん 5点(2004-02-27 00:18:36) |
80.文句無しに9点(事実上の最高評価)。日本映画史上屈指の作品。 【藤村】さん 9点(2004-02-19 09:16:30) |
79.「その男~」や「ソナチネ」は大好きだけど、これはダメでした。独特の間の取り方や暴力描写 は相変わらず健在なんだけど、武が自分に酔ってるのがひしひしと感じられたのが嫌だった。 ところどころで挿入される絵もなんのためなのかただただ疑問。 【新井】さん 2点(2004-02-16 17:56:01) |
78.脳裏に焼きつくような美しい映像が一杯あった。ただ綺麗なだけでは、頭に残らない。スピリチュアルなものを感じ取れるということ。最も好きなシーンが、監督と同じでちょっと嬉しかった。 |
77.今までで、映画館で見て一番満足して帰った映画。頭の中でも花火が、ぽーん、ぽーんっとあがってるような気がして、画面に吸い込まれるように見ていた。 【コーラL】さん 10点(2004-01-24 15:57:21) |
76.共感は出来るものの、基本的に生きることを放棄して、死に安寧を求めた、非常にネガティブな内容には賛否両論ある作品だと思います。彼らの内面を象徴するかのような心象風景とも言える静謐な世界。その撮り方は秀逸。ただまあ、こんな作品もありだとは思いますが、見てて面白いかと言われれば、うーん…。 【FSS】さん 5点(2004-01-21 01:25:05) |
75.主人公の行動にまず乗れませんでした。彼の正義の範囲が狭すぎる。聖人君子を映画にしても面白くも何ともないのはそうなんだけどね。 【ロイ・ニアリー】さん 5点(2004-01-17 07:14:07) |
74.圧倒されました。濃厚で繊細。こんなに隅々まで美しい映画を初めて見ました。少ないセリフでこれだけ表現できるってすごいです。凧上げが無ければ完璧でした。ああ惜しい。それでも10点。 【M・M】さん 10点(2004-01-16 01:16:42) |
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73.相変わらずのたけし独特の映像と、暴力的な映画でした。ただ今までの作品に比べてとても綺麗な映像が流れていたと思います。少しお茶目な面を見せる夫と静かな妻の二人旅は暴力映画である事を忘れさせます。最後の最後で発する妻の言葉はとても感動させられました。 【ピニョン】さん 10点(2004-01-15 00:55:56) |
72.卵やひよこの様にか弱い、今にも命が消えてなくなりそうな奥さんのことを傍目には狂気とも思われるような行動を盾に最後まで守り抜いた男の大きな優しさを表現した映画。少しは解るんだけども、ちょっと馴染めないかなぁ。 【ぱんた】さん 6点(2004-01-11 23:04:26) |
71.仲間との交流や夫婦の姿は良かった。ほとんど台詞を使わないのに、それを伝えられるのはすごいと思う。ただ、途中に出てくる変な絵は意味が分からなかったし、どうしていつも暴力系にしないといけないんだろうかという所も謎。 |
70.色彩鮮やかで音楽もとても良い。日本人よりやっぱり外国人に受けがいいのじゃないかな。たけしさんの絵の上手さにびっくりでした。ラストはやっぱりあぁするしかなかったのかな、、切ないですね。 【fujico】さん 7点(2004-01-11 16:06:19) |
69.北野映画は好きなんで結構見てますが、なかなか良かったと思います。 【ジョー大泉】さん 8点(2004-01-06 14:54:28) |
68.バイオレンスシーンはあまり好きではないのだけれど。あの夫婦が良かった。言葉を交わさなくてもわかりあえる夫婦。そんな夫婦になってみたいものです。大杉漣はよくしゃべりますね。大好きです。音楽とか雰囲気とか北野監督作品結構好きです。 【スマイル】さん 6点(2004-01-05 21:52:31) |
67.ソナチネまでの北野映画の主人公は、クールなバイオレンスで、だた一人死に場所を探し積極的に死を求めてるイメージが強くあった。HANA-BIは妻という存在が今までにない部分であり、これ以降の映画には、愛と死または別れという部分が濃くなっていった。愛という部分も言葉で語るわけでもなく、セックスで表すわけでもなく、映像の中から観客それぞれが感じて読み取るといった形であり、受け手によって様々な受け取り方のできる映画である。チョッとズルイ気もするが、その繊細な愛情表現や死生観と映像とが大変マッチしている。 【亜流派 十五郎】さん 9点(2004-01-05 16:20:44) |
66.退屈で退屈で退屈でしょうがない映画だった。ゴダールも淀長さんも評価しているんだから見なきゃってガマンして見たけどやっぱり退屈。たけしって単なる常識人じゃんと私は常々思っているが、映画にそれが一番現れてる。知識で映画作っててハートもセンスも感じません。あくまで私見ですけど。 【黒猫クロマティ】さん 3点(2003-12-26 11:53:44) |
65.映像が凄くきれいだった、出演せずに監督に専念してほしいなぁ。 【ゆきいち】さん 9点(2003-12-18 02:17:08) |
64.北野ブルーが私には合わない。 【たま】さん 6点(2003-12-18 02:16:23) |