4.会話は少なくても実によくわかる展開だ。シェフのアル中事件から始まって、ムスッとした表情とは裏腹のコメディに思わず笑ってしまうおもしろさがある。そして元レストラン仲間のつながりも良い。職さがしがうまくいかないで苦労続きのなかで、ラストで店が大繁盛と上手すぎるようだけど、夢のある映画として見れば悪くない。音楽もまたすばらしくチャイコフスキーの「悲愴」が流れたかと思うとフィンランドを代表するような歌手の歌が聞けたりもする。 【ESPERANZA】さん [DVD(字幕)] 8点(2015-03-12 21:50:14) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 アキカウリスマキ、いいなぁ。リストラされた人の心にピタ~ッてくるね。中々この味、出せないよ~!? 【トント】さん [DVD(字幕)] 8点(2014-05-08 19:40:26) (良:1票) |
2.正しく、小津監督の世界だ!その人間の描き方、一つ一つのシーンの描き方から音楽まで何もかも小津監督を思わせる世界です。暗くなりがちな中にも時々、見えるユーモアと優しさとのバランスがほど良くて、観ていて気持ちが良い。ラストがこれまた良いんだなあ!正にタイトル通りに相応しいあのラストシーン!空を見上げる二人の表情がこの映画を物語っている。やたらめったらうるさい音楽を流し、CGばかりのめまぐるしい映像ばかりの今のハリウッド映画とは違って、人間味溢れる世界、じわりじわりと来る温かさ、こういう映画があるから私はミニシアター系の映画が好きです。 【青観】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2006-02-10 21:55:02) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 この映画の好きなところは、さりげないところだ。音楽も台詞にも大げさなところがない。大げさなのが悪いというのではなく、本当に伝え方が上手なのだ。人々の小さな動きの中から何かを発見した時少し嬉しくなる。どんな時でも、それが辛くても、悲しくても、悔しくても、あるいは飛び上がりたいほど嬉しくても主人公イロナの表情はさほど変わらない。いつもやんわりとした空気のなか、カウリスマキの持つ優しい目線と、なぜだか笑みが漏れる独特の「間」が色々な出来事を上手に伝えてくれる。夫婦して一気に職を失う結構悲惨な物語なのだ。「38歳?いつ倒れてもおかしくない。」なんてことを言う失敬な男まで出てくる。でも事の流れはいつも穏やかだ。老舗レストランの最後の夜の様子や、ローンで買ったテレビが運び出されるシーンなど、寂しさとおかしさと優しさが同居している。最後はハッピーエンドで、でもやはりさりげない表情の主人公を映す。しかしその後亡くなった友人へのメッセージで締めくくられており、切なさで胸がいっぱいになってしまった。 【のはら】さん 8点(2004-03-30 19:32:14) (良:1票) |