9.技術が古びても、ストーリーが古い時代の物になっても、古びないものってやっぱりあると思う。時代はどんどん過ぎて行って、もう子供たちは「ジョーズ」を観ても眠れなくなることはないのかも知れないし、次の時代の子供たちは「マトリックス」を観てチャチなSFだと鼻で笑うのかも知れない。でも、やっぱりどんな時代でも、小さな子供たちには空を飛ぶ夢を見てもらいたいし、絵の中に入っちゃう!指先をパチンと鳴らすと部屋があっという間に片付いちゃう!煙突掃除のおじさんたちと、街じゅうの屋根の上を駆け回っちゃう!そんなことが出来たらいいな~、と思っていてもらいたい。空想は、人類だけに許された最大のパワーです。この映画を観るたびに私は、どんな時代がやって来ようと、この映画だけは大人からも子供からも、愛されていて欲しいな、と思います。 【anemone】さん 10点(2003-12-26 22:57:38) (良:3票) |
8.原作者と映像作品製作者の間のわだかまりで起こってしまったあまりに不幸な事件が毎日の報道を賑わせていますが、この「メリー・ポピンズ」もウォルトディズニーと原作者の間で葛藤があった作品として知られていて、「ウォルトディズニーの約束」という映画にもなっています。 トラバース女史の原作は 英国児童文学伝統のエブリデイマジックもの、日本で言えばドラえもんみたいなものです。 それに対して映画化されたこの作品はいかにもアメリカ的な家族再生の物語へと変えられています。 メリー・ポピンズが初めて訪れた頃のバンクス家は、 子供達のしつけはナニーに任せきり。 父親は仕事一筋。 母親は女性解放運動に夢中 というバラバラな家庭。 そこへメリー・ポピンズという異物が現れることにより最後には家族の結束が強まるという物語、いかにも分かりやすいアメリカンストーリーに変えられています。 今見ても面白いというのは、こうした普遍的な物語なのでということもありますが、原作が舞台としたであろう明治大正時代頃の女性啓蒙運動、映画が制作された1960年代70年代頃のウーマンリブ運動、そして現在のフェミニズムの動向と 見事にシンクロしていることです。 こうしたことが原作を映像化するということ、映像化された作品を時間を隔てた現在見るということの醍醐味であると言えるかもしれません。 内容的には短いエピソードの積み重ねで、芸達者な演者たちを揃えて愉快な寄席芸を見ているようです。 大らかなアメリカンジョークとブラックな英国ジョークが交互に 飛び出してくるところはまさにハイブリッド映画と言えそう。 この映画のひとつの売り物である実写とアニメの融合はディズニーが極めて初期のアリスコメディからやっているものなので技術的にはさすがに練れて安心して見られますが、ディズニーのあまり好きでない絵柄の時代の絵なのでちょっとそれは残念でした。 歌曲も数多くどれも親しみやすい名曲なのでミュージカル好きの人なら必ず気に入ると思います。 とても楽しい映画です。 原作にはまた原作の楽しさがありますのでどちらも別々に楽しんでみるといいでしょう。 【かずくん】さん [DVD(字幕)] 9点(2024-02-16 00:39:58) (良:1票) |
7.メリー・ポピンズシリーズは小学生の頃に図書館で借りて全巻読んだ。ポピンズの見せてくれる摩訶不思議な魔法には心惹かれたけれど、メリー本人は冷たくてつん、としていてとっつきづらく、“乳母”という文化の無い日本人の子供だった私には苦手なキャラクターであった。“うたのお姉さん”とか“幼子に甘いばあや”などのイメージとは程遠い魔法使いなんである。 不思議ではあるが、ハッピーというよりはシュールなポピンズの魔法世界がディズニー映画かあ、と違和感を抱きながら大人になっての観賞だ。 私は正面切ってまじろぎもせずに幸福を演出してくるディズニー映画が、基本苦手である。原作者が危惧したという話にも頷ける。 しかし結論から言うと、子供の頃にすぐこの映画に触れることができるのは幸せなことだと感じた。ポピンズの性格が甘くなっては別の話になって目も当てられない。その点 J・アンドリュースは適役だった。背筋がぴんとして、凛としているポピンズの原作どおりのイメージをキープした。 ディズニーお家芸の表情豊かな動物たちのアニメや、この上なく上質な音楽に彩られ、原作よりずっと暖かく子供の心に添ってくれる仕上がりになっていると思う。もう大人になってしまったのが残念だ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-07-19 01:12:27) (良:1票) |
6.今回初めて通しで観た。なにしろ長い。ダンスなどとってもカッコいいけれど、ちょっと長すぎてくどさを感じる部分もあった。しかし、メリー・ポピンズが登場してすぐに教えてくれる“つらいと思うことも、自分で少しでも面白味を加えるとずっと違った印象になる”という話はずっと胸に置いておきたいと思うし、空想の世界で遊ぶ楽しさをダイレクトに表現しているところも素直に楽しそうだなあ、と思えたので合格点。映画は絵空事。でも絵空事の中でしかできないことは沢山あって、それを活かして観ている人たちに愉快な時間を提供する、これをそのまま地でいった映画だと思う。とりあえず今夜夢の中でメリー達に出会えたら、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドゥーシャス!」と言ってみようかな、と練習しながら余韻に浸っている。 【のはら】さん 7点(2004-05-05 02:23:02) (良:1票) |
5.ウォルト・ディズニーが生前直接製作に関わった最後の作品で、ディズニー自身も「最高傑作!」と自負していたそうです。だからかもしれませんが、その徹底したエンタテインメント精神はほとんど狂気に近いものを感じます(悪い意味じゃなく)。メリー・ポピンズを始め登場人物は皆キュートだし(え、子供たち?・・・・・・うーん、でも、ほら、歌声は可愛いから、いいじゃん)、正にサービス満点。でも僕が一番好きなのは、その楽しい部分ではなく、冒頭でメリー・ポピンズが街を見下ろしている所と、ラストで彼女がバンクス一家の元を去っていく所。深読みしすぎかもしれないけれど、あのちょっと寂しげで、でも満足そうなメリー・ポピンズの微笑みは、エンターテイナーとしてのディズニーの実感、つまり「僕らは一生懸命楽しい作品を作るから、皆さんは家族みんなで楽しんで、幸せになって下さいね」という「思い」が反映されてるような気がしました。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-02-21 13:14:29) (良:1票) |
4.よい。 【あしたかこ】さん 9点(2003-12-17 16:04:17) (良:1票) |
3.ほんとに大好きです!!見終わった後になんだか幸せな気持ちになって自分も魔法が使えるんじゃないかと思えるような心温まる作品です。 【織姫】さん 10点(2003-10-02 21:50:43) (良:1票) |
2.子どもの時に見てめちゃくちゃ楽しくて、あれから現在に至るまで、何度見直したことでしょう。ディズニー映画かくあるべし、という、愛と希望と夢にあふれた永遠の名作ですよね。本作に比べると、最近のディズニーのミュージカル・アニメは偽善臭プンプンで、「純粋さ」を見失っているんじゃありませんか? こんな映画を、シニックに、斜に構えてあざ笑う向きには、「可哀想なヒトだ」と言っておきましょう。 【やましんの巻】さん 10点(2003-06-06 16:25:44) (良:1票) |
1.これは大人向けの映画です。子供の視線で、けっこう大人社会の馬鹿らしさをからかってるんですよね。それをジュリー・アンドリュースの柔らかいオブラートで包んで・・・・・・。これはデイズニーの史上最傑作と思います。いまだにいつ観ても感動しちゃいます。これこそ、映画でなければ出来ない芸術だと思います。 【ST】さん 10点(2002-01-26 05:27:50) (良:1票) |