《改行表示》 13.《ネタバレ》 初めて見たのはたしか親戚の人がWOWOWか何かのを録画してくれたビデオで、幼稚園児くらいだった当時は台詞もろくに分からなかったけど、見ている間気分はずっと絵の中屋根の上、歌が始まれば適当に口ずさみ、終わりが近づくと無性に寂しくなる―。その感覚は今でも覚えています。 そのビデオは結局画像が悪くなって捨てちゃったんですが、最近ふと見たくなって借りてきたら、今まで気が付かなかった、この映画の奥深さにはっとしました。 仕事第一で子どもたちにあまり構わず、メリーポピンズをバカにしていたお父さんが、彼女に言いくるめられて子どもたちを銀行に連れて行き、結果的に銀行をパニックにしてクビになっちゃったのにも関わらず、今まで言えなかった「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドーシャス」をすらすら言って、嬉しそうに飛び上がって銀行を後にする。気付いたらわたしは笑っていました。お父さんが微笑ましかったのもあるし、今回、こんな素敵な再発見ができたことも凄く嬉しかったです。 最後に。みんなで手をつないで凧揚げをしに行く一家を見送ったあとで、傘に「ほんとは寂しいんだろ?」と茶化されてメリーが答える「完璧な人は感情におぼれないの」(←うろ覚え)が心に残っています。 別れがどんなに悲しくても、彼女は「完璧」でいられるように悲しみを堪えて、寂しい思いをしている子どもたちの元へと行く―そんな想像が頭をよぎり、今度は泣きそうになりました。ハイ、堂々の10点満点つけさせていただきます。 【深々】さん [ビデオ(吹替)] 10点(2007-07-27 17:11:12) (良:3票) |
12.技術が古びても、ストーリーが古い時代の物になっても、古びないものってやっぱりあると思う。時代はどんどん過ぎて行って、もう子供たちは「ジョーズ」を観ても眠れなくなることはないのかも知れないし、次の時代の子供たちは「マトリックス」を観てチャチなSFだと鼻で笑うのかも知れない。でも、やっぱりどんな時代でも、小さな子供たちには空を飛ぶ夢を見てもらいたいし、絵の中に入っちゃう!指先をパチンと鳴らすと部屋があっという間に片付いちゃう!煙突掃除のおじさんたちと、街じゅうの屋根の上を駆け回っちゃう!そんなことが出来たらいいな~、と思っていてもらいたい。空想は、人類だけに許された最大のパワーです。この映画を観るたびに私は、どんな時代がやって来ようと、この映画だけは大人からも子供からも、愛されていて欲しいな、と思います。 【anemone】さん 10点(2003-12-26 22:57:38) (良:3票) |
《改行表示》 11.原作者と映像作品製作者の間のわだかまりで起こってしまったあまりに不幸な事件が毎日の報道を賑わせていますが、この「メリー・ポピンズ」もウォルトディズニーと原作者の間で葛藤があった作品として知られていて、「ウォルトディズニーの約束」という映画にもなっています。 トラバース女史の原作は 英国児童文学伝統のエブリデイマジックもの、日本で言えばドラえもんみたいなものです。 それに対して映画化されたこの作品はいかにもアメリカ的な家族再生の物語へと変えられています。 メリー・ポピンズが初めて訪れた頃のバンクス家は、 子供達のしつけはナニーに任せきり。 父親は仕事一筋。 母親は女性解放運動に夢中 というバラバラな家庭。 そこへメリー・ポピンズという異物が現れることにより最後には家族の結束が強まるという物語、いかにも分かりやすいアメリカンストーリーに変えられています。 今見ても面白いというのは、こうした普遍的な物語なのでということもありますが、原作が舞台としたであろう明治大正時代頃の女性啓蒙運動、映画が制作された1960年代70年代頃のウーマンリブ運動、そして現在のフェミニズムの動向と 見事にシンクロしていることです。 こうしたことが原作を映像化するということ、映像化された作品を時間を隔てた現在見るということの醍醐味であると言えるかもしれません。 内容的には短いエピソードの積み重ねで、芸達者な演者たちを揃えて愉快な寄席芸を見ているようです。 大らかなアメリカンジョークとブラックな英国ジョークが交互に 飛び出してくるところはまさにハイブリッド映画と言えそう。 この映画のひとつの売り物である実写とアニメの融合はディズニーが極めて初期のアリスコメディからやっているものなので技術的にはさすがに練れて安心して見られますが、ディズニーのあまり好きでない絵柄の時代の絵なのでちょっとそれは残念でした。 歌曲も数多くどれも親しみやすい名曲なのでミュージカル好きの人なら必ず気に入ると思います。 とても楽しい映画です。 原作にはまた原作の楽しさがありますのでどちらも別々に楽しんでみるといいでしょう。 【かずくん】さん [DVD(字幕)] 9点(2024-02-16 00:39:58) (良:1票) |
10.《ネタバレ》 あまりにもファンタスティックで40歳代のおっさんが観るものではなかったように感じます。でも、つんけんし続けたお父さんが最後に子どもの味方に回るところは嬉しかった。他の方が言うように糾弾されたショックでぶっ壊れたようにも見えますが。 【次郎丸三郎】さん [DVD(字幕)] 7点(2021-07-29 21:58:17) (笑:1票) |
《改行表示》 9.メリー・ポピンズシリーズは小学生の頃に図書館で借りて全巻読んだ。ポピンズの見せてくれる摩訶不思議な魔法には心惹かれたけれど、メリー本人は冷たくてつん、としていてとっつきづらく、“乳母”という文化の無い日本人の子供だった私には苦手なキャラクターであった。“うたのお姉さん”とか“幼子に甘いばあや”などのイメージとは程遠い魔法使いなんである。 不思議ではあるが、ハッピーというよりはシュールなポピンズの魔法世界がディズニー映画かあ、と違和感を抱きながら大人になっての観賞だ。 私は正面切ってまじろぎもせずに幸福を演出してくるディズニー映画が、基本苦手である。原作者が危惧したという話にも頷ける。 しかし結論から言うと、子供の頃にすぐこの映画に触れることができるのは幸せなことだと感じた。ポピンズの性格が甘くなっては別の話になって目も当てられない。その点 J・アンドリュースは適役だった。背筋がぴんとして、凛としているポピンズの原作どおりのイメージをキープした。 ディズニーお家芸の表情豊かな動物たちのアニメや、この上なく上質な音楽に彩られ、原作よりずっと暖かく子供の心に添ってくれる仕上がりになっていると思う。もう大人になってしまったのが残念だ。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2015-07-19 01:12:27) (良:1票) |
《改行表示》 8.《ネタバレ》 もしメアリーポピンズを見ていなかったら・・・私の子育ては全く違ったものになっていただろう。出会えた縁に感謝。二人の幼児の子育てで慌ただしかった頃、洋画ファンの叔母がVHSをくれた。幼少期に劇場で観た時は意味が分からなかった。母親になって再会!ああ!なんて楽しいのだろう。メアリーポピンズの子供の扱いかた!子供のどんな態度や生意気にも動じることなくサラリとかわし、それでいて愛情を注ぐ。子育てをしながら私はいくつものセリフをパクった。「どんな仕事も遊びになっちゃう」といって歌いながらお片付け。「タッタカタ!」と号令をかけてお出かけ。「旦那さん踊れ」とダンスしてお遊び。親も子もイライラが吹っ飛んで、どれだけ子育てがやりやすくなったことだろう。 そしてストーリーが素晴らしい。頑固なお父さんが変わっていく、というお決まりパターンだが、その持っていき方がうまくできている。2ペンス、それは子どもたちのお小遣いであり、鳩のエサ売りのおばあさんの収入であり、お父さんを失職させる原因となる。バートが暖炉の前でお父さんに歌う一曲が心にしみる。「子供たちは成長しいずれ巣立っていく、その時では遅いのだ」愛するのは今なのだ。その時のお父さんの表情、夜銀行に歩いていく後ろ姿、昼間鳩のエサ売っていたおばあさんは大聖堂の階段にもういない、そして失職。その時出てくるのが「スパカリ・・」なのだ。泣ける!何回も観て泣く! 自分の人生に一番影響を与えた名作です。 【LOIS】さん [ビデオ(吹替)] 10点(2014-05-18 19:48:09) (良:1票) |
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7.《ネタバレ》 これ私が人生で一番最初に観たミュージカル映画(邦画なら東宝特撮・洋画ならディズニーとだいたい決まってた)。そのせいか今でも自転車こいでると「凧を揚げよう」をしばしば口ずさんでいる。まだ脳が固まってないときに沁み込んだものは、基底部に固着してしまうのだ。子どもにタップの至芸見せたってしょうがないから、ダンスでは煙突掃除人の群舞に見どころを集中させ、あとはトリック撮影で興味をつないでるのも正解。風や煙や凧や、あるいは子どもたちと探検するロンドンの屋根屋根が、ポピンズの浮遊のイメージを補強し、その浮遊が「笑い」にもつながっていく。完全セット撮影は、トリックしやすいってこともあっただろうが、いかにもミュージカル世界の「作り物」にふさわしい。…なんて書いてくとすごく冷静に再見してたみたいでしょ。ところが…。最初のほう、ドアの前に並んだ家庭教師応募人たちが風で吹き散らされていくところで、なぜかハラハラと泣き出してしまったんだな。その後も要所要所、いや特別要所とも思われないとこでも、滂沱。ラストのバンクス氏の会社復帰が告げられるご都合主義きわまる場面まで、何度も感きわまってしまった。脳の基底部から揺り動かされてくるような異様な過感情状態になっていた。 【なんのかんの】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2011-03-12 12:39:20) (良:1票) |
6.今回初めて通しで観た。なにしろ長い。ダンスなどとってもカッコいいけれど、ちょっと長すぎてくどさを感じる部分もあった。しかし、メリー・ポピンズが登場してすぐに教えてくれる“つらいと思うことも、自分で少しでも面白味を加えるとずっと違った印象になる”という話はずっと胸に置いておきたいと思うし、空想の世界で遊ぶ楽しさをダイレクトに表現しているところも素直に楽しそうだなあ、と思えたので合格点。映画は絵空事。でも絵空事の中でしかできないことは沢山あって、それを活かして観ている人たちに愉快な時間を提供する、これをそのまま地でいった映画だと思う。とりあえず今夜夢の中でメリー達に出会えたら、「スーパーカリフラジリスティックエクスピアリドゥーシャス!」と言ってみようかな、と練習しながら余韻に浸っている。 【のはら】さん 7点(2004-05-05 02:23:02) (良:1票) |
5.ウォルト・ディズニーが生前直接製作に関わった最後の作品で、ディズニー自身も「最高傑作!」と自負していたそうです。だからかもしれませんが、その徹底したエンタテインメント精神はほとんど狂気に近いものを感じます(悪い意味じゃなく)。メリー・ポピンズを始め登場人物は皆キュートだし(え、子供たち?・・・・・・うーん、でも、ほら、歌声は可愛いから、いいじゃん)、正にサービス満点。でも僕が一番好きなのは、その楽しい部分ではなく、冒頭でメリー・ポピンズが街を見下ろしている所と、ラストで彼女がバンクス一家の元を去っていく所。深読みしすぎかもしれないけれど、あのちょっと寂しげで、でも満足そうなメリー・ポピンズの微笑みは、エンターテイナーとしてのディズニーの実感、つまり「僕らは一生懸命楽しい作品を作るから、皆さんは家族みんなで楽しんで、幸せになって下さいね」という「思い」が反映されてるような気がしました。 【ぐるぐる】さん 8点(2004-02-21 13:14:29) (良:1票) |
4.よい。 【あしたかこ】さん 9点(2003-12-17 16:04:17) (良:1票) |
3.ほんとに大好きです!!見終わった後になんだか幸せな気持ちになって自分も魔法が使えるんじゃないかと思えるような心温まる作品です。 【織姫】さん 10点(2003-10-02 21:50:43) (良:1票) |
2.子どもの時に見てめちゃくちゃ楽しくて、あれから現在に至るまで、何度見直したことでしょう。ディズニー映画かくあるべし、という、愛と希望と夢にあふれた永遠の名作ですよね。本作に比べると、最近のディズニーのミュージカル・アニメは偽善臭プンプンで、「純粋さ」を見失っているんじゃありませんか? こんな映画を、シニックに、斜に構えてあざ笑う向きには、「可哀想なヒトだ」と言っておきましょう。 【やましんの巻】さん 10点(2003-06-06 16:25:44) (良:1票) |
1.これは大人向けの映画です。子供の視線で、けっこう大人社会の馬鹿らしさをからかってるんですよね。それをジュリー・アンドリュースの柔らかいオブラートで包んで・・・・・・。これはデイズニーの史上最傑作と思います。いまだにいつ観ても感動しちゃいます。これこそ、映画でなければ出来ない芸術だと思います。 【ST】さん 10点(2002-01-26 05:27:50) (良:1票) |