6.《ネタバレ》 記念すべき500本目のレビューだから、明るく楽しい気分になれる映画が良いなと思い、本作をチョイス。
良く考えたら作中で死者も出ているし、何もかも全てハッピーエンドって訳ではない品なのですが…… 久々の鑑賞後には(やっぱり、これを選んで良かった)と、しみじみ感じる事が出来ましたね。 そのくらい、終盤の逆転劇が痛快。 「被告人の無罪を証明する」という、裁判物ならではのカタルシスを、存分に味わう事が出来ました。
「ツナ缶の万引き」「アメリカ南部への偏見」などの要素によって、無実のはずの若者二人が殺人容疑を掛けられてしまう流れを、丁寧に描いている点も良いですね。 (そりゃあ犯人と誤解されるよ)(嫌な印象を持たれて当然だよ)って感じで説得力があるし、それでいて若者二人を嫌いにはなれないという、そのバランスが絶妙だったと思います。
他にも「ヒロインのリサは車に詳しい」「ビニーは裁判に不慣れなだけで、本当は賢い」という伏線が、序盤から張られている事にも感心しちゃうしで、作りが丁寧なんですよね。 裁判で無罪を証明する事が、そのまま真犯人の逮捕に繋がる形になってる点も、とても好み。 裁判物では「無罪は証明出来たけど、真犯人は不明のまま」ってオチの品もあったりして、モヤモヤさせられた経験があるだけに、本作は後味スッキリで気持ち良かったです。
食堂のメニューが「朝食」「昼食」「夕食」の三つしかない、という場面なんかも、妙に好きですね。 こういうさり気ないユーモアって、御洒落だなって思えます。
それと、自分が一番お気に入りなのは、煉瓦とトランプの喩え話の件。 ここって「ビニーは頭の良い人間である」と示すだけでなく「ビニーは本当に、ビルの無実を信じてる」事を描いた場面でもあるんですよね。 「お前は、無実なんだから」という一言が、凄く恰好良い。 作中において、一瞬たりとも「ビルが犯人かも知れない」と疑う場面が無い事も含め、この「被告の無実を心から信じてる弁護士」という描き方は、本当に良かったです。 弁護士にとって一番大切な事は、何よりもそこなんじゃないかと思えました。
そんな本作の難点を挙げるとすれば…… 最後の最後、マロイ判事に助けてもらう形になったのは恰好悪かったとか、精々そのくらいかな? いずれにせよ、数ある裁判映画の中でも、特にお気に入りと呼べそうな一本ですね。 何時か、1000本目のレビューを書く時が訪れた際には、この映画に負けないくらいの傑作をチョイスしたいものです。 【ゆき】さん [DVD(吹替)] 8点(2021-07-09 20:39:23) (良:3票) |
5.《ネタバレ》 キャラクターの描き出し方がとても巧い映画だなあと思った。会話、服装の演出にセンスを感じる。マリサ・トメイの個性出しすぎのファッション!当時であっても肩パット大きすぎでしょ、という位の押しの強さ。ジョー・ペシは革ジャン一辺倒、ゆえに判事に怒られ、若者二人はいかにも貧乏学生風のアメカジ。人は服装から。ううむ巧い。 人物の会話もひとつひとつが印象的。学生とペシの初面会の時の誤解に基づくコント風一幕や、服装にしつこく言及する判事、特に蛇口の閉め方をめぐってのペシとマリサの口論には脱帽してしまった。あまりの斜め上の展開に呆気にとられつつ笑ってしまう場面だけれど、「会話」によっそれぞれがどういう人間か説明し尽くしていて、ここではペシもマリサもかなり弁が立つのね、と印象づけることに成功している。劇として高度な脚本だと思う。 だらだらと無能ぶりをさらしていたペシが後半怒涛の追い上げを見せるくだりは爽快。勢いでオスカーを取ったであろうマリサもお見事。 【tottoko】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2014-06-30 16:45:28) (良:2票) |
4.《ネタバレ》 キッチリと描かれた法廷シーンとコメディの塩梅が絶妙な脚本は見事で、大笑いさせられた法廷モノという稀有な作品。何時もの残忍冷酷な役柄でないジョー・ペシのキレるのを堪えてそうな姿に、何時もなら皆血祭りにあげられているのにと思うと可笑しくてしようがなかった。子宮でモノを考えてそうで理知的であるギャップが魅力のモナ・リサ・ヴィトを演じるマリサ・トメイが輝いていた。勝訴の結末は想定内だが、一発逆転の証言の理詰めさが心地良く、後味もスッキリ爽快。掘り出し物の逸品。 |
3.《ネタバレ》 チャラチャラして見えるビニーとリサ。ところが中身は二人とも全然チャラチャラしていない、真面目人間。しかも二人とも良い人。更に一生懸命。このギャップが、二人をとんでもなく魅力のあるキャラクターにしているのでしょう。 寝不足で経験不足。実力はあるのだが、ぜんぜん本領発揮できないビニー。 観ている側も、最初は「こいつだめなんじゃ・・・」と不安に。 ところがビルがスタンにビニーを擁護するシーン。 ここでビルは、ビニーが過去に凄腕マジシャンのネタをことごとく看破するエピソードを話します。「ビニーって実はすごい力を秘めているのでは・・・?」と、期待させるのに十分な伏線。 そしてついに・・・!ビニーならではの弁護が炸裂し始めます! この爽快感!最高ですね! 「父が整備工。」「父の父も整備工。」「兄弟も、・・・」のシーン、超笑っちゃいました。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-06-17 12:04:01) (良:1票) |
2.久しぶりに見直したんですけど、やっぱり良くできた良い映画です。前半は力無き経験無きハデハデジョー・ペシが情けなくって嫌になるんですが、後半の盛り上がりや彼の活躍のカッコいいこと!アラバマの田舎法廷をもう真剣に見つめてしまいます。マリサ・トメイもくどいファッションで最初ちょっと受け入れ難いんですけど、ストーリーが進むにつれて好感がわき、ピンクでも真っ青でも全身花柄でも似合って見えるところが不思議。所々の笑いのツボも十分に楽しめました。着ている服のことをとやかく言われ、えび茶の結婚式衣装みたいな服装で登場したときは爆笑です。ラストは清涼感あふれています。秀作。 【のはら】さん 8点(2004-03-05 19:16:07) (良:1票) |
1.笑えた!コメディー映画のジョー・ペシは出てるだけで面白い 【ひまじん】さん 8点(2001-01-03 05:02:17) (良:1票) |