4.不思議な作品。内容的には、一種のサイコサスペンスでして、宗教の仮面を被ったシリアルキラーたるロバート・ミッチャムが、隠された金を目当てにやってきて、未亡人を洗脳してしまう。そして金のありかを知る子供たちを執拗に狙い、子供たちは身の危険を感じて・・・ってな感じ。だけど、サイコサスペンス路線へ一直線、という訳ではなくって、もっと奇妙な味わいがあります。サスペンス描写に的を絞るんなら、もっと子供の視点に限定することで(つまり子どもたちの知らない「何か」が行われていることを匂わせることで)ロバート・ミッチャムの怪しさなり、迫りくる危機なりを描くこともできたと思うのですが、そして実際、本作にもハラハラドキドキな場面が描かれてもいるのですが、必ずしもその方面へと徹底した作品では無いようです。サスペンスというよりも、一種の寓話であるかのような見通しの良さがあり、それがまた、何とも言えない不気味さにつながっているのが、本作の特徴。ラストも、解決したという感じがあまり無く(というより、安易な解決を求める我々を揶揄しているかのような)、かなりキモチワルイ作品です。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2015-05-26 23:20:52) |
3.悪事を行うのが自らの使命のように振る舞い、それを嬉々として行うハリー、その彼が伝道師というのも恐ろしい話です。そのハリーの存在と共にこの映画を支えているのは映像の素晴らしさです。未亡人(ハリーの妻)の殺害シーンにおける二等辺三角形の家の壁、同じく二等辺三角形に入り込んでく光、その時のハリーの神経症的な表情、水中に沈められた女性の死体、歌いながら子供を追跡するハリーのシルエットなど、幻想的な美しさと悪夢のような不気味さが交じり合ったような映像は、観ていて飽きることがありません。個人的には未亡人殺害シーンは記憶に残ってます。ストーリーの方はノワールっぽいものを期待していただけに後半に進むにしたがってお説教じみてきて尻つぼみな印象でした。ストーリーよりも全体の雰囲気やトーンを楽しむ種類の映画だと思うので、家庭的な明るい雰囲気で終わるラストは、それまでの抑えたなかに狂気を孕んだ陰湿なトーンが壊れてしまい残念です。これで1点減点。 【ペリエ】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-21 00:54:54) (良:2票) |
2.怖いです、ミッチャム。シビいです、ミッチャム。こういう役者がいないですね、この頃は。LOVE&HATEをこめて。 【愚物】さん 9点(2002-11-06 01:31:37) |
1.これはこれはスゴイ作品です。伝道師になりすまして子供から遺産を乗っ取る為に執拗に追い詰めていくロバート・ミッチャムがすごいです。指には「LOVE」と「HATE」のタトゥーっすよ!もうシブイの一言でした。今見てもとても新鮮な作品です。中盤で一度話が完結すると思いきや、それでも追いかけてくるミッチャムのねちっこい性格がとても上手く表現されていました。オープニングからも解るようにおとぎ話のように展開していくストーリーは赤ずきんちゃんとヘンゼルとグレーテルの物語を足して二で割った感じで教訓めいたモノが見え隠れしています。孤児を養うおばあさんのタフな演技にも拍手です。 【さかQ】さん 9点(2001-12-25 21:18:04) (良:1票) |