《改行表示》 11.《ネタバレ》 タイトル通り、たくさん燃えてました。人種差別を扱った映画の中でも、かなり強烈な部類に入る作品です。組織的な暴力で黒人を迫害するKKKに対し、官憲が大掛かりな捕り物を行う。実話が元になっている作品のようですが、一度はこういう「戦争」をやらないと、差別の大勢は変わらなかったのだと思います。 凶悪な差別描写と並行して、性格と方法論が異なる二人の捜査官の対立と協調が映画的な面白さを担保しています。問題を提起する社会派作品でありながら、エンタテイメントとしても一級品。映画の醍醐味が味わえる逸品だと思います。 劇中、南部に住む人は「差別」を教えられて育つと語られます。「差別」と「イジメ」の違いは、歴史的な背景の有無だと思いました。歪んだ教育は未来への禍根になります。横道に逸れますが、現在の東アジアの情勢を見ていて、歪んだ教育の愚に思い至ります。 【アンドレ・タカシ】さん [ビデオ(字幕)] 8点(2013-08-14 18:24:44) (良:1票) |
10.高校の頃、いつもチャラチャラとふざけておどけてばかりいる奴がいて、およそ彼とはマジメな会話など殆どしたことがなかったのだけど、その彼と映画の話をしていた時(一緒に『リバイアサン』観に行こうぜ、というトホホな会話からの流れだったと思うが)、彼にしては珍しく「ミシシッピー・バーニングは観てて涙が出た」というマジメなコメントが飛び出したもんで、元々本作が気になりつつも観そびれていた私はさらに本作を意識するようになり、ビデオがリリースされたら早速レンタルビデオを借りて……で、「さすがアイツにマジメなコメントを述べさせるだけの映画だわい」と感心したのでした、と言いたいところなのですが、う~ん、イマイチ、ピンと来なかったというのが正直なところ。先日BSで放送してたので再見しましたが、やっぱり、う~んイマイチピンと来ず。“黒人への襲撃”は描かれるが、肝心の“黒人”は描かれない。事件が事件のまま羅列され、引き返し不能な「転換点」のようなものがない。エスカレートしていっている筈の各行動が、エスカレートしていっているように感じられない。つまり物語が無い。二人の好対照な捜査官を並べて、彼らの衝突を描くのかと思いきや、これもやや不発。クライマックスではついに非合法手段にすら訴え出るも、差別に対する怒りなのやら、手を出した人妻がリンチにあったことへの怒りなのやら。いやそもそもこの無茶な捜査、怒りによるものなのやら、単に「人狩り」を楽しんでいるのやら。こういたことを曖昧にしてしまうから、さらに羅列っぽさが感じられてしまう。本作の中では、あの、FBI捜査官たちがスーツのままぞろぞろと泥の中に入っていく場面なんて、サイコーだと思うんですけどね。ああいうシーンが単発で終わっちゃうのが残念ですね。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2013-07-10 23:27:26) (良:1票) |
《改行表示》 9.《ネタバレ》 最初の10分で映画に釘付けになりました。 教育レベルで人種差別が行われていることが一番の衝撃で、昨今のお隣の国の教育の在り方を連想させるものでした。こうなってくると、人種差別から暴力・犯罪に走る人々よりも、そんな人々を作り上げてしまうシステムが最も罪が重いと言わざるをえません。 生まれながらに本能にねじ込むようにして刷り込まれた差別意識と洗脳から、なぜか解放されているベル夫人に一筋の救いを見た気がします。 リアリティを求めた硬派なストーリーの中にも、きちんと映画として人を惹き付ける配慮やアレンジがされていて、「ああ、これは映画なんだ」と、そこだけは見失わずに最後まで映画として観賞することができました。 とても良い映画でした。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 8点(2013-02-12 03:33:27) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 KKK、完全に異常だ…。人間がどうしてあそこまで残酷になれるんだろうか。ジーン・ハックマンが怒りを爆発させる場面でスッキリできたけど、下された刑の軽さにはモヤモヤ感。黒人が逆のことをしたらこんなものじゃ済まないんだろうし。映画としては良く出来ていると思う。濃い2時間だった。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-04-06 21:20:08) (良:1票) |
7.アラン・パーカーの映画作りは相変わらずお上手で、この映画も社会派作品でありながらハラハラと手に汗握りながら楽しむことができます。「社会問題を誰でもわかる娯楽映画にしてみんなに啓蒙する」ということはハリウッドのお家芸ですが、本作はそんなハリウッド伝統の良心作に仕上がっていて、文句なしに面白い映画だと評価できます。。。ただし製作者に自覚があるのかないのか、同時にアメリカ人の無神経さも出てしまっています。ロバート・ケネディの命を受けたFBI捜査官が南部の田舎町に現れ、救世主の如く黒人を救う物語なのですが、悪いことは南部の田舎者に押し付け、自分達は正義と平等を愛する美しき精神の持ち主ですと言わんばかりの姿勢。「差別はあった。でも悪いのは偏狭な田舎者で、大多数の白人は善人ですよ。ほらこの通り、僕達は差別主義者をこらしめるよ」という居直りのような映画だなぁという印象を持ちました。なんせ、KKKを演じているのがブラッド・ダーリフにマイケル・ルーカーにリー・アーメイですよ。「悪人です!」と言わんばかりの面々。差別問題ってそんな単純な問題じゃないでしょ。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 7点(2010-11-27 22:16:24) (良:1票) |
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6.《ネタバレ》 もうこんな差別やめろよ!なぜ憎むの?何が不満なんだよ?色々考えさせられるけど、一番感じた事は、怒ったハックマンにひげを剃ってほしくないという事。(そんなんでいいのか?) 【一番星☆桃太郎】さん [DVD(吹替)] 7点(2004-09-22 02:06:52) (笑:1票) |
《改行表示》 5.久しぶりに観たくなって、再見したんだけど…う~、やっぱり凄く面白い!この映画、南部の黒人差別問題の形をとってるけど、特にメッセージだとか、理屈っぽさは全くないんだよね。もちろん、だからこそ面白いのだし、だからこそいろんなこと考えさせるんだと思うんだよ。頭ごなしに正論のメッセージ吐かれても、気持ち悪いし拒否反応起こすだけだからね。 ここではある特殊な状況があり、その中で生きようとし、その上で揺れ動く人の内側が徐々に浮かびあがってくるところがいいよね。迫害する側、される側、黙って見てる人、見ないフリする人、みなそれぞれの内側に恐怖と葛藤を、それぞれの苦悩を抱えている。 なんだかつい最近あったイラクの人質バッシングを思い出してしまったよ。 【ピグ】さん 8点(2004-05-20 14:42:40) (良:1票) |
4.薄味デフォーが見れるレアな作品。 【カイル・枕クラン】さん 8点(2004-03-20 18:11:18) (笑:1票) |
3.なんでイギリス人のアラン・パーカーがこんな映画を撮ってるんだろう?という不思議はさておき、つい2、30年前までこういうコトが本当に起こっていた事実を世間が葬りかけた頃になって寝た子を起こした心意気は買います。ちゃんと面白いし、後で見返してもついつい最後まで観てしまうぐらいのしっかりした作りでした。どちらかというとアウトロー的なイメージの強いウィレム・デフォーがエリート捜査官で、ジーン・ハックマンが叩き上げというキャスティングも面白いし、いかにもな南部のホコリっぽいムードもうまく出ている。どうでもいいけどフランシス・マクドーマンドと朝丘雪路って似てませんか。 【anemone】さん 7点(2003-11-29 23:32:04) (良:1票) |
2.当時のFBIが組織をあげて黒人差別をしていたのは有名だし、公民権運動家が虐待され、殺されてもほとんど捜査しなかったのも有名。にもかかわらずこうした嘘八百の映画が「良心的」なふりをして平気で作られる。そっちのほうがよほど恐い。アメリカでは黒人団体から抗議を受けている映画。ミシシッピー住民からの抗議というのは私は知りません。ついでに言えばそういう黒人からの抗議についても(おそらくは)知っているだろう映画配給会社が平気で「良心的」な映画だと日本では宣伝し、それをファンも平気で受け入れる。悪い冗談ですか。 【すもも】さん 0点(2003-04-25 02:37:00) (良:1票) |
1.ポパイ刑事復活って感じの後半の展開が好きです。それまでイライラしてた気持ちをすっきりさせてくれました。難しい問題を扱ってはいますが、決して悲惨で重苦しい展開ではなく、「映画」として見せてくれています。ウィレム・デフォーも映画の中ではまだ若造でした。6点献上。 【sayzin】さん 6点(2001-10-19 18:44:12) (良:1票) |