4.この映画はボケ老人だけじゃなく、老人問題の抱えるいろんな要素が含まれている。老親二人の田舎暮らし、離れた子供たちとの関係、嫁姑・小姑と嫁の感情問題、ボケ老人を病院に入院させ拘束するしかない状況などなど、、85年というとまだゴールドプラン10ヵ年計画の影もない時、介護は当然のように嫁の義務とされ、こういうボケ老人を抱えた家族を助ける社会的状況もなかった。そういう時代にこの嫁の桂子さんのとった介護法はお手本ともなるべきもので、ここまでできる人が果たしてどれほどいるだろう。映画以上に家庭は混乱し、壮絶でヘトヘトになるだろう。千秋さんのボケっぷりは皆さんが言われてるのでこれ以上言うまでもない。このリアルさと脚本に現実性があることで、現実に直面している人もそうでない人にも、老人問題について教えられ、考えさせられる作品になっている。千秋さん、十朱さんはじめ俳優のキャスティングもよかった。 【キリコ】さん 8点(2003-12-21 16:15:51) |
3.当時、社会問題になった“アルツハイマー型老年痴呆症”と言う不治の病。家庭で面倒を看れなくなった年長者は、即“老人ホーム”行き…という不条理な現実。家族、そして病気と向き合うと言う事はどういう事なのか…。冬吉(千秋実)が家で排泄し、桂子(十朱幸代)のやり場の無い憤りのシーンは、当時高校生だった自分には衝撃的だった。色々な事を考えさせられたと同時に、自分が“老人介護問題”に対して如何に無関心にして無知だったのか…と痛感させられた作品でも有りました。意図する家族の苦悩なり葛藤を巧みに描き、千秋実の迫真の演技力はまさに圧巻。実は、早いうちから“アルコール依存症”について描いていたのもこの映画から。ちなみに、自分にはそういう経験は無いのだが、友人の女性が、ウチが2週間もおじいちゃんの面倒看なくちゃいけないから凄いイヤ…早く親戚の家に帰らないかな―…という言葉を聞いて、言い知れぬ哀しみを覚えた事が有りました。 【_】さん 8点(2003-11-15 16:05:55) |
2.十朱幸代って家庭内で苦悩する主婦を演じさせたらハマりますよね。切実な題材だけに見ている側として考えさせられました。千秋実が昏睡状態の奥さんをそうと分からずにオブって橋を渡るシーンには、胸が詰まる思いで涙してしまいました。ウチのじいちゃんが生前この作品を見ている時に「ワシもああなるかもな...」と冗談交じりに言われ、号泣したのを覚えています。 【さかQ】さん 8点(2002-06-14 05:25:50) |
1.先に森繁氏の「恍惚の人」を観ていたのですが、こちらの千秋実も見事です。 【イマジン】さん 8点(2002-05-23 12:19:41) |