12.ウチの子供たちに見せてやりたい映画の一本でもあり、先日、ようやく一緒に観ることができたのですが、気が付いたら子供たち2人とも私にピッタリと寄り添いつつ、特に姉(5歳)の方は相当のめり込んで時々息遣いが荒くなったりしつつ(大丈夫かよ)、随分盛り上がったのでありました。観終わって開口一番、「私もUFOに乗りたい!」だそうな。うん、親の立場としては、主人公のようにUFO熱に取りつかれちゃ困るのだけど、でもそれでいいんだよ、その感想を聴けただけでも一緒に観た甲斐があったよ。しかしこの映画、本当に、子供にも“伝わる”映画だと思います(幼稚園児のみならず、それこそ1歳の弟クンにも)。そりゃま、物語だけ抜き出せば妙なオハナシ(脚本はスピルバーグ単独名のクレジット。この辺りは色々と紆余曲折もあったようですが)。しかしだからこそ逆に、ウチの子供たちと私自身を含めた大勢の人々を惹きつけてやまない、映像の力というものを強く感じさせられます。この作品で描かれる宇宙船は、暗闇の中の“光”としてのみ描かれ、それ以上でも以下でもない。ただただその、暗闇の中の“光”の持つ、不可思議さ、神秘性、そして魅力。さらにこの映画には、「何かを見つめる人の姿」が再三にわたって登場します(スピルバーグ作品の特徴でしょうが、特にこの映画では重要なモチーフになっていると思います)。この登場人物たちの“視線”と、その視線の先の“光”、いわばこれだけで、映画を観ている1歳児も5歳児も彼らのボンクラ親父も皆、惹きつけられてしまう、まさに映像の力ですね。さらには、この「暗闇の光」を「凝視」し「その幻影を追い求め続ける」というあたりは、“映画のとりこになってしまった映画人”のイメージも重なります。あと、この作品は『ピノキオ』との関連が深いですが、何となく、「あー、じゃあキューブリックの『2001年宇宙の旅』も『ピノキオ』の物語だったんだ」などと、よくわからないことをふと思ったのでした。 【鱗歌】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2011-04-13 23:13:12) (良:3票) |
11.昔見た覚えはありますが、子供だったのでよくわからず、今になってDVDを購入し、近所のシアタールームで見てきました。10畳間くらいの部屋に、壁一面がプロジェクタースクリーンで、最大音量で堪能しました。何か忘れたものを思い出しました。映画が好きで、元はスピルバーグモノを映画館で楽しんでた子供だったのに、大人になりその頃を否定するかのように、難解なサスペンスや感動作を選ぶようになり、劇場には行かなくなった。 映画が身近になりすぎて、娯楽でなくなりテレビを見る暇つぶしみたいになったのです。今頃私はスピルバーグ映画を見ていた、子供の頃の作品を集めている。しかし、再生してみてやめた。ふと、今年で閉鎖するシアタールームを思い出し、鑑賞してきたところです。あれは(小画面)鑑賞ではなく、観察だ・・まるで、ニューシネマパラダイスのラストのように、閉鎖する店の一室で鑑賞しました。視界に入りきらない画面を再現するため、3mくらい間近で見上げながら・・うちで見たらたぶん良くて8点、でもこのでかさ音の重低音で10点満点。のめり込めましたから、ドレイファスの気持ちや筋がよくわかった。リアルです。ありえない話ですが、ありえるかもしれない。異常な行動を取る人たちや主人公も、すごく気持ちがわかり自分もそうすると思う。何故?何?それが知りたいこと。もしかしたらただそれだけなのかもしれない。それほどまでの好奇心を、UFOという対象で表現しているけど、これは体験したいというピュアな映画。CDで音楽を聴くか、コンサートに行くかみたいな・・古風な逸話で、かぐや姫を思い出しました。でもあれは、逸話ですがあの話はSFとしての解釈で有名です。 【アルメイダ】さん 10点(2003-12-26 07:10:05) (良:3票) |
10.《ネタバレ》 仕事を捨て家族を捨て、ひたすらUFOの謎を追い続ける主人公にどれほどリアリティがあるのだろう。DVD特典映像に収録された最近のスピルバーグのコメントも自身の思い入れによる『若気の至り』というほど直線的なキャラだ。映像もいくつか?シーンが存在する。デビルズタワーの背後から現れそれを乗り越えるマザーシップは高度が低すぎるし、最後に交流する異星人も機械的でぎこちない。最初に姿を現した手足の長い異星人と主人公にまとわりつく異星人が同一かどうかも判らない。滑走路を覆いつくすマザーシップの影の大きさや速さも気になる。特撮技術も、UFOの輪郭近くの方が、かえって背景の星がはっきり見えるなど粗は多い。CGで何でも出来る今となっては目を見張るものはないかも知れない。でも…当時もわかっていた。そんなモンはこの映画に関してはまったく問題ではないのだ。ウルトラマンの背中にファスナーが見えていても彼は私のヒーローであったように、この作品も依然としてベストワンのままだ。家族を捨てるほどの衝撃を与えた「何か」に打ち震え、自分にもそんな「何か」くるのかと期待で胸が膨らむ。主人公がマザーシップの乗り込む瞬間、見納めかもしれない「地球」を振り返る表情に羨ましさを覚える。そしてギクシャクした動きの異星人は文明の差を越えた「微笑み」と「ハニカミ」だけを表現したいこだわりに感動してしまう。当時のマペット技術の限界を知りつつ、この「笑顔を交わす」にこだわる思いに泣けるのだ。宇宙人は地球侵略目的でやってくる、宇宙船は銀色でのっぺり、と誰もがイメージしていたものを、これほどまでに価値観を変えた意義は大きい。「ジョーズ」本作、「E.T.」と、前半はそのものを見せず、現象や事件だけで期待感を煽るお得意の構成。そのエピソードも端的で素晴らしい。当時新進気鋭と呼ばれたまさにスピルバーグ節。そしてクライマックス。今まで現れたUFOが一斉に登場すると思いきや、あれほど巨大なマザーシップとは!旧有楽座の巨大スクリーンで初めて見たとき思わず息が出来なかった。絢爛豪華な装飾と、着陸時に天地が変わる発想を含め、これほど予想を上回るクライマックスは彼の作品の中でもピカイチだ。ラストの地球を離れ5音階をオーケストラが奏でる時にマザーシップに重なるようにまず最初に出てくるスピルバーグのテロップを見るたびに敬意と感謝と祝福の気持ちが沸き起こる。 【やしき】さん [映画館(字幕)] 10点(2009-02-21 00:01:30) (良:2票) |
9.この作品に対するコメントの少なさは、いったいどうしたことだろう?当時「スター・ウォーズ」派か「未知との遭遇」派かって分かれたような事ありましたっけ。僕はもちろん断然この後者のほうで、全編ファンタジックなやさしさに包まれた(母船やUFOすら“女性的”に描かれている)この壮大な“夢”を観せてくれたスピルバーグには感謝しなくてはいけないし、又、この作品をリアルタイムで体験できた自分というものが、実に幸運だったと思います。 【ドラえもん】さん 10点(2000-09-28 11:49:14) (良:2票) |
8.私のSF映画No.1がこれだ。 大阪のOS劇場。シネラマで見た時の迫力は今でも忘れられない。 再度DVDを見たが、今どう感じたかではなく、 10代の時に見た衝撃で10点を付けたい。 【プエルトガレラ】さん [映画館(字幕)] 10点(2020-10-08 22:32:15) (良:1票) |
7.人間は誰でも心に宇宙を抱えているもの。この作品は、スピルバーグの心の内を表現した叙情詩なのだと思います。そして、二十世紀最高の美しさをたたえた映像作品です。大スクリーンで観られなかったのが本当に残念です。 【ひよりん】さん [DVD(字幕)] 10点(2007-01-06 22:38:15) (良:1票) |
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6. これは、映画史に残る名作です。私はスピルバーグ映画の最高傑作だと思います! あの不思議な音楽と空間に飲み込まれそうです 【マック】さん 10点(2005-02-15 19:26:52) (良:1票) |
5.初めから終わりまで、素晴らしく、感動したSF作品。
当然ながら今宇宙人と遭遇すれば、現代人と類人猿との技術以上の差は歴然。
人がペットに接するがごとくか。少しずつ存在を知らせパニック、敵愾心を起こさせず・・・
その布石をベースに最後までの展開とその未知との遭遇のクライマックス。
未知の物体と生命体の優雅さ、美しさ、やさしさ、気配り・・・
人類の驚きから驚き、そして驚愕から感動。
これほどSFを善意に、美しく、理想に近い形で描いた作品は稀有だ。
個人的には子供と言うより幼児のなんとも言えない可愛らしさ、愛くるしさが素晴らしい。
また最後の場面での奏者の感動の表情も特筆もの。
'09.9/21 何度目かの鑑賞。また感動を覚えた。今回はファイナル・カット版です。
初版(1977)の上映時間135分、特別編(1980)132分、ファイナル・カット版(2002)
137分。全て観ているが細かな違いが判らない。宇宙船内部のほかは・・。
【ご自由さん】さん [映画館(字幕)] 10点(2004-07-12 17:22:44) (良:1票) |
4.言葉では説明できない。ただし、心を大きく揺り動かす何かがある。この映画でしか味わえない、未だかつて味わったことのない心境になる。 |
3.みでじゃさん、全く同感です。ホームシアター環境でDVDを見てさえ、全然物足りません。私はOS劇場(大阪)で何度も見ましたが、あれは「観賞」なんてものではなく「体験」でした。この映画をテレビで見るのは禁止にしたいですね。と言いつつ、私もLDやDVDで繰り返し見てしまっているのですが。 【れお】さん 10点(2003-05-26 00:59:51) (良:1票) |
2.中学時代、いろんな意味で価値観を変えさせてくれた生涯の一本です。宇宙人は悪者、宇宙船は銀色の固定概念を見事に変えてくれたことは当時スゴイの一言。UFOを追求する過程に彼の他の作品にはあまり見られない強引さがありますが、いかにこの作品に猛進していたかの表れなんだと、当時も今も微笑ましく思います。みんなに見せたくて、というよりも学生時代の思いを形にしたくてという感覚がとても魅力的に感じた事を思い出しました。 【屋敷】さん 10点(2002-11-19 18:49:12) (良:1票) |
1.この映画は他の映画とは比較にならない程、UFOや宇宙といった事象を優しく描いているんです。「2001年宇宙の旅」ほど人類の創世記まで話しをさかのぼったりしていないし、あそこまで哲学的な映画ではない。あまりに眩しく、美しいラストシーンを前に、しばらく会っていなかった母親と再会したかのような錯覚に陥った。スピルバーグといったら、「未知との遭遇」か「E.T.」...と言わすぐらい、この手の題材を描くのがキューブリックなんかより、よっぽど上手。文句なしの傑作。 【チャーリー】さん 10点(2002-03-12 17:36:22) (良:1票) |