《改行表示》 161.《ネタバレ》 見始めてすぐに感じる違和感。 そう、なぜ止めようとしたもう一人が一緒に縄でしばられ、裁かれようとしているのか。現場にいたはずの誰もが、なぜ彼をかばおうとしないのか。それどころか、娼婦のリーダーのような女性は、「二人とも縛り首にして」と言い放っている。 当時の時代背景を知る由もありませんが、女性の敵意は個人ではなく、娼婦を物扱いする「カウボーイ」という人種に向けられたものであったのでしょうか。 この若いカウボーイ、もう一人の暴挙をやめさせようと必死になり、その後謝罪のために馬を差し出し、その行為には確かに誠意を感じるにも関わらず、結局は女性たちから賞金稼ぎを雇われて最後は殺される運命で、まったく腑に落ちません。 彼をふくめて、殺されて当然の人、そうでない人、悪人、善人、すべての人が「銃」という暴力の前に次々と命を散らしていきます。それぞれの正義や道徳、思いといったものが、暴力の前には何と無力で何とあっけないものなのかということは、ものすごく伝わってきます。 そういった意味では、西部劇の姿をかりた、人間ドラマということで、見る価値はあるのかもしれませんが、『西部劇を見よう』と思っていた立場からすると、「これ、面白いか?」っていうのが正直な感想で、見る前のスタンスによってその映画の評価って変わるものだと思いました。 【たきたて】さん [DVD(字幕)] 4点(2013-05-16 17:07:49) (良:2票) |
160.《ネタバレ》 さて、一体正義とは何でしょうと宿題を出されました イーストウッドに。「許されざる者」とは一体誰なのか。娼婦に暴行して反省の無い牧童か 連中に賞金をかけて私刑を望む女たちか 権力を笠に着た悪徳保安官か 道徳心の無い賞金稼ぎどもか はたまた友人の復讐のために人殺しを躊躇しないかつてのおたずね者か。各々に理屈なり各人の正義はあるのだろうけど、どれも今ひとつ首肯しがたい連中ばかり。ヒーローのいない西部劇・・、でもラストなんだかんだでイーストウッドがカッコイイとこ持ってっちゃいましたね。 【tottoko】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2012-12-03 17:21:25) (良:1票) |
159.許されざる者(Unforgiven)ってタイトルが秀逸ですね。殺しは殺し。どんな理由があろうと決して正当化される行為ではないということを非常に淡々と描いています。美しい映像と役者の演技で徐々に話に引き込まれてゆきました。 【ケ66軍曹】さん [DVD(字幕)] 8点(2012-05-08 07:08:00) |
158.善と悪なんて、見方一つでどのようにでも解釈できる。賞金稼ぎ、賞金首の二人、保安官、店の店主、売春婦…。みんな正しくて、みんな間違っている。みんな許されざる者なんだと思う。登場人物全てが大好きになれる作品、めったにありません。 【おやじのバイク】さん [CS・衛星(字幕)] 7点(2012-02-24 23:01:21) |
157.開拓時代をはるかに過ぎた19世紀末、ついには現われない絶対の聖女が初めと終わりを締める。登場人物すべてが心に棘を刺してるんだけど、主人公にとってはこの妻ね、あるいは妻の不在。伝説を終わらせていた彼女の不在によって、一度だけ伝説が戻ってしまうって話。この映画では死んでいく者の気分が強調されている。「血が止まらない」とか、便所での哀願とか、「こんな死に方をするのか」とか。これは殺す側のむなしさに移っていく気分でもある。フリーマンが捕まったことを知らせる女の馬が、チラリと見えかけたところで焦らすようにマニーと若造のむなしさに関する会話を長く入れるんだよね。でマニーが伝説の人間に戻ってしまうわけ。幽霊のように。もうお能。店の親父を、丸腰の親父を殺しちゃう。だって鬼なんだもん。そして伝説の側に消えていってしまうの。生きてるってなんて哀しい哀しいことなんでせう、という気分だけが残る。野のシーンでは風の音が聞こえ続けていた。 【なんのかんの】さん [映画館(字幕)] 7点(2011-11-29 09:39:35) (良:1票) |
156.《ネタバレ》 映画の世界では、悪人は簡単に人を殺す。そしてヒーローも簡単に悪人を殺す。2時間で終わる映画にその後があったなら、登場人物たちはそのままの人生を送れるのだろうか? 本作は彼らのその後を描いた、言わば娯楽映画の裏側を見せるような作品でした。それぞれに過去がある登場人物たち。昔の栄光にすがっている賞金稼ぎ。正義という大義に依存してやりたい放題を続ける保安官。そして、過去の悪行が呵責となっている元極悪人。彼らはそれぞれに「許されざる者」だったと思う。だた、元極悪人のイーストウッドを「許されざる者」と呼ぶとき、それは断罪しているのではなく、悔恨を背負った状態を指した言葉でした。死んだ奥さんとの生活が自分を更生させたと、まじないを信じるように言いすがる。「俺は変わったんだ」。そのしつこさにガンマンのカッコ良さは微塵もなく、自身の肯定や自己憐憫は哀れでさえある。しかし少なくとも、悪に対して粛清意識が暴走する保安官よりは共感できる。イーストウッドが過去に演じたガンマンを普通の人にしてその後を覗いたら、地味でも深い物語が姿を現した。監督としてのイーストウッドの作風が変化して行く出発点が本作だったと思います。主人公像の変化を俯瞰した時、「荒野の用心棒」と本作、そして「グラントリノ」は一直線に並ぶ作品という印象です。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2011-06-09 21:10:06) (良:2票) |
155.さすがにクリント・イーストウッドと唸らされました。西部劇という枠を超えて完璧なまでに仕上がった実に見応えのあるいい映画でした。保安官ジーン・ハックマンも凄い迫力!! 【白い男】さん [地上波(字幕)] 8点(2011-04-25 23:59:45) |
154.傑作。 【Balrog】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-04-17 19:48:06) |
153.《ネタバレ》 それぞれの大儀はあったはずだから、誰が正義かなんて見る角度によって変わってくる。しかし結果的にどうあれ、誰しもが許されざる者だった。美しいエンディングテーマを聴きながらマクロに考えると足下がぐらつく。 |
152.《ネタバレ》 二人の命に賞金をかけた娼婦たちが、馬を持ってきた男の態度に、少し心が揺らいだように見えた時からこの映画はただものじゃないと思った。過去の罪にさいなまれるウィリアム・マニー。ネッドも今や人を殺す事はできなくなっている。そして初めて人を殺したキッドは恐怖と後悔を味わい、新たな決意をする。お尋ね者、娼婦、賞金稼ぎ、保安官。誰もが… つまり人間は皆罪深く、それ故に苦悩するのが人間だという事か。そんな許されざる者たちの中で、唯一後悔を知らず、自分が正義だと疑わない男がいた…。相棒を殺された怒りのクリント・イーストウッドと、ジーン・ハックマンの対決。しびれるな~素晴らしいな~。画的にもとても美しく、ウエスタンを極めた形と言ってもいいかもしれない。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2011-03-20 00:04:39) |
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《改行表示》 151.《ネタバレ》 複雑な人間の心理と現代的な倫理観を含ませた西部劇という感じですが、今まで見てきたクリントイーストウッドの先入観があるのか基本設定であるウィルが悪人であったというところが伝わらず、映画の世界にドップリはまれなかった。 で最後の商売に成功したっていう話でちょっと許された感が出ちゃったけど、これはいかがなものかと思いました。子供を不幸な形にはさせれなかったのかな。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕)] 5点(2011-03-19 19:28:22) |
《改行表示》 150.それまで人を撃ちまくってきたクリント・イーストウッドのある種ケジメ映画。この映画を撮らずして、おそらく彼は次のステップに進むことは出来なかったのだろうと思います。 このケジメの最終到達地点が、「グラン・トリノ」であることは明らかです。 【おーる】さん [DVD(字幕)] 7点(2011-02-03 18:52:15) |
149.《ネタバレ》 「人殺しは人間の過去も未来もすべて奪うという事」。老ガンマンが若者に諭すように放つセリフ。現実世界では周知の教訓だが、映画の中では簡単に人が死に過ぎる。戦争モノのような最悪なシチュエーションは別にして、西部劇、刑事モノ、事件モノは、撃たれ、殴られ、刺され、とにかく一瞬で人間が死に絶えてゆくことが多い。この作品がそれと少し違うのは、ヤル側も怯え、苦しみながら、かなり真剣に人殺しをする。これはもしや、イーストウッドがこれまでに映画の中で殺してきた無数の被害者や、その他映画の中で簡単に殺され続けた被害者たちへの鎮魂歌なのではないか?などと勝手な解釈をしてみたりした。ここにはいろいろな「許されざる者」が登場する。善い人間と悪い人間の他に「許されない人間」というくくりがある。 【ちゃか】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-08-12 19:21:10) (良:2票) |
《改行表示》 148.うちのテレビが古いのもあるが、画面がとにかく暗い。 内容は、淡々と進んでいく感じ。イーストウッドらしい作品 【kure】さん [DVD(字幕)] 6点(2010-07-18 08:56:12) |
147.ひたすら退屈。そして最終的に何が言いたかったのか・・・ラストも中途半端 【のははすひ】さん [DVD(吹替)] 3点(2010-07-14 00:40:47) |
146.《ネタバレ》 真の正義こそが、真の悪。保安官は偽りの正義。真の正義は、ウィルにある。真の悪も。。。救いの無い世界観、醍醐味ですね。 【VNTS】さん [DVD(字幕)] 7点(2010-06-08 20:31:14) |
《改行表示》 145.夕日のガンマン・ダーティーハリー・アウトロー・本作・ミリオンダラーベイビー・グラントリノと俯瞰すると(他の作品でもいいですが)、イーストウッド師匠は「仕事に忠実である」という人物像を演じ続けてきたことが見えてきました。 ところで、この映画では、マニー・保安官ビル・イングリッシュ・ボブの3人の腕前は「語り」だけで紹介されており、本当にスゴ腕かどうか映画の最後まで分かりません。一応、最後のガンファイトでマニーが一番の腕前のように見えますが、本人が「殺しは運だ」と語っているとおり、たまたま、弾にあたらずに生き残ったようにもみえる(駄洒落ではありません)。そうした矛盾がこの映画のミソなのでしょう。 それしても17年ぶりの観賞ですが、最高傑作だといわれる理由がまだよくわかりません。もっと勉強してから語りなおします。 【爆裂ダンゴ虫】さん [映画館(字幕)] 6点(2010-06-05 21:45:45) |
144.《ネタバレ》 画が綺麗なのは、その通り。音楽もよかった。ブランクある賞金稼ぎによるカウボーイへの襲撃のシーンまでは面白かった。リアルな西部劇を見せて頂いているような感じ。しかし、酒を飲んでからの豹変。とりわけ、エピローグの商売屋の成功話。なんだ、それ、と言わせてもらおう。 【なたね】さん [CS・衛星(字幕)] 4点(2010-05-24 21:47:20) |
143.イーストウッドの前半の老化と後半の覚醒、このシンメトリーな感じが良かったです。この映画で伝えたかったものは人を殺す事の罪深さ。数々の西部劇に出演し、さんざん人に向けて引き金を引きまくったイーストウッド流のケジメのつけ方だったんでしょう。この後からの彼の作品にはどこか崇高さが見える。きっとこの映画を製作した事で悟りの境地を開いたんでしょう。 【関白宣言】さん [DVD(字幕)] 9点(2010-05-22 11:49:56) (良:1票) |
142.ウエスタンのスタイルをとりながら、手法的には現代サスペンス・アクション風に場面が進んでいく。そこがこの作品の新鮮なところだったのだと思う。ところどころ照明が異様に暗くて、せっかくのハックマンやフリーマンの演技を堪能できなかったのが残念。 【Olias】さん [CS・衛星(字幕)] 6点(2010-05-21 01:29:29) |