6.主人公と主人公の彼女は耳が不自由です。凡作ならばそのことをまず説明するでしょう。彼等の家族や友人達が出てきて言葉で説明するでしょう。しかしこの作品ではそんな野暮なことはしません。サーフボードを抱えて歩く二人を見た友人はけして呼び止めずに石を投げる。それだけでわからせちゃう。あぁ、北野武はちゃんと映画を作ってるって思える瞬間です。 1回目のサーフィン大会でアナウンスを聞けなかったために出場できなかった主人公にふてくされたところがない。こんなことは聴覚障害者にとっては日常茶飯事だと言っている。と同時に彼等は孤独であり、諍いを避ける為にあえて孤独へと逃げていることを覗わせる。サーフィンを通して、仕事仲間のささえを描きながら、孤独から脱却してゆく主人公をカメラは静かに追っていく。彼女とのシーンでは言葉を交わせないゆえの勘違いが映されるが、それ以上に言葉が無くても通じ合えるということを描いてゆく。様々なことを静かな映像に語らせる。素晴らしい映画だと思います。悲しい結末なのになぜか癒されます。 【R&A】さん [ビデオ(字幕)] 7点(2005-04-13 13:30:43) (良:4票) |
5.行き当たりばったりで緩急のないプロット。カット尻が長すぎて落ち着かなくなる違和感。実験精神は買うが、やはり成果が出ていない。どうして主人公二人は聾唖者なのか? 「台詞の少ない設定にしたかった」と監督は語っていたが、ならばそうなるように健常者の設定で脚本を練るべきでないか? 順撮りできる予算があるならば、その分脚本作成に時間を割けと怒鳴りたくなる。 【恭人】さん 2点(2003-11-21 12:24:48) (良:3票) |
4.北野武監督の第3作は暴力的な世界を描いた前2作とは趣を変え、サーフィンに次第にのめりこんでいく若者とその恋人を描いたラブストーリーとなっているが、自身は出演しておらず、企画としてもクレジットされているあたりにたけしの本作に対する本気度がうかがえるし、実際に映画としての完成度も非常に高い。「その男、凶暴につき」や「3-4X10月」で既にセリフに頼らず映像で見せていくというたけしの作風は確立されていたが、本作では主役のカップルを2人とも聾唖者に設定することで、セリフを排除し、2人の関係は映像のみで語られていくというのがいかにもたけしらしく、「その男、凶暴につき」から本作までの3本でたけしの映画監督としてのスタイルは完成されたものになったのだろうと思わずにはいられない。本作は主役2人のセリフがない分、ものすごく淡々とした映画にはなっているが、言葉で語る以上にこの二人がお互いを思う気持ちや切なさがじゅうぶんに伝わってきて、まさにサイレント映画の手法だが、あらためて映画というのはこういうものなんだと気づかされるし、その映画を演出しているのが普段はテレビでバカをやっているタレントであることにもやっぱり驚かされ、本作を見るとたけしという人は本当は才能のある人なんだと感じさせられる。主役のふたりを演じた真木蔵人と大島弘子もよく、いかついイメージのある真木蔵人はさわやかに好演していても違和感がないし、なによりもサーフィンに熱中する彼を見つめる大島弘子がすごく印象に残り、これ一本で引退したみたいだが、だからこそよけいに鮮烈なものがあるのかもしれない。夏の海が舞台だが、たけしらしい空と海の美しさも印象に残る。これがたけし映画初参加となる久石譲の音楽も映画の雰囲気にとても合っていて、美しくいつまでも耳に残り、これも映像とともに二人のドラマを描くのに効果をあげている。賛否両論ある映画のようだが、見終わってなんとも言えない気持ちになり、素直に良い映画だ、見て良かったと思えた。最近の「アウトレイジ」のようなたけし映画も悪くはないが、やはり本来のたけし映画の良さは本作のような独特の静けさを持った映画にこそあるような気がする。 【イニシャルK】さん [DVD(邦画)] 8点(2014-01-25 01:09:00) (良:1票) |
3.何なんだろうか、この気持ちは。淡々とした展開、そして最後には、心の中に何かをそっと残し去る。そんな作品。 【アンリ】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-04-04 22:35:10) (良:1票) |
2.主人公しゃべんないし・・・・ 【Sleepingビリ-】さん [DVD(字幕)] 4点(2005-09-13 22:27:15) (笑:1票) |
1.最後のタイトルの出方は印象的でしたね。 【恭人】さんのおっしゃるとおり、「実験精神は買うが結果は出ていない」と思います。途中眠くなりました。 【MASH】さん 3点(2004-01-03 09:05:10) (良:1票) |