8.《ネタバレ》 「お前は、空でも眺めていれば良い」…もう名セリフでしょう! 廉姫と又兵衛が話の主体。今回、野原一家は脇役に徹しているので、原作やTVシリーズを知らない人にも充分観るに耐え得る作品となっている。戦国時代にタイムスリップしても、そんな大事を子供の言う戯言として片付けない春日の侍は、現代人並みに理解力がある(乗用車なんて見たら、普通は失神してしまうぞ)。時代を越える意図性が些か不明確だが、最後の又兵衛の言葉がその必然性を生み、この作品を救っている。さりげない演出も素晴らしく、なにげなく“戦争否定”のメッセージを込めている所が、お役所が認めた決定打。今のところ、シリーズの中では一番ストーリーに徹底しているのではないだろうか。その為、野原一家に何かを求めてしまうと不満が残るかもしれない。特に、原作・TVシリーズを未読・未見の方に方にオススメ。ところで、「ラストで誰が撃ったのか」と言う話ですが、おそらくあの場にいた者は誰も撃ってはいないのでは…? それは、しんのすけが戦国時代にやって来た日に撃たれるハズだった銃弾が、その時を越えたのだとしたら―…(←あくまで仮説)。時は必ず過ぎ…そして逆らえない運命があるという事を、この作品は静かに教えてくれるのだ。 【_】さん 8点(2003-05-31 01:25:25) (良:5票) |
7.《ネタバレ》 クレしん映画でベストの評価を得ているこの作品。私自身の観賞は2作目になりますが、ビックリでした。初めて観たクレしん映画「雲黒斎」は子供向きじゃないなぁと思うところもあったけれど、今作は子供も大人も一緒に観賞できる。そんな良作だと思います。ざっと他の方々のレビューを見ました。しんちゃん必要ないじゃん論に対して私見を述べますね。あのタイムスリップには何らかの契機があったはずで、さらっと廉姫がそのことを口にしました。「この場所で、又兵衛が戦で死なぬように祈っていた」。その願いが、あの水辺の未来で暮らす野原家に届き、しんのすけが使者として召喚されたということでしょう。まず、タイムスリップ直後に彼はその使命を果たしましたね。お尻を出して。続いて、又兵衛や廉姫、そして殿様に21世紀のこの国の状況を伝えます。それは幼稚園児なりの形容だったが、難しい理屈が省かれているだけに身分差のない平和な時代というエッセンスが強調されたようです。しんのすけの話を聞く人達の姿勢が礼を尽くしていて大変心地良い。そして、その話を聞いた殿様が廉姫を他国へ嫁がせない決心をします。これは再び廉姫の秘めた願いに応えた、ということじゃないだろうか。同時に高虎との合戦の引き金になったという意味で、それはそれは重大な転機にしんのすけは関わっています。彼がいなかったら、このストーリーは無いですよ。確かに、重みという意味では又兵衛と廉姫の悲恋に負けていたけどね…。「おい、青空侍」には私の涙腺も少し緩みました。クレヨンしんちゃんで、そんなことになろうとは! 鑑賞中、自分は宮部みゆきの「蒲生邸事件」を思い出しました。過去へタイムスリップした人物が、歴史を変えるのではなく、歴史に関わって成長する類似性。たぶん生まれて初めて近しい人を亡くす経験をしたしんのすけが、何を感じたのかにもう少しフォーカスできると良かったかな。でも、それは大人目線の話であって、あの又兵衛の生き様を観た子供たちは充分に何かを感じたことでしょう。 【アンドレ・タカシ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2010-01-05 02:47:33) (良:2票) |
《改行表示》 6.《ネタバレ》 当時、映画館で観た。典型的な「人の死で感動させる」映画という感じがして、あまり感動しなかったのだが、久々に観返してみると、「死」を感動させる道具として描くのではなくて、「死」というものを純粋に、鮮烈にただ見せつけている、と感じた。その点でその他のお涙頂戴映画とは一線を画している。 そして、ラストシーンは…。あれは泣く。絶対泣く。おまたのおじさんは死んでも時間の枠を超えて皆の記憶の中で生き続ける。「死」とは一番大事な人を奪ってしまいかねない無慈悲で圧倒的なものだが、「死」にも奪えないものがある。 【bolody】さん [地上波(邦画)] 8点(2010-08-07 00:26:51) (良:1票) |
《改行表示》 5.展開に無駄がなく、笑いもしっかりあり、絵も良い。フルにしっかり楽しませてもらいました。戦争で人がいっぱい死んでるのに血が一滴も出ないってところが、幼児にみせること前提のアニメ映画の制約(限界)を感じさせますが、その制約の中でこれほど大人に支持されるものに仕上がってるのが凄い。 老若男女全世代向けの面白い映画って、一番難しいと思うんですよね。そういう意味では「バック・トゥ・ザ・フューチャー」や「ターミネーター2」などと近いベクトルを向いているのかも。クレヨンしんちゃんとか、ドラえもんとか、キャラクターに捉われないで、このレベルの単発アニメ映画がどんどん出てきてくることを願います。 【すべから】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-08-29 12:45:31) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 あまりにも無理矢理じゃねーか? どうやって戦国時代にタイムスリップしたのかなんてヤボなことはいわないけど、それがなぜいきなり野原家じゃなきゃならないのか全く説明されてないじゃんかー! こんなんで感情移入できるかー! で、本筋! なんだ、これ? 「身分の違う男女の悲恋」? そんなもん、時代劇でさんざっぱら見せられた、もうコケが生えてるようなプロットだろ? あんまり大人をバカにしちゃいかんぞ! ったくよー。 ブツブツ。。。 って、うおっ!? なんだこれ!? 泣いてるじゃん、俺!!! ちくしょぅ。。。 【とっすぃ】さん [ビデオ(邦画)] 8点(2006-05-25 03:01:48) (良:1票) |
3.《ネタバレ》 まさかクレヨンしんちゃんを見て泣くとは思いませんでした。戦国時代を取り扱うのだから軽すぎても良くないし重すぎても楽しくないから難しいんじゃないかなぁと思っていたのですが、杞憂でした。ストーリーはしっかりしているしテンポも良くて、登場人物(特にしんちゃん家族と又兵衛と廉姫)がとても魅力的でした。そしてラストは涙涙・・・子供向けだと思ってたからこんな展開は予想していませんでした。これが気に入ったので他のクレしん映画もいくつか見てみたのですが、意外にどれも面白いですね。でもこれがやはりベスト!名ゼリフはたくさんありますが、中でも一番最後の「おい、青空侍」という廉姫のセリフが一番好きです。ああ、でもしんちゃんの「お前えらいんだろ!?お前のせいでこうなったんだぞ!なのに逃げるのか?!」みたいなセリフも胸に響いたな・・・。 【クリスタル】さん [地上波(字幕)] 8点(2006-04-02 15:34:11) (良:1票) |
2.《ネタバレ》 今ふと思ったのですが「ドラえもん映画版」にしろ、「クレしん映画版」にしろ「TV放送をフリに使える」んですよね。「ジャイアンが映画になると急に優しくなる。これほど心強いことはないぜ!!」みたいな。普段おバカなことしてるしんちゃん一味が本気で登場するんですよねえ。僕が一番「ゾクゾクッ」ときたのはミサエが敵の将軍の攻撃からしんのすけを守ったところです。 【ようすけ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2005-04-12 04:31:22) (良:1票) |
1.クレヨンしんちゃんでここまでやるとは、すごいの一言です。特に姫さまが又兵衛を案じて城を抜け出すシーンがすばらしい!普通ならさらっと流してしまう場面かもしれませんが、ここで魅せるこのセンス!やっとの思いで塀に飛び移る仕草、塀を乗り越える仕草、よろけながらも走る仕草。。。このシーンに思いがぎゅっと凝縮されていて、思わずほろっと来てしまいました。アニメとか、クレヨンしんちゃんとか、関係なく演出がうまい。監督さんの力量だと思います。過去に他人の作品ながら自分の世界を思いっきり出してしまったアニメ監督さんはいるけど、この映画の監督さんほど原作を尊重しつつ良い作品を作った人は見たことありません。客層も考えてあって、あったかい感じです。全てを通じて映画への愛情が感じられました。本当に映画が好きなのでしょう。すごい!! 【おしりはばとび】さん 8点(2004-07-14 00:59:52) (良:1票) |