4.広島長崎の原爆投下から67年が経過しようとしているが、いまだに原爆の傷跡は癒されてはいない。私の子どもの頃(昭和30年代)も原爆症で苦しみ多くの方が亡くなっていった。いつ発病するともわからないまま不安な日々を過ごす人たち、ピカにあって思うように働けない人たち、結婚差別を受ける人たち・・・。映画そうした苦しみの中で生きる人たちの物語で、北村和夫、市原悦子、田中好子らが見事なまでに演じている。特にスーちゃんこと田中好子は近年癌で亡くなったことともダブり非常に痛々しい。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 9点(2012-08-07 17:10:44) (良:1票) |
3.広島、長崎の原爆投下から60年近くも経とうというのに、今もなお被爆の後遺症に苦しんだり、いつ原爆症が出るか不安を抱えながら生活している人々が全国に29万人(被爆者健康手帳保持者の数)もいるという。多量の放射能を浴びるということは本当にオソロシイことで、ちょっとした体調不良でも恐れおののかねばならないと言います。このような苦しみはとうてい被爆者にしか分からないことであろう。俳優達の淡々とした好演も手伝い、平凡な市民の日常というフィルターを通し原爆症の恐ろしさが見る者へ静かに伝わってくる。川又昂の乾いたカメラワーク、武満徹の不安を煽る音楽ともに印象的だが、何よりモノクロ映像というのが良かった。全世界の人々(とくに米国)へ原爆の恐ろしさを訴え続けるためにも、永遠に残すべき映画作品です。 【光りやまねこ】さん 9点(2004-08-09 21:38:54) |
2.「何故、戦争はいけないと思う?」その答えが、実にシンプルに描かれている。アチコチから理屈を引っ張って来て、朝から晩まで議論する必要なんて無い。そう思わされる。 【ぽろぽろ】さん 9点(2003-08-07 11:06:56) |
1. ビデオ表紙の「死ぬために生きているのではありません」というコピーに引かれて借りた。 原爆投下後の広島のシーンが、凄まじい。白黒なのでホラー映画のようなグロさから一線を画し、冷静に悲劇と向き合える。 原爆症で、登場人物が一人ずつ、静かに死んでいく描写が、個人の小さな幸せを笑って国家の大義を通すことへの監督の問いかけを感じさせた。 「正義の戦争より、不正義の平和のほうがマシ」という台詞が、今でも私の中で引きずっている。 【たまお2】さん 9点(2003-05-15 00:20:04) (良:1票) |