5.表の物語と裏の物語があるように思いました。表の物語//縦割り官僚機構の機能不全、山荘突入スペクタクル、佐々氏の英雄譚・・・裏の物語//佐々氏のこずるさ。、、「ジョニ黒」の象徴的な意味が過去のものとなった今日では、この裏の物語は見えにくいかもしれません。、、、、(ジョニ黒→1960,70年代の高級品の象徴。バス50円、タクシー100円という時代に1本1万円のスコッチ)、、で、佐々さんは、最初、海外のコンサートのチケットを整理していたりしますよね。、、70年代といえば、外為法も健在で、簡単には海外には行けない時代です。佐々さんは高級官僚の職権で、税金で海外出張して、潤沢な海外出張手当で、出かけた先じゃぁ、クラシックのコンサートとか出かけて楽しんでいるんです。、、それに佐々さんは、ジョニ黒、何本持っているんでしょうねぇ。宿舎で新たに開けて、内田隊長にあげて、その上、まだ奥さんは荷造りの中にタオルで巻いて2本追加分を入れているじゃないですか。、、つまり出張ついでに、免税の安いジョニ黒を大量に持ち込んで、、、しかも長野まで、意識して、しっかり持ち込んで、人間関係を作るために使っている分けです。せこいというか、如才ないというか、、、。それに松尾スズキが指摘していたように、時計はロレックスですよ。公務員の初任給が5万もあるかないかの時代に、、、。さらに、突入の時、佐々さんだけは指揮官表示はずしてるじゃないですか。死ぬときは指揮官が最初だといっていた内田隊長は指揮官表示を付けて狙われて殉職したというのに、、、。それも、佐々さんは、自分でははずさず、部下にはずさせて、言い逃れの道もちゃんと用意している。、、、つまり、注意してみていると、高級官僚の狡猾さが、実によく描かれているのです。、、、表の話しだけだと、役所広司では、強さ、格好良さが欠けているような印象で、例えば真田、中井、佐藤浩市なんかのほうが適役かもしれません。だけど、裏の話しも、嫌みなくうまく入れながら、全体の調和を保つことを考えると、役所広司が相応しいし、実際、見事だと思いました。・・・・印象に残ったシーン//1.雪の中の松尾スズキ、、、無力な市民を象徴、、、。2. 会議後踊り場での内田隊長(豊原功補)、、、この映画でもしヒーローがいるなら彼でしょう。・・・全体として、細部にまでこだわり、良くできた映画だと思いました。邦画の面白さを再確認!! 【王の七つの森】さん 9点(2004-11-23 13:52:51) (良:2票) |
4.最初は重いアクションと言うイメージで見てみたんですよ。出だしから「あれ?」と言う感じですね。全くと言って良いほど緊迫感がない。役所広司演じる佐々は飄々としっぱなしだし、音楽はなんだかコミカルだし(笑)みんながみんななんかやる気無さそうで。で、傍と気付きました。「ああ、そうだよ。この人たちは仕事で赤軍と闘っているんだ」そう思ったとたん、頭のスイッチが切り替わり非常に興味深く見ることができました。これは戦うヒーローを描く映画じゃない、任務を全うしようとするサラリーマン達の物語なんだと。警察だって公務員というサラリーマンです。そう思うと今まで憎たらしく思えていた長野県警の人達にも愛着が出てきました。それぞれが自分の仕事をやりたいと思えば衝突が起こるのは至極当然の事。仕事の中にはミスもある。混乱もある。(このミスが文字通り命取りになる事も…)だもんだから最後逮捕の瞬間というのは、大きな仕事がとりあえず一つ終わったということなんですね。私が好きな場面はラストシーンです。一日休んで、彼らはまた次の「仕事」を続けていくわけです。この映画はすばらしい。戦う男達、ではなく働く男達の映画として満点です。 【ピザ萬】さん 10点(2002-11-16 22:37:07) (良:2票) |
3.現場の混乱が生々しく伝わってきて、「そうそう、あるある、こういうの」とか「いるいる、こういう人」というように感情移入して見ることができました。視点を警察側に絞って犯人側の様子が全くわからないところも、リアルタイムで現場にいるかのような感覚を味わえてよかったです。 【ジントニック】さん [DVD(邦画)] 8点(2006-05-05 22:11:04) (良:1票) |
2.映画見てから原作を読んでみました。一言で言うと長野県警の方に非常に失礼!!本作はどうも主人公達警視庁コンバットチームを立てる所から始まっているらしく、カリスマ警視庁対無能長野県警という構図になっているようだ。確かに実際佐々さん達の活躍はすばらしく、警視庁が長野県警を引っ張っていたようだが、長野県警は映画で描かれているほど無能では無かった。原作を読んで頂ければ分かるが、まず実際の県警本部長は直接指揮をしたり積極的に口を挟んだりしなかったようだが、本部長としての責任は十二分にある方で大事な場面では本部長としての役目をしっかりこなされていた。しかしあの作中の本部長は一体?とーっても優柔不断で全て人任せ、挙句の果てにはキャラメル配るおじさんにもなめられる始末。そして軽井沢署の署長さん達も同じく、実際は真面目な方々で、最終確認での佐々さんからの質問にもしっかりと答えて いた(電線は切ってなかったが)。映画化するにあたって原作通り作ってしまうと、どうしても「こんなことがありました」って感じに記録映画みたいになってしまう。そこで敵に無能長野県警を加えてイベントをもう一つ増やすカタチで映画として鑑賞に耐えられるようにしたのだろう。しかしそれはただの失礼に変わりない。子供が大勢で一人をいじめて楽しんでいるのと同じだ。こんな方法で楽しませられても私は気分が良くない。 |
1.近年の同じ歴史的大事件映画の「KT」と比べると、もちろんフィクショナルな部分が無い上に、「事件」の全容というのではなく、その時の警察内部の様子を描くだけなので、はっきり言って映画としては退屈な仕上がりになってるし、「事件」を学ぶ材料にさえ成り得ていないと思う。確かにこのテーマを描くのにあさま山荘事件である必要性は全く感じられない。それに【サイレント・コア】さんが真っ先に指摘されている様に、かなり「踊る大捜査線」に影響を受けてる感じ。ただ、しっかりと作り込んだ仕上がりには好感が持てます、5点献上。 【sayzin】さん 5点(2003-12-29 21:54:06) (良:1票) |