4.《ネタバレ》 シリーズ全作を通して、寅さんには何度か結婚のチャンスがあった。本作はその代表でしょう。(後は第32作口笛を吹く寅次郎も大いなるチャンスでした)寅がフラれないという異色の作品ですが、私のお気に入りの作品の一つでもあります。八千草薫演じる千代となら寅さん、うまくいったんじゃないかなあと思うだけに少し残念ですが、もしあそこで寅が結婚を決意していればシリーズが終了していたかもしれず、後の名作も無かったかもしれないので寅さんには申し訳ないけれど良しとしましょう。この作品で一番笑ったのは旅先の旅館の隣の部屋で舎弟の登が寅さんのモノマネをしていて、それを聞いた寅のリアクションの場面です。初期の限られた作品にしか登場しませんが、この登という男、好きなんですよね。そして、この作品もそうですが、最後にとらやに手紙が届く作品が多いですよね。おなじみ、寅さんの決して上手いとはいえない字で書いた年賀状。マドンナからの手紙の時もあります。メール全盛の今、年賀状もパソコンで印刷の今に見ると心のこもった手紙はとても温かく、懐かしく、こんな何気ない一つ一つの懐かしさも時代は変わっても寅さんが愛され続ける理由の一つではないでしょうか。 【とらや】さん [地上波(邦画)] 7点(2008-11-28 00:15:32) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 お千代と助教授の初対面以降、寅さんは瞬時にシフトチェンジして仲介役(引っかき回し役?)を務めるようになる。なるほど、中期以降に出てくるキューピッド系の話の源流はここにあったのか、と思いつつ、ラストはもちろんこの2人がくっついてハッピーエンドなんだろうな、と予想する。ところがまさかの逆プロポーズという剛速球が飛び出して、ここでのドラマの重さは、それまでの割とマイルドだった雰囲気との落差が大きすぎなのです。追い打ちでラストのとらやの談笑場面、もうここでのお千代の静かなるアクション(そして1人だけ笑っていないさくら)の突き抜け度は圧倒的です。そんなわけで、終盤入口までとその後の10分では、まるで別の作品のようでした。●マドンナ関係以外では、せっかく正反対の寅と助教授を掛け合わせていながら、そこにギャップや変化の表現があまりないのが惜しい。それと、とらや場面も、笑いが少ない(おいちゃんの電話場面は例外ですが)割には気まずく沈黙するシーンが多く、ちょっと暗い感じ。●このシリーズではサブゲストにもこだわりがあることが多々ありますが、前半部分、わずか数分間の登場の田中絹代のインパクトも強力。ところで、この奥様の役は、別にビッグネームを当てなくても成り立ちます。そこにあえて絹代さんを持ってきたというのは、絹代さんこそが山田監督自身のマドンナだった、のかもしれません。 【Olias】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2020-06-13 00:32:17) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 今回は、いつもの寅さんの役回り的な東大の先生がいるが、これに対する寅さん、ワリと意地が悪くて笑う。 80年代の中頃からだろうか?寅さんが、他人に説教をしたり世話を焼いたりするのを批判する向きがあって、私も寅さんとしてそれはどうかと思っていたが、こんなに早くからそういうパターンがあったとは。 今回ここまでのたった9作を見てきただけだが、それでも寅さんの代理プロポーズへのまさかの返球に、思わず涙してしまった。ずいぶんと寅さんに心寄せている自分に驚く。 それにしても、本作に限らないが、サブタイトルの意味がわからない。 【Tolbie】さん [DVD(邦画)] 7点(2014-05-14 20:22:54) (良:1票) |
1.ナントモまとまりのない作品なんですけども、その分、ドタバタの効いたファースな作品になっております。セリフが冗長でクドイと思えてしまう部分もあるものの、ギャグも充実してて、一長一短。個人的には、冒頭の渋柿のくだりでバカ笑いしちゃったもんで、この時点で笑いの導火線に火がついちゃった、ははは。途中、旅先のシーンでヴィヴァルディの『四季』をかなり長々と引用して、ちょっと真面目な雰囲気も出すけど(なんだか『四季』がまるでイイ曲みたいに聴こえてしまったぞ)、あとは、寅さんの恋と、ナゾの東大助教授とが、噛み合うようで噛み合わず、支離滅裂なストーリーのまま強引に終わっちゃうスゴイ展開、暴走気味の作品でした。どうでもいいけど大学でのロケ、ありゃ東大じゃあないよな。もしやニセ助教授だったのか? (ところで、最後にせっかくイイ感じになったのに引いてしまっていまくいかない寅さん、ウチの妻が観てて業を煮やし、「こんなの男じゃない!」と。「じゃああの助教授の方は?」「あれは人間じゃない!」・・・だそうです) 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-04-15 19:40:08) (笑:1票) |