《改行表示》 9.心情の表現技法や能を使う演出が面白い。 しかし思い返すと三船敏郎の馬を乗り回したり刀を振り回したり、声を荒らげる姿が最初に出てくる。 物語としては現代人には刺激が足りないのかもしれない。 【さわき】さん [CS・衛星(字幕なし「原語」)] 6点(2025-02-01 17:55:28) |
《改行表示》 8.今年(2024年)は、日本の時代劇文化にとっては分岐点となり得る一年だった。 何と言っても最大のトピックスは、アメリカで真田広之が手掛けたドラマシリーズ「SHOGUN 将軍」が、エミー賞受賞をはじめ世界を席巻したことだろう。勿論、「SHOGUN 将軍」自体は日本産の時代劇ではないけれど、“時代劇”を経て俳優として大成した真田広之が、多大な熱量とこだわりをもって創り上げた作品が、国境も時代も越えて、人々の心を掴んだことは、やはり“時代劇”としての快挙だと思う。 一方日本国内でも、「十一人の賊軍」や、未見だけれど「侍タイムスリッパー」など意欲的な時代劇作品が制作され、評価を得ていることは、長年新旧の“時代劇”を好んで鑑賞してきた一映画ファンとしても嬉しい。 そんな折、秋深まる深夜、古い時代劇を観ようと、黒澤明監督の「蜘蛛巣城」に行き着く。 ウィリアム・シェイクスピアの「マクベス」を、日本の時代劇に置き換えた本作は、まさにシェイクスピアの舞台劇そのものだった。(まあ、シェイクスピアの舞台なんて観たコトはないけど) 自然風景の描写の中を舞台劇のように幾度も行き交う演出や、三船敏郎をはじめとする俳優たちの意図的なオーバーアクトがとても印象的だった。独特のテンションやリズムは、強烈な違和感として観る者を引き付け、物語の主人公同様に異世界への引き込まれたような感覚に陥った。 三船敏郎演じる鷲津と、その妻・浅茅を演じる山田五十鈴が、掛け合うシーンは特に舞台劇のようであり、「能」の表現を取り入れた演出も融合し、異様な空気感を醸し出していた。 なかでも、山田五十鈴の風貌と演技が「奇怪」そのものであり、彼女の強硬な野心を秘めた助言と誘導が、主人公を破滅へと導く展開がとても不気味だった。 黒澤明監督らしい、自然のロケーションを最大限に用いて映し出される映像世界は、モノクロの古い映像でもありながらもその優雅さと豪華さを存分に感じさせる。 白眉だったのは、三船敏郎演じる主人公らが山林を馬で駆け巡るシーン。雨、風、霧といった自然的要素を画面の中に躊躇なく盛り込み、人物の心理を巧みに表現すると共に、当時の撮影技術の高さと俳優たちの力量を如実に感じさせてくれる。 ただし、その一方で、場面展開が鈍重で、深夜帯の鑑賞時間において瞼が重くなってしまったことも否定できない。 黒澤明らしい唯我独尊的な自然描写や独特な空気感が、ストーリー展開の停滞として感じてしまったのだろう。自分自身、もう少し体調も含めて鑑賞環境を整えて鑑賞すべきだったなと反省している。 とはいえ、“時代劇”の復権の兆しは嬉しい限りだ。今の時代に日本国内のみで、黒澤作品レベルの潤沢な製作環境を得ることは難しいだろう。しかい、逆に今の時代だからこそ、真田広之が成し遂げたように、海外資本を上手く利用して理想を実現するプロセスがあることも事実だと思う。 熱量に溢れた“時代劇”が再び量産されることを望まずにはいられない。 【鉄腕麗人】さん [インターネット(邦画)] 6点(2024-11-25 21:51:47) (良:1票) |
7.この作品のために作られた城のオープンセットをはじめとして、多くの馬や役者などからは、時間や手間、お金をかけているのが伝わってくる。こういった点は、黒澤作品ならではのゴージャス感として高く評価している。また、ラストでの、矢で串刺しになる主人公、鷲津武時の死にざまは、壮絶で美しく、そして迫力満点で、強く印象に残るものだ。しかし、その他の面においては、多くの不満が残る作品だったのも事実だ。まず、ストーリーに関して、理解はできるのだが、物の怪の妖婆の登場で見方が分からなくなってしまった。おとぎ話として観ればいいのか、実際にあったことのようにリアルな視点で見ればいいのか、それが僕の中で定まらないまま、作品が終わってしまった。つぎに、映像面に関しては、重厚ではあるのだが、シーンによってはバッサリ切れるだろうと思われるカットがあったり、明らかに間延びしているカットがあったりして、映像の流れと気持ちがシンクロ出来ず、気分が高揚しなかった。この原因としては、ゴージャスに作りすぎたために、編集段階で切り詰めることができなかったのかな、と勝手に想像している。それから、能などの伝統芸能を演出に取り入れていることに関しても、それが映像作品としての完成度を上げているかと考えると、疑問が残る。上記の、不要と思われるシーンやカットと同様に、その演出が、作品と僕の心のシンクロを阻んでしまったからだ。もっとも、これに関しては、伝統芸能に対する僕の素養が足りないのかもしれないし、この作品の公開当時と現在とでは、いわゆる一般大衆の、伝統芸能に対する経験値が違うのかもしれない。あと、人物描写で言えば、主人公の妻の浅茅には、最後まで強いままでいて欲しかった。主人公に主君の殺害を吹き込む前半と、殺害時に付着した手の血の幻を洗い流そうとする後半で、その描写が、明らかに齟齬をきたしてしまっている。最後に、音響面に関して述べてみたい。作品鑑賞の前にこのページを読んだところ、セリフが聞こえにくいとあったので、最初から字幕をつけて観ることにした。字幕によって、画面全体は観にくくなったが、ストーリーが追いやすくなったのは良かったと思う。それにしても、一番聞き取りにくかったのが三船敏郎の声というのは、意外と言えば意外だったかな。 【はあ】さん [ブルーレイ(字幕)] 6点(2016-05-05 00:55:31) |
《改行表示》 6.内容は黒澤ならではの脚色はあるものの、基本原作「マクベス」とほぼ同じ。 映像の迫力、不穏な音楽が醸し出す不気味な雰囲気は良かったが、ラストシーンまで読めてしまう展開のさせ方が少し残念。もう少し驚きが欲しかった。 三船の壮絶な演技はまさに「マクベス」そのもの。素晴らしい。 山田五十鈴の演技も素晴らしいですね。 同じシェイクスピアを題材にした黒澤映画なら個人的には「乱」の方が断然好みです。 【おーる】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-03-19 05:08:54) |
《改行表示》 5.うーん、、期待していたほどじゃなかった。 そもそも、黒澤明と相性が悪い私は、黒澤作品に期待をしても無駄なのか、とさえ思った。 【にじばぶ】さん [CS・衛星(邦画)] 6点(2008-09-15 19:37:03) |
4.欲望に勝てない。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 6点(2008-03-12 23:45:38) |
3.せりふが聞き取りにくいので字幕を入れてみると、せりふを言う前に字幕を読み終わってしまい、それでも面白みが減ってしまうような気がした。ラストに近くなってきたところでは映像にひきつけられたがそこまで集中し続けるのは少しつらかった。 【HK】さん [DVD(字幕)] 6点(2005-06-12 09:41:07) |
2.リメイク作品ですし、オリジナリティという点では光るモノは感じられません。シークエンスの数の割にはテンポもかなり緩慢です。公平に見てこれぐらいの点数が妥当かと。 【K】さん 6点(2004-05-22 17:16:58) |
1.マクベスをよくここまで消化したよなあ。中学のとき(黒澤の連続リバイバルの時期がありました)、すごく面白かったんだけど、この間TVで観たら、最後までお付き合いできなかった。ううむ・・。黒澤映画の舞台劇っぽい演技(天国と地獄なんかでもそうだけど)わざとらしく、最近は感じてしまう。評でも何でもなく正直な感想。 【ちょうじ】さん 6点(2002-09-29 10:51:50) |