4.観終わった瞬間の充実感、格別のものがあります。映画冒頭、暗い家の中から女性が扉を開けると、そこは広大なる荒野、観るものをいきなり別世界へといざないます。すると向こうから馬に乗ってやってくる人影、それこそが、久しぶりに現れたジョン・ウェインなのでありました。で、話は飛んで映画の最後、残念ながら冒頭シーンとは別の家なのですが、今度は人々が家の中に入って来て、カメラも屋内に下がり、ジョン・ウェインだけを外に残して扉が閉められ、THE END。↓おっさん様もご指摘の通り、誠にシビれる大団円であります。さてこの映画、先住民に身内を殺され、誘拐された男達の壮絶なる追跡劇でもあり復讐劇でもあるのですが、陰惨な雰囲気に堕していないのは、絶妙のユーモア感覚のお陰でしょう。今で言うところの、ロード・ムービーみたいな味わいすらあります。途中、エピソードと手紙朗読を交差させる等、演出の面白さにも事欠きません。そして戦闘シーンのダイナミックなこと!俯瞰の構図による立体感、カメラが全速力の馬に併走する躍動感。まさに満腹感を味わえる一本だと思います。 【鱗歌】さん 10点(2004-02-01 16:29:10) (良:4票) |
3.映画では表現するのが難しい距離と時間を見事に体感できる映画です。「もういいよ。諦めようよ」と見ている方に思わせるこの説得力!西部の広大さを常に意識させる、人間なんてちっぽけであると思わせる素晴らしい構図。厳しさとその中でも決して失われる事のないユーモア。否応なく気持ちを高揚させる馬上でのスピードとアクション。そして皆々様が既にご指摘の通り、人々があるべき場所に収まっても、一人帰る所のないさすらい人、ジョン・ウェイン。いやもう最高です。私ごときが今更言うことではないかもしれないけど、ジョン・フォードは映画のなんたるかを熟知している人です。 【黒猫クロマティ】さん [CS・衛星(字幕)] 10点(2005-09-14 22:54:06) (良:1票) |
2.鱗歌さんもご指摘しておられるオープニングとエンディングが印象的。真っ暗な部屋の中から切り取ったようなドア枠から映し出される画はまるで映画の中の映画。美しい情景が映され、ジョン・ウェインが馬に乗り颯爽と登場。さぁ始まり始まり~。そしてエンディングもこの逆で、映画の終わりを告げてくれる。憎しみと殺戮の世界が虚構性を強調され、後味の悪い余韻を引きづらせない。映画が大衆娯楽であるための心遣いである。それでも、ハッピーエンディングの中で一人寂しいジョン・ウェインの後姿に、別の余韻を感じずにはいられない。 【R&A】さん [DVD(字幕)] 7点(2005-07-01 15:42:50) (良:1票) |
1.西部劇の最高傑作と名高い作品。確かに一部で言われている差別的感情が存在している作品だと捉えることはできるのですが、客観的に観れば凄い映画だと思います。技巧的には優れていて「これぞ男の西部劇だ!」と言わんばかりのシーンの連続に息を呑むこと間違いなし。デビュー直後のN・ウッドも印象的でノリにノッていると感じさせます。J・フォード流の乾いたユーモアもあり、それが上手に溶け込んでいることも演出の妙か。歴史に残る名作でしょう。 【チャーリー】さん 10点(2002-07-16 08:52:40) (良:1票) |