10.《ネタバレ》 あっさりした映画でした。 何年かしたら、内容をスッキリ忘れているような。
キャストが豪華なのですが、それもそのはず、キャストでもっている映画。 というより、アル・パチーノでもっただけ。 そう、悪を憎み犯罪を憎んだあまり、違法行為までしてしまった老刑事、という役はパチーノにピッタリ。 故意か過失か、同僚刑事を射殺してしまった衝撃、良心の苦しみ、罪の呵責、憎むべき犯罪者に自分がなってしまった悔恨、すべてが押し寄せて不眠症に陥り、苦しみにがんじがらめになった上、かつての自分の捜査法で追い詰められていく人間。そういった全てを、パチーノは演じきってくれては、いる。いるのだが…。
ロビン・ウィリアムズが、もう少し殺人者の凄みを見せてくれれば、よかったのか? 初めて姿を現した時から、事情聴衆をされている時、女刑事を殺そうとしてパチーノと格闘するラストまで、ずーっと変わらぬロビンさん。 一本調子というのか、殺人者の顔も表の作家の顔も同じ演技なのが、非常に残念。
何故こんなにアッサリしてしまったのか、ストーリーもそれなりなのに、監督がいまいち上手く料理できなかったのか?役者の力量によりかかって、セオリー通りのやり方をしてしまったのが敗因か。
ラストは、老刑事役をパチーノが演じた以上、ああならざるを得ない。 オリジナルは未見ですが、ロスに無事に帰っちゃうらしいですね。ロスでもずーっと不眠症ならOKですが、スヤスヤ寝てたらあまりよろしくないラストだと思うんで、こっちの結末の方がよかったのかもしれない。
あまり触れられてませんが、ヒラリー・スワンクもよかったです。真実を突き止めようと奮闘する刑事役は、戦う目を持つ彼女にはピッタリでした。
パチーノの得意分野で、久々に真骨頂を見せていただきました。そこは、非常に満足です。 【りりらっち】さん [DVD(吹替)] 5点(2012-11-03 01:54:43) (良:1票) |
9.《ネタバレ》 「フォロウィング」「メメント」のあのクリストファー・ノーランが監督ということで期待値が大きすぎたのかもしれませんが、思いのほか評価が低いのにびっくりです。この映画を「メメント」を引きずって観ないでほしい。本当に素晴らしい映画だと思う。アル・パチーノの熱演、ウィリアムズの抑制された演技、ヒラリー・スワンクのみずみずしさ。映像の冷たい美しさ。そしてエンディングの素晴らしさ。「道をあやまるな」というドーマーの言葉に再び銃弾をしまいこむエリー。そのまま映像はフェイドアウトしてしまうけれども、彼女がそのあとどんな決断をしたのだろうかと思いをめぐらしてしまう。「俺達は似たもの同士」というフィンチの認識がまるで違っていることを私たちは思い知らされる。ただのサスペンス映画ではないと思います。 【はちかつぎひめ】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2008-01-26 18:52:40) (良:1票) |
8.《ネタバレ》 アラスカの白夜と良心の呵責、心の葛藤により不眠症におちいる様がよく描かれていると思います。証拠捏造がバレたら犯人が釈放されてしまう。→だからハップに証言されるわけにはいかない。→ハップを射殺してしまったのは誤射であったのか、故意であったのかわからなくなってしまう。という図式もなかなかだと思います。ドーマーはフィンチに罪をなすりつけましたが、一つ嘘をつけばそれを隠すための次の嘘が必要になってしまって、どんどん泥沼にはまっていくのです。 ロビン・ウィリアムスの悪役ぶりも良かったですが、やはり何と言ってもアル・パチーノ!とにかく存在感が圧倒的です。ということで少しオマケして。 【ミスター・グレイ】さん [DVD(字幕)] 8点(2005-11-05 00:07:35) (良:1票) |
7.犯人とわかっているけど、証拠がなくて有罪にできないのであれば、証拠を作ってでも有罪にすべきか否か。刑法上の難しい問題です。優等生の意見は、偽造はあくまでも悪。熱血刑事の意見は、目的は手段を正当化する。アル・パチーノが眠くても眠れない辛さ、正義が報われない悲しさをうまく演じております。個人的には、憎むべき犯人を、何としてでも有罪にするのが正義では、と思います。ヒラリー・スワンクの清清しさもあり7点。 【パセリセージ】さん 7点(2004-07-18 23:32:19) (良:1票) |
6.秘密を共有する犯罪者と刑事。奥の深さ考えたらキャスト逆にしてほしかったな。 【モチキチ】さん 5点(2004-03-18 17:32:15) (良:1票) |
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5.作品で「目的は手段を正当化する」という台詞があるが、自分の気持ちを正当化するのは中々難しい。主人公は正義(目的)の為の嘘(手段)なら正当化できる(しようとする)が、保身(目的)の為の嘘(手段)により、真犯人を逃がすという正義(目的)に反する結果を招く事は自己を正当化できずに苦悩する。結局は「目的」ってのは生き方・信念であり、「手段」というのは日々の意思決定だと思う。ただし人は誠実でありたいという気持ち(目的)もあり、その実現の為の嘘(手段)は永遠に正当化されない。(誠実であるために嘘をつくのは不可能だから。)よって正義の為の嘘(証拠捏造)もいつまでも頭から離れない。そういう目的と手段が複雑に絡み合い、自己同一性の維持に苦悩し不眠になる刑事をアルパチーノは好演していたと思う。 |
4.・・・インソムニア?私は気持ちよく寝させていただきましたけど・・・。 【桃子】さん 4点(2003-12-25 16:07:44) (笑:1票) |
3.《ネタバレ》 作家役のロビン・ウイリアムスにはがっかり。冷酷、卑劣、残忍どれも全く感じられない。そんな犯人とアル・パチーノ演じる刑事が共謀したり、対決して共に死んでしまっても、小物同士の共倒れに見え二人とも何の迫力も感じられなかった。ラストの「道を見失うな」は俺のようになるなと言いたかったのか、それもうそ臭くて嫌。あとから見たオリジナル版も犯人役がショボいが、全体ではリメイク版よりずっと良かった。本当に眠たそうなアル・パチーノに3点。 |
2.一種の勧善懲悪ものですか。因果応報ということばが象徴すると思います。悪を摘発することは好いとしても、証拠のねつ造は許されるものではないということをテーマのひとつにしているのでしょうか。老刑事がその人生のすべてを賭けるにしては、犯罪者としてのロビン・ウィリアムズが物足りなさを感じさせます。あれでは単なる性犯罪者であり、最後には意味もなく凶暴になってしまいます。その変貌する過程が不鮮明のため、最後まで彼の犯罪者としての凶悪化を納得することができませんでした。アル・パチーノ演ずる刑事にしても、彼の意図する目的・方向性というものがハッキリとはつかめず、最後まで何をしようとしているのかが曖昧でした。ラストで女性警官に「道を見失うな」と告げる辺り、急に説教臭くなってしまったなという唐突感を受けました。どうせだったら、ロビン・ウィリアムズの犯人にもっと不気味さや凶暴さを出したら面白かったかもしれません。 【オオカミ】さん 6点(2003-04-10 23:25:53) (良:1票) |
1.下手な小細工をしたばっかりに、精神的に窮地に追い込まれてしまうカリスマ性を備えたベテラン刑事。しかし案外、小心者のようで、不眠症に悩まされるのは何も白夜のせいだけではなさそうだ。事の発端は猟奇的な殺人事件の捜査からだが、ストーリーは意外な展開をみせる。しかし、猟奇的殺人のようでいて、そのオドロオドロしさは少しも感じられないし、頻繁に挿入される意味ありげなフラッシュバックもさほどの効果がなく、プロットとしては案外底が浅い。しかもA・パチーノもR・ウイリアムスも今までと少し毛色の違う役を、普通に演じているに過ぎない。ピンと張りつめた冷ややかな空気の漂うアラスカの(空撮を含めた)大自然を見事に捉えたカメラが秀逸の一作。 【ドラえもん】さん 7点(2002-10-14 23:21:40) (良:1票) |