8.前半から中盤までの流れでこの映画が終わっていたならば、大した印象は残らない作品だったと思う。むしろ不満が残っていたと思う。残念な終わり方であったが、戦争映画は軽い感じで終わらせてはいけないと思っているので納得した。ただし、白黒にした理由がよく分からなかった。ラストのための意図であったらもったいない。日本という国で育っている自分としては、戦争映画は色のある世界で見たい。この点でマイナス2ぐらい。 【チャベス】さん 7点(2002-12-12 07:25:35) |
7.‘中国版マーティン・ローレンス’とでも言えそうな、主人公の人間味溢れる表情が印象的な前半、香川照之(『七人の侍』の三船敏郎さんを思い起こさせるような、鬼気迫る演技でした)はじめ日本軍と村民との距離が縮まったかに思われた中盤、そして唯一のカラーのシーンが深く心に刺さったラストまで、ほんとに印象に残る、強烈な作品でした。 【wood】さん 9点(2002-11-23 22:51:08) |
6.終戦間際、日本の占領下にありながらも平和な中国の村に、正体の分からない鬼が日本兵という鬼を連れてくる。やがて歯車の狂い始める村。遂には主人公の心にも鬼が宿る。軽妙なコメディ映画が一転、凄惨な映画に変貌してしまうのには、身構えてなかったので面食らってしまいました。後半の展開はかなりキツイ。日本から解放された後も戦後処理という不条理が国民を待ち受けている。そして、ゴロンゴロンとカラーに転じる鮮烈なラスト・シーンへ(「フェティッシュ」を思い出しました)。日本の若年層に是非観て貰いたいです、8点献上。 【sayzin】さん 8点(2002-11-23 18:49:24) |
5.正直、「140分」の「モノクロ」ものでしかも「カンヌで高評価」された作品という事で抵抗があったけど、いざ観てみるとほどよいエンタメ系作品で楽しかった。中国人の人間らしいリアクションが笑えたし、後半の皮肉なストーリー展開に舌を巻いた(日本軍人・花屋の心変わりの意図がよくわからなかったけど)ラストのカラーシーンが生々しくて印象的で、日本人にはある意味「戒め」となる作品。新しい発見が多くて見応えがあった。 【びでおや】さん 8点(2002-11-06 23:41:46) |
4.主演の人の演技がすごく迫力があって惹きつけられた。日本と中国ていう構図もあるけどそれ以上に人間としての姿を描いていると思った。村人たちが困惑して人間関係に亀裂が入ったりまた協力し合ったり裏切ったり・・・。花屋たちに対しての態度も花屋の村人に対する態度にも途中変化があって面白かった。そして後半部は非常にドキドキさせられた。殺し合いのシーンではそれまでの人間関係の波乱さが究極化されたイメージだった。それと、開始直後のスピーディな展開も飽きることがなくて良かった。 【kaneko】さん 10点(2002-10-29 00:47:20) |
3.I Like it. 【GO】さん 10点(2002-09-06 17:39:22) |
2.日本兵と中国人通訳のズレが軽妙で面白い。途中、ちょと中だるみしたような感があったけど、戦争、軍隊の哀しみを表現しきった宴会~ラストの凄絶さでチャラですね。映画館でオバチャンが、やっぱりプロバカンダとしてどうのこうのと言っていたが、これをプロバカンダだとして否定してると、人間の度量を疑われるぞ。 【C-14219】さん 8点(2002-08-08 09:37:49) |
1.姿を見せない「私」なる人物から、ある日突然通訳ともども一人の日本軍兵士を捕虜として囲うことになった中国農民たちの戸惑いと困惑。言葉の違いによる珍妙なやりとりなどが面白おかしく描かれていき、やがて心を通わしていくという前半のコミカルなタッチからは想像も出来ないほど、ドラマの後半は一気に緊迫感漂うシリアス・ドラマへと変転していく。ここに終戦間際の両国の対照的な立場の構図が明確に浮き彫りにされていく。日本人も中国人も同じ人間であるにも拘わらず、まさに軍の規律・論理というものに翻弄されていく姿は、実に滑稽で愚かしく、そしてひたすら哀しい。中国側から両国を極めて平等にそして正当に描いた、おそらく初めての作品ではないだろうか。全編白黒スタンダードで貫かれているが、唯一カラーに転ずる幕切れの強烈さは実に効果的で、今年観た作品中、最も衝撃的で価値ある重要な作品として、興味が尽きることはない。 【ドラえもん】さん 10点(2002-07-29 00:17:49) |