5.唯一映画館でリアルタイムで観た寅さん映画。併映は確かドリフのドタバタ喜劇だったはず。親の話だと、自分は当時全盛期のアイドル桜田淳子が観たい観たいと、松竹の映画館の前で散々駄々をこねたマセガキだったらしい。お目当てズン子は、当然の事ながら脇役に毛が生えた程度の扱いであっという間にと~ほぐに帰郷、すぐに暗闇に飽きてしまったガキは映画館の中を縦横無尽に探検ごっこで走り回っていたとの事。どうしようもないクソガキやね・・・。そういう初見の負い目があったので、大好きな寅さん中期シリーズでも、これだけはなかなかレビューする気になれませんでした。んで、これは寅さんの魅力に改めて取り憑かれた後の、二度目の鑑賞時の評価。マドンナが生真面目系列に属する樫山文枝さんゆえか、寅さんのギャグも含め画面がイマイチ弾まないのが惜しまれるんですが、パワフルな寅さんの元気がそんなマイナスを吹き飛ばしてくれてます。むしろ小林桂樹演じるキテレツ大学教授との台詞の応酬のが楽しかったりする。マドンナがとらやの二階に間借りするっていう設定は、過去にもこれ以降にもあったとは思うけど、とらやの人たちとのお茶の間での絡みが自然と多くなるから、それもまた楽しいんですよね。あ~、でもやっぱ威勢が良い頃の寅さんって良いなあ・・・。 寅さんにもう一回逢いてえ~っ!! 【放浪紳士チャーリー】さん [映画館(邦画)] 7点(2008-05-05 10:42:17) (良:3票) |
4.《ネタバレ》 「男はつらいよ」シリーズに関しては、どうやら僕はマドンナよりも寅さんと絡むことになるゲストの一風変わった愛すべき男に惹かれる傾向があるようです。そう、今回は田所先生です。この田所という男が実に魅力的なんです。寅さんが嫌いなはずのインテリであるにも関わらず、この男、寅さんに全く嫌われていない。寅さんに一文無しと間違われた挙句に寅さんの十八番、愛についてのご高説を賜ると寅さんを師と仰ぐ始末。相当なインテリでありながらもこのアンバランスさが可笑しく、寅さんとは全く違う世界の住人でありながら妙に波長が合うこの2人のやりとりがとても楽しいです。そしてラストは師と2人揃って仲良く失恋の旅に出る。お話の方もあの寅さんが動機はともかく、学問に目覚めるという展開がとても楽しく、特に眼鏡騒動が面白かったです。そして忘れてはならない、寅さんがお父さんだと信じてとらやを訪れる桜田淳子がとても可愛くて魅力的でした。そして寅さんが彼女の母、「おゆきさん」の思い出話を語る場面がいい。この名調子、渥美清さんの名人芸ですね。毎年彼女の家に500円を送り続けていた寅さん。やっぱり温かいなあ。話の本筋には直接関係無いですが、とても心温まるエピソードでした。 【とらや】さん [ビデオ(邦画)] 9点(2009-04-09 22:22:03) (良:2票) |
3.御前様の身内で大学の研究者とやらいうヒトが、とらやに下宿する、だと! どっかで聞いた話だ! そうそう、「寅次郎夢枕」だ! そのヒトって確か、米倉斉加年演じる東大の助教授。 でも肝心の米倉氏は、本作では巡査役やってるぞ! どうなってるんだ、こりゃ、米倉二役か?! と思ったら、今回は米倉ヘンテコ助教授ではなく、考古学専門の女性の助手で、これが今回のマドンナでしたとさ。いや~びっくりしたよ、もう。というわけで、次シリーズのパロディを織り込んでいるという、なかなかシュールなギャグでありました。そういえば、女子高生役の桜田ズン子のそばで、米倉巡査が現実世界での彼女のヒット曲(ようこそここへ~クッククック~)を口ずさむシーンなども、これに近いシュール・ギャグ。というわけで、今回の作品は、パラレルワールド感あふれる作品となっていますね、あはは。もう一つ付け加えてきますと、マドンナの勤め先はセリフ中では触れられないけど、彼女が本郷通りから東大正門に入っていくシーンが、しっかりと織り込まれておりまする。前置きが長くなりました。本作、いささかストレート過ぎるかな、という展開で、スッキリアッサリしております。人はなぜ学ぶのか。先生が美人だから? うんそりゃ確かにそういうハナシなら、一生懸命勉強するわな。でも、田所教授を見よ。生活にはな~んの役にも立たん知識を山ほど有している。確かにな~んの役にも立たないようなんだけども、そのおかげで、寅さん程の異色の存在に対しても一歩も引くことなく、丁丁発止と会話を弾ませていく、そのカッコよさ。そうだ、ナゼ学ぶかと言えば、自分の世界が広がるから。とっかかりはそれでいいんじゃないの。学問が幸せに直結するとは勿論限らないんだけど(ってか、学問に打ち込んだ教授と打ち込まなかった寅さんが意外に相似してたりもする)、それでも、田所先生、カッチョよいぞ。こういう存在に、憧れる。 【鱗歌】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2006-05-29 20:40:47) (良:2票) |
2.《ネタバレ》 マドンナの筧礼子「先生」が、眼鏡をかけて考え事をしながら歩いていた…と、米倉斉加年さん扮する巡査が話していたのを、耳をダンボにして聴いていた寅さん。早速、眼鏡屋から自前の眼鏡を買って登場。そこの主人を初め、周囲の人は茫然自失の怪訝な顔。先述の巡査も、すれ違い様にそれが目に入って、思わず自転車からずっこける。直後、場面は帝釈天へ。結び付けられていたお御籤をいじっている源公の前で、インテリぶって眼鏡をずり上げる寅さん。声を殺して笑い続ける源公の側から、御前様が登場。「考え事をしていました」という寅さんに、「いったいぃ、ナニを考えておったのかニ?」「はい、己について考えておりました」「己について…お前が…!」こうして、久しぶりに御前様からお茶に誘われた寅さん、「昔、中国にぃ…達磨ジェン師という偉い坊さんが…」という講釈を垂れる御前様の後に付いて行くか、と思いきや、まだ声もなく笑いのツボにはまっている源公の所へ小走りで戻り、「…達磨ジェン師!」と、御前様の口調を真似た掛け声と共に、源公を一撃で蹴り倒す。御前様の笠智衆さんの、あの独特の台詞回し。そして、渥美清さんと佐藤蛾次郎さんのコンビが先述のシーンで見せる、タイミングと動きの抜群の巧さ。全体の一部のシーンですが、これ自体が完成したコントのように思われる、秀逸なものだと思います。 |
《改行表示》 1.《ネタバレ》 【恩を忘れず毎年手紙と500円 娘はすでに17 見方によっては桜田淳子篇。でも今回のマドンナはあくまで樫山文枝さん。】 時折、筋の通ってないわがままや、見逃すことの出来ない口の悪さに残念な思いを残す寅次郎さんですが、今回に限って彼はすごくまともだ。大それた失言らしきものが今回一個もなかったように思えます。逆に過去の恩を忘れず今現在に至っていたという話には胸を打たれることになってしまう。ただし、歳が歳なくせして詰襟の学ラン姿で街をうろつくことや 財布に金入ってないくせして眼鏡なんか速攻で買ってしまうことがまともなんかといわれりゃ それは前言撤回しなけりゃならんところでしょうけど。 流れとしては、いたって普通の普通で、かなり無難に作られた回であったと思います。しかし、普通だとか無難だとかいえ、やはり賞味期限切れ切れの寅次郎やナマズヒゲの源公さんに学ランなんぞ着せさせて登場させてしまったところはとてもまともだとは言えないことですが、 まあ、ようこそここへクッククック♪に免じて許してさしあげて賜う。そんな轟巡査、また同じ制服姿で見てみたいところです。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2014-02-05 18:36:45) (笑:1票) |