33.宇野重吉といえば劇団民藝の顔であり代表。おいちゃんこと下條正巳もおばちゃん三崎千恵子も劇団民藝出身。この二人にとっては、自分たちの恩師というか演劇的に言えば原点の人との共演になった。ほんの数分の出演だが圧倒的存在感を示した大滝秀治、佐野浅夫も劇団民藝の俳優である。ちなみに博こと前田吟は俳優座出身。民藝、俳優座と言えばもう一つはの雄は文学座だが、その文学座の看板女優である太地喜和子をマドンナに迎え、新劇三代巨頭に演技バトルを競わせたのがこの作品である。そう考えるとこの作品がとらやの茶の間のシーンから以上にテンションが高い理由も分かってくる。劇団出身ではないタコ社長にまでそのテンションが伝染していくし。山田洋次は俳優の魅力を最大限に生かし、それを映画に反映させるというのが得意の手法だが、主役から端役まであまねく網羅させ成功したのがこの作品である。しかも、山田洋次はこの俳優陣を使い、大笑いさせたり、しんみりさせたり映画の中で振り幅を大きく変えてくるので、見ている方は映画に翻弄させられるしかない。男はつらいよシリーズの最高傑作は寅次郎相合い傘 だと思うが、寅次郎夕焼け小焼けはプログラム・ピクチャーの枠を超えた日本映画の最高傑作の一角に入っていい作品ではないかと思う。 【rosebud】さん [映画館(邦画)] 10点(2014-03-30 05:03:01) (良:2票) |
《改行表示》 32.《ネタバレ》 【寅次郎の夢 ジョーズ篇。 まるで竜宮城だったね 龍野篇。今回のマドンナ:太地喜和子さん。】 いもがコロコロ あひゃらひゃら。 おだんご 二百万円です。いや、五百万円です。 おからをバカにしてはイケンよ あなたタツノタツノと結構毛だらけ五月蝿いよ。 そんな今回、いつもと少しパターンが違ってきていましたね いつもの前半戦後半戦という境目なくして ジジイもぼたんも一話通しで出演、ほぼフル稼働。結果、一つのドラマとして綺麗に繋がりましたね そして最後の締めには寅が一度は怒りをぶつけ、どやしつけてしまった相手に対して〝申し訳なかった〟という思いと、〝感謝いたします〟という思いを込めて間髪入れずに〝速攻で侘びと礼〟 遥か東京方面へ向って手を合わせたところで終わるという、この胸のすきよう。なんと心地の良い終わり方なのでしょう。 し、か、し、 さすがにそこはまともには終わらなかったですね 結局、東京はあっちだったこっちだったとあたふたしてるところで引きのカメラでフェイドアウトしていってしまうという 見てるこちら側をほくそ笑ましてくれながらお終いですよとわからせてくれる このセンス。さすがでしたね 素敵です。 でも今回、ひとつ解せなかったことがありまして、 第7作:奮闘篇で花子役だった榊原るみさんが、ほんのちょい役で使われ出ていたことです しかも、なぜだかクレジットさえされていませんでした これはなぜなんでしょうか 花子ファンだった自分としてはとても解せない 再び登場されるんだったら(出すんだったら )ちゃんと花子ちゃんとして出してくれ 仮にも歴代マドンナの称号与えられてたんですよ やい 責任者は一体誰なんだ? ちょっとその責任者を出してくれ。 ってことは、この際、胸にしまってしまおう 抜きにして。。 いやぁ、夕焼け小焼け 良かったです。 またいつしか見たくなってしまう日が訪れること間違いないです。今回繰り返しで二回見たんですが、まだ見れる。ほんと胸のすく思いのハッピーエンドやったです。 【3737】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2014-02-12 21:38:15) (良:2票) |
31.《ネタバレ》 純粋に感動できた映画だった。寅さんが鬼頭のところへ殴りこみに行ったシーン。ボタンが寅さんの気持ちをうれしく思い泣いていた。忘れてはいけないと思うものは、その寅さんの気持ちなんだよね。寅さんすごくカッコいいね。画伯の絵のお金をさくらが画伯の家に帰しに行った場面。お金を返しに行くという発想がはずかしながら自分にはなかった。素晴らしいとおもった。最後のシーンも清々しくて心が温まった。 またシリアスなシーンの後にも必ずオチもあって心が和みました。 【ホットチョコレート】さん [CS・衛星(邦画)] 10点(2014-02-11 08:57:52) (良:2票) |
《改行表示》 30.《ネタバレ》 「男はつらいよ」シリーズ屈指の傑作、という薦めもあり鑑賞。オープニングの『ジョーズ』人気に肖ったであろうゴア描写で掴みはOK(但し別に伏線になっているわけではない)、その後も偏屈な爺さんからマドンナの話にテンポ良く進み、最後には心地よい感動を与えてくれます。 本作は弱者を食物にする明確な社会悪が描かれ、マドンナとの色恋沙汰と言うよりは、卑怯な悪人との対峙に大きなウエイトが置かれており、確かに他作と比べると若干異色作かも知れない。終盤に老画家を通して芸術の本質が語られるのも映画ファンの心を掴んでいる理由の一つでしょう。 しかし結局は何時もの通りの"義理人情"でカタがついてしまい、最大の悪人は結局世にのさばってしまう展開には納得出来なかったです。「世の中そんなもんよ」と言われればそうかも知れんが、折角主人公がある意味社会のはみ出し者、寅さんなのだから、その向こう見ずな性格を活かして悪人を成敗して欲しかったなぁ。 【民朗】さん [DVD(邦画)] 6点(2014-01-08 01:07:14) |
29.《ネタバレ》 ○つなぎ合わせの印象が強いストーリー展開と遅すぎるマドンナの登場が気になる作品だが、ラストがすごかった。むしろせこいわ。マドンナもいい。○タコ社長が外に出るのは貴重か!? 【TOSHI】さん [CS・衛星(邦画)] 7点(2013-12-07 12:54:22) |
28.《ネタバレ》 最近『ジョーズ』を再見したら、夢がジョーズの寅があったな、ということが気になり、調べたらこれだった。逆の流れでなく、夢づたいに思い出させる力があるのが寅シリーズの強さだ。これは「芸術とは何ぞや」を軸に語った一編。のちに『あじさいの恋』でも芸術(陶芸)と金銭の関係に触れるが、これでは酔った宇野重吉がちょろちょろっと描いて7万円の愕然から始まる。名前を有り難がる芸術市場への皮肉のようでもあるが、そこまでは言えないか。ついで龍野の旅になり(この風景の美しいこと)、宇野重吉と同行することで「車先生」になるあたり、やはり「名前で尊重される社会」への皮肉で通じ合っているような。宴会の里芋コロコロ。このシリーズでは食べ物のギャグが不思議と印象に残る。芸者ぼたん。この突き抜けた明るさがいかにもコロッと騙されそうなキャラクターで、また騙されることが美質に感じられるのが大事。後半で騙されたぼたんに一緒に付いていく社長もいい。工場の宴会に来てもらった返礼になっている。名前で有り難がるのではなく、相手の実質の行為に実質で応えようとする。寅はこういう現実社会の悪にはまったく無力で、池内淳子の『寅次郎恋歌』以来いつも傍観せざるを得ない。ただし本作では最後に宇野画伯の牡丹の絵を持ってきてきれいに締める。「金銭に代えられない芸術の価値がある」と言葉にすると愛想がないが、それを軸にして一編の人情話に見事に仕立てている。 【なんのかんの】さん [映画館(邦画)] 8点(2013-11-28 09:14:16) (良:2票) |
27.《ネタバレ》 太地喜和子の魅力をうまく引き出していると思います。宇野重吉の枯れた演技も華を添えています。奮闘篇マドンナの榊原るみがチョイ役で出ていますね。 【la_spagna】さん [DVD(邦画)] 7点(2013-09-27 23:59:05) |
26.柴又慕情あたりからずっと映画館で見続けていた「男はつらいよ」だったが、この映画でとぎれてしまう。理由はただひとつ太地喜和子さんが苦手だったこと。今思えば大不覚だったのだが、DVDで初めて見て、シリーズでもトップクラスの名作だと言われる所以を思い知る。太地喜和子さんも、明るく奔放な面を見せたかと思うと大金をだまし取られた薄幸の女性を演じ、その幅がダイナミックでさすが。そして何と言っても宇野重吉の画伯、その味のある演技は人気が出てきたばかりの息子とは比べようもない。そして送られてきた絵を売って金の工面にあてるのではなく、宝として飾るところが何とも言えない。 【ESPERANZA】さん [DVD(邦画)] 9点(2013-02-04 22:15:53) (良:1票) |
25.寅さん史上最高の呼び声も高いですが、期待し過ぎたせいかこの点で。でも凄くほっこりする良いお話でした。今回はマドンナとの恋ではなく、寅さんの人情話。宇野重吉さん演じる画家さんの昔の恋(?)話も気になりつつ、太地喜和子さん演じる芸者ぼたんの豪快さの裏の弱さにもやられるなぁ。宇野重吉さんと親子共演を果たした寺尾聡さんが全然脇役、っていうかただ出てただけでビックリ。桜井センリさんが何気にツボった。 しかしお金の価値は2012年現在で換算するといくらなのかな。とらやの客が団子と茶で500円払ってたから約倍で考えればいいだろうか。 【movie海馬】さん [地上波(邦画)] 7点(2012-08-05 17:22:23) |
《改行表示》 24.《ネタバレ》 マドンナは太地喜和子。 彼女の可愛らしさが光る。愛しい彼女の金銭トラブルを解決しようと奮闘する寅さん。思いは必死だけど、金のない寅さんにはどうしようもできない。これはつらい。でも最後に押し掛けた画家先生に思いが通じて、なんとかお金が工面できることに。こういう伏線があったのね。人徳は大事。寅さんの男気と優しさに感動した一篇。 【onomichi】さん [DVD(邦画)] 10点(2012-04-28 23:31:32) (良:1票) |
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《改行表示》 23.相変わらず寅さんが面白い。ゲストは宇野重吉と太地喜和子。 宇野重吉の画家役はハマリ役、太地喜和子はややオーバーアクションぎみの演技ながらも、 相変わらず魅力的な人。笑って、ちょっとほっくり、安心して鑑賞できて、 まさにキャラを楽しむ映画でした。 【MAHITO】さん [DVD(邦画)] 5点(2011-09-16 15:26:51) |
《改行表示》 22.《ネタバレ》 ぼたんの金奪ったやつ、悪いやつなやぁ~。 こないだ龍野に行ってきた。いい所だったけどテキ屋のイカ焼きが高くてぬるくてまずかったなぁ~ 【アキラ】さん [DVD(邦画)] 7点(2011-04-20 23:32:43) |
21.私はとくに山田洋次ファンでも、寅さんファンでもないのですが、この映画は本当に素晴らしいと感じました。たまたま手に入った劇場招待券で映画館に足を運んだのですが、鑑賞後ものすごく爽やかな気分になりました。太地喜和子はなんと素敵な役者でしょう。レビューを拝見すると、シリーズ最高傑作に推す方が多く、そんな作品にリアルタイムで巡り会えたのはたいへんにラッキーでした。(追記;2008年6月1日)時を経て、海外で公開されるとのこと、なんだか誇らしく思えてうれしいです。 【ジャッカルの目】さん [映画館(邦画)] 9点(2011-02-11 07:37:44) (良:1票) |
《改行表示》 20.《ネタバレ》 今回の脚本は相当苦労されたのではないでしょうか? ほとんどのギャグが滑ってるし、無駄なシーンが多いです。 それに、観ている側には既に読めてしまうのに、なかなか進まない展開に、もどかしい気分にもなります。 宇野重吉さん演じる日本画家と寅さんのやりとりは面白いのですが、マドンナ役の大地さんの登場が、あまりに遅いのです。大地さんが登場する度に三味線が鳴るのもハッキリ言ってクドイです。 寅さんの「俺と所帯持つか」という台詞は、リリーさんに言った時とは意味合いが違うように思います。プロポーズとは言えないでしょう。 なんだか2つの違うエピソードを最後、下手に計算して繋ぎ合わせたようで、段取りっぽく感じます。 芸術と金の価値に対して日本画家がどういう決断をするのか、どんでん返しのラストシーンだけは「お見事!」と言いたくなりました。 【クロエ】さん [DVD(邦画)] 7点(2009-08-19 04:42:56) |
19.青観先生との絡みが印象深かった分、マドンナであるはずのぼたんさんの存在が薄かった様な感じを受けました。個人的には、これがシリーズで1番の作品とは思えませんでした。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 5点(2009-06-16 17:09:11) |
《改行表示》 18.《ネタバレ》 このシリーズは、たいてい寅次郎が世間の人から馬鹿にされるシーンがあります。そのときは不愉快な気分になります。コメディなのだから、そのようなシーンは不要と思います。 冒頭の夢シーンはそれ以上に不要です。何の伏線にもなってません。監督のセンスを疑います。 寅次郎の熱いハートとずっこけぶりに焦点を絞ってもらいたいものです。 この作品では、青観という有名画家が重要な役割を果たします。が、過去に老婦人とどのようなかかわりがあったのか、今度どうなるのか、など不消化の部分が残ります。画家は、絵は真剣に描くものだ、売っぱらったことはない、などとして寅次郎の依頼を断りますが、実際に絵を売っていますし、子供にも絵を描いてやったりしており、矛盾を感じます。また市役所が依頼した絵の顛末も不明のまま。なんかもやもやしますね。お金持ちなのに、お金を持たずに飲み屋に入ったのはどうして?どうして絵を売ったことがないのに神田古書店のおやじを知っているの? ぼたんの芸者シーンは、いかにも演技で笑っているかんじでなじめませんでしたが、後半のお金を騙し取られて苦悩するシーンからはよい味が出てました。他のマドンナと違い寅次郎と同じ世界の住人に感じられるところが異色です。別世界に咲く高嶺の花ではないわけです。美女すぎないところが、寅次郎と似合っているのでしょう。 寅次郎がぼたんの境遇に同情するシーンが最大の見せ所ですね。意を決して悪党と対決に行くのですが、場所を知らないというオチ。依頼を断った画家を叱るシーンが熱いですね。あれに感動したので画家は絵をぼたんに送ったのだと納得がいきます。最後の感謝のシーンでもオチがありますね。泣いて笑わせる。すばらしいですね。 【よしのぶ】さん [DVD(邦画)] 6点(2009-02-02 06:40:07) |
17.《ネタバレ》 これをシリーズ最高傑作に推す方、多いですね。私もそれに賛成です。本作もシリーズの面白さがこれでもか、というほど一杯詰まっています。おなじみの柴又の人々に加えて宇野重吉演じる青観先生。とらやを宿屋と勘違いするおとぼけぶりが最高です。「まずは茶を貰いたい。梅干を添えてな。」「風呂は沸いとるか?」で日本画壇の最高峰という大物の片鱗を見せつけ、なんとあの優しいおばちゃんを怒らせてしまいます。また、大滝秀治演じる大雅堂の主人もお気に入りです。一枚の絵をめぐる寅さんとの息詰まる心理戦?が面白いなあ。やってることはどちらかと言うとコントの世界で、作品の中では小ネタ的なものですが芸達者なあの二人がやると実に味のある場面になります。作品に花を添えるマドンナは大人しいタイプが多いですが、本作のぼたんの元気一杯の明るさは際立って印象に残ります。(寅がマドンナの誰かと結婚するとすれば私はぼたんか、第10作「夢枕」の千代のどちらかを薦めたい)ラストの「お前と所帯持つために来たんだよ」とぼたんを訪ねるラストは異色ですが、青観の絵のエピソードを絡めて何ともすがすがしく、いい余韻を残して終わってくれます。迷わず10点を差し上げたいと思います。 【とらや】さん [地上波(邦画)] 10点(2008-11-25 18:48:07) (良:5票) |
16.う~ん切ない。楽しい気持ちで家族と暮らすのは、なかなか難しいですね。 【よしふみ】さん [DVD(邦画)] 8点(2008-10-13 21:37:45) |
《改行表示》 15.《ネタバレ》 恋愛未成就というマンネリは変わらず、でもサラッと流して最後は爽やかに終わる、シリーズ中でもこんなエピソードは他に無いと思います。ただし48作全て観てませんが…。 まだ主役級でない佐野浅夫さんが悪役をうまく演じてます。大滝秀治さんは商売っ気丸出しのいやらしい役ですが、やっぱりうまい。 それと不幸に負けまいと必死に明るく振舞う今回のマドンナ太地さんが、寅さんのキャラクターにピッタリ合っていて好印象です。「もてる女」と呼ばれる理由と、これが名編と言われる所以が分かった気がしました。 宇野重吉さんも男がストーリーに花を添えるという全作(観てませんが)でもあまり無いような、貴重な役でとっても微笑ましく登場します。さすが寺尾さんのお父さんで格好良い!親子競演も楽しいです。 もちろん肝心な寅さんやとらやの人たちも、芋が転がったり派手な言い争いが有ったりで絶好調。 とにかく面白いので未見の方へぜひお勧めします。後味が本当に良いのでまた観たくなりますよ。 【teruhisa】さん [DVD(邦画)] 10点(2008-02-04 22:04:28) (良:1票) |
《改行表示》 14.《ネタバレ》 宇野重吉・太地喜和子・岡田嘉子といった名優たちの演技を堪能できる作品です。特に岡田嘉子は自身の「恋の逃避行」を思わせるような意味深な台詞があったりして面白かったですね。 ただ、ストーリーに金銭の絡むシリアスな詐欺話がからんでいるのが個人的にはちょっとダメですね・・・。やはり、「男はつらいよ」にシビアな金銭や法律の話は合わないですよ。 【TM】さん [DVD(邦画)] 7点(2008-01-31 18:36:28) |