4.《ネタバレ》 まさに破綻へと堕ちて行くストーリー展開の酩酊感は独特。倒錯した妄想の世界でありながら、幻想的で陶酔的。「マルホランドドライブ」の原型的作品。個人的にこう言う不可解な雰囲気は大好き。
ただ、さすがに妻殺害後の展開は主人公の「脳内妄想」としか解釈の仕様が無いものであり、まともな説明はほとんど不可能。しかし、そうなると最早どういう演出や展開も許されてしまう訳で、この辺はきちんとした「伏線構築」や「論理的結末」を放り出している手抜きと背中合わせと評されても仕方ないだろう。はっきり言って、単に意味ありげで思わせぶりな演出をしているだけで、最終的にまとめる必要が無いなら自分にも撮れる。
この意味不明な部分も含めて、リンチ作品としての魅力は満載だが、せめて「マルホランドドライブ」くらいには論理的な考察が楽しめる脚本構成にして欲しかった。
序盤のテンポの遅さもマイナス。明らかに無駄に間延びしているシーンが多いので、その辺を編集すれば、あと三十分は短縮できる内容。この手の作品は疑問を持つ暇も無いくらいのテンポが重要。
PS.以前、「タモリ倶楽部」の空耳アワーでやっていた「混じぇて飲んでぇ」の曲がかかったのが笑えた。 【FSS】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-09-21 19:28:58) (良:2票) |
3.《ネタバレ》 全く持って意味不明な内容の作品でした。
私が不得手とする頭ではなく感性で考える世界というのがあります。
それがキューブリックでありリンチだと思います。
ヒッチコックはまだ次の予告めいたシーンでネタをばらしてゆくのですが、
観客に不親切なのはリンチやキューブリックのような、
監督が自分の演出に酔ってしまっている作風なのです。
わかる人にしかわからないから特定のファンがつく。
でもそれ以外の人はその特定さを味わいたいから仲間に入ろうとする。
要するに敷居が高い作品が多すぎるのです(苦笑)
芸術的に怪しいとかわからないところが気になるからと観るのですが、
これは2回観たいとは正直思わなかったです。
なぜなら全くもってわからないのですが、
最初に考え抜いた結末どおりに終わったのです。
やはりそうだったのかと納得はするものの、
これは頭で考えた今までの映画の記憶から考えたもので、
そんなのあるの?とやはりわからないのが感性で観るという、
私があまり観ていない手法の映画なのですから記憶の推理は合いません。
やはりあの手法は突っ込みどころがありすぎる。
オムニパス映画か?
と思ったくらい前半と後半の主役が変わっているのです。
俳優が変わるなんて違反でしょう(笑)
いや、B・プルマンはどこかで現れるはずだ!
そう信じて観続けましたが・・
ひょっとしたら現れず終わる方がさらに不可解になってたかも。
あまりこのての映画は観ないので比べようがないのですが、
昔に見た「エンジェルハート」をすぐさま思い出しました。
そういやぁ久々に観てみようかな・・
こういうの結末がわかってても後味悪いんですよね。
あと、「ユージュアルサスペクツ」これになると確信犯だから逆に面白い。
ちょっと、B・プルマンとG・バーンがかぶったり(爆)
一番似てるかなと思い出したのが「ファイトクラブ」でした。 【アルメイダ】さん [DVD(字幕)] 5点(2005-11-04 07:53:28) (良:1票) |
2.あいかわらず悪夢を作るのが巧い監督だ。インパクトのある映像だけど、決して高価なセットや凝ったSFXや最新のCGが使われているわけじゃない。小屋を燃やして逆回ししたり、単純に光源を落としただけだったり、モノクロのハンディカメラを使っただけだったり、実にチープ。俺にはセンスがあるから、金をかけなくても面白いものが撮れるぞ、といわんばかりで…。まぁ、それはいつものことだけど、この作品は音楽もまた良かった。ただ、ここまでストーリーがぼやけてしまうとはっきり言って疲れた。わけが分からないで片付けられても仕方ない部分もあると思う。 【ぷりんぐるしゅ】さん 5点(2004-04-27 18:00:19) (良:1票) |
1.ここまでくると、デビッド・リンチの世界観はサスペンス(難解=サスペンスではない)というカテゴリーでは収まらない。どんなに頭をひねっても、筋の通った答えは見いだせない。またそれが、D.リンチの狙いとも思える。理屈がどうのではなく、感覚で楽しむ映画。最後に謎が解決して、すっきり見終わるのがサスペンス映画の醍醐味と考える者としては、映画単体で多くの謎を残す作りは好みではない。 【ゆたKING】さん 5点(2003-02-15 17:57:11) (良:1票) |