映画『コーカサスの虜』のいいねされた口コミ・レビュー

コーカサスの虜

[コーカサスノトリコ]
Prisoner of the Mountains[米]/Prisoner of the Caucasus[英]
(Kavkazski Plennik)
1996年カザフスタン上映時間:95分
平均点:7.42 / 10(Review 24人) (点数分布表示)
公開開始日(1997-03-29)
ドラマ戦争もの小説の映画化
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タイトル情報更新(2019-08-31)【Olias】さん
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監督セルゲイ・ボドロフ
キャストオレグ・メンシコフ(男優)サーシャ
セルゲイ・ボドロフ・Jr(男優)ワーニャ(イワン)
パーヴェル・レーベシェフ(男優)
原作レフ・トルストイ「コーカサスの虜」/「コーカサスのとりこ」(ノンクレジット)
脚本セルゲイ・ボドロフ
挿入曲ルイ・アームストロング"Go Down Moses"
撮影パーヴェル・レーベシェフ
製作セルゲイ・ボドロフ
配給アップリンク
字幕翻訳太田直子
あらすじ
ロシアでは18歳になった男性はすぐに軍隊に徴収される。子供のようなワーニャも徴兵され、チェチェンの戦場で上官と一緒に捕虜となってしまう。2人は捕虜交換されることになり、ロシア側との交渉の間、コーカサスの村に連れて行かれることになった。村人たちは最初は敵であるロシア人のワーニャたちを警戒するがしだいに心を開いていく。しかし、そのとき、事件はおきた・・。
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【口コミ・感想】

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1
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11.今まで数々の反戦のメッセージを織り込んできた映画が作られてきましたが、そのほとんどは激しい銃撃戦や暴力的な映像が中心のもので、それをみて私たちは「戦争は恐いね」と言い合うわけですが、実際には無意識のうちに派手なCGを駆使した戦闘シーンをうきうきしながら楽しんでいる時がある。特にハリウッドは「反戦」というメッセージを建前として「戦争」を娯楽にダシに使って金儲けしようと目論む事が多い。この映画はそういう下心もなく誠実に戦争や人間の生活に取り組んでいるように感じました。原作者はあのトルストイ。登場人物が500人も登場する彼の小説「戦争と平和」を昔読んだことがあります。彼の戦争観は、戦争を肯定も否定もしないのだと私は思っています。この映画においても反戦のメッセージはなく、運命のように訪れる戦争に身を委ねる人間の行動をあるがままの姿で映し出していた。その行為が間違いなく愚かであれ、人間は哀しくて美しい。私はこれは人間賛歌だと思う。素晴らしい映画です。
花守湖さん [DVD(字幕)] 9点(2006-04-01 20:51:03)(良:3票)
10.ネタバレ ■淡々とした作品。ロシア兵の捕虜二人が、チェチェン人と次第に友好的関係を築いていく。捕虜交換には繰り返し失敗しながら、それでも最後は老人が赦しを出して若者は命をすくわれる。そこに無常に表れるヘリコプターがすべてを破壊する。個のつながりをすべて壊していく。

■けど、個人的にずっと引っかかっているのは、脱走の途中で羊飼いの老人を殺していること。そりゃ殺したんなら殺されても半ば仕方ないんじゃないのかな、と思ってしまうので、最後にすんなりと入って行けなかった。

■ラストがすべて。そこまでが長い。意味あるのはわかってるけど、なんかのんびりしすぎ。う~む。
θさん [DVD(字幕)] 5点(2010-02-08 01:13:14)(良:1票)(笑:1票)
9.ネタバレ 個人が、その個人以外の要件で裁かれることへの絶対的ないらだち。全編緊張していた映画ではなかったが、ラストでこのいらだちに至るテーマがキューッと絞られていくところが見事で、こういう映画は印象強い。少女が鍵を渡し逃がそうとしてくれるが「それでは君が罰せられる」と言って虜の青年はうずくまる。個人と個人の対話。その彼を長老は逃がしてやる。これも個人と個人の交渉。そこにヌッと個人を識別する能力のない近代兵器がバランバランと現われてくる。この凶々しさと言ったらない。なにやら牧歌的ですらあった戦争に、不意に現代が顔を出し、この個人の顔を失った時代がとても悪い時代であることを証明する。ひなびたワルツが、その悪い時代に滅ぼされた何かを弔い続ける。
なんのかんのさん [映画館(字幕)] 7点(2009-04-08 12:00:41)(良:2票)
8.ネタバレ 最初は反りが合わないように見えたワーニャとサーシャがいつの間にか階級の違いなど飛び越え打ち解け合う姿や、口がきけない歌好きな見張りのハッサンと一緒に歌を歌い冗談を言い合う様子を見て和平への可能性を信じたくなります。ですが結局は互いに殺し合いをさせるのです。友情を育んでみても戦争という状況下では回避できない酷な現実を突き付け、その出来事が〝仕方ない戦争だから〟の一言で済まされてしまう悲劇性を浮き彫りにしています。そして子供を助けようと奔走する互いの親の愛が静かですが強く描かれています。我が子を亡くしたのにワーニャを殺さなかった事に、悪循環を断ち切ろうとする親としての人間としての愛や強さを感じ、それを受けたように村への攻撃を止めようとするワーニャに好転の連鎖を思い、個人レベルでもやはり希望を見出したくなります。人間はたとえ共感し合えなくとも相手を知ることで共存できるのだと思える秀作です。
ミスター・グレイさん [ビデオ(字幕)] 9点(2006-05-05 15:07:26)(良:2票)
7.ネタバレ 捕虜交換云々という話だとは知っていたので、もっとはらはらする展開かと思っていたら、何とも牧歌的な雰囲気なので驚きました。あえてエンターテインメント性を排する方向をめざしたのかもしれませんが、それでも、前提としての敵味方の緊張感まで感じられないのは問題です。例えば、冒険家がどこかの集落にたまたま迷い込んで、戸惑いながらも何とか現地の民と交流する、というような場合と、あまり違いが感じられません。なので、いざ事態が変化して行動を要する局面になっても、何でいきなり慌ててるの?という感じになってしまうのです。
Oliasさん [DVD(字幕)] 5点(2015-06-02 02:22:50)(良:1票)
6.ネタバレ  娯楽性を一切排除した真面目一色の反戦映画です。そこにはドラマチックな展開もなければ、サスペンスもミステリーもない、事実の連続を淡々と切り取っては画面に映し出していくだけの作品です。
 食器を洗うところや郵便事情、家の中の様子や子供たちの遊びなど、普通はそれほどクローズアップされない戦時下にある人々の様子を映し出しているところは大変に興味深かったです。ただ逆に言えばそういった真面目さが仇となり、映画を観ることへの満足感が得られにくかったのも事実です。
 逃亡を企ててからラストまではストーリーが大きく動きますので、そこは良かったのです。ただそれまでがはっきり言ってしまえば工夫がなさすぎる展開と演出。それに、長い時間をかけた割には、言うほど捕虜の二人と村の人達に十分な心の交流がなされているように感じられなかったんです。だから、ラストで見逃してもらうのにも、どちらかというと若干の違和感を感じます。ヘリを見送るシーンでもこれから起こることの予想はつくものの、その不条理さがいまひとつ伝わりきれてこないんです。
 よく出来ている作品ではありますが、物足りない作品でもあります。
たきたてさん [DVD(字幕)] 5点(2014-05-01 20:52:00)(良:1票)
5.ネタバレ 地味ながら、戦争のもたらす数奇な出会いと別れの悲しみをきちんと描いている作品。サーシャとの絆、ジーナとの絆、ハッサンとの絆、チェチェン人との絆。どれも、戦争のおかげで芽生えたもの。そして、全て消え行く運命にあるもの。
ラストの攻撃ヘリは村を攻撃しに行くものなんでしょうね。何とも哀しくやるせない。過剰な演出を排した素朴な演技が余計に悲しみを増幅させます。レビューを書いているとまた泣きたくなります。
枕流さん [DVD(字幕)] 7点(2008-08-11 01:22:55)(良:1票)
4.ネタバレ トルストイの同名小説をチェチェン戦争に置き換えた作品。
原作同様、ロシア兵がコーカサスで捕虜となる。
息子がロシア軍に捕虜となっている老人は、ロシア兵捕虜二人を自宅で監視する。
息子と捕虜交換を行う為だ。しかし、捕虜交換はうまくいかず、ロシアの母親に手紙を書く。
母親はチェチェンまでやって来る。しかし、老人の息子は殺されてしまう。
従って、ロシア人捕虜も当然報復として殺されるはずというストーリーだ。
主人公が木の細工を娘に作ってやり、心が打ち解け始める。
時計を直す、娘が主人公を逃がす所。
一度は逃亡に成功するがまた捕まるという設定も同じだ。
原作にはないが、老人の娘との淡い恋も描かれている。
プーシキンの同名詩も同様の設定になっている。
映画「チェチェン・ウォー」でもロシア人捕虜という設定だ。
どうもロシアの伝統なのだろうか?
勿論、戦争なので人も次々と死ぬのだが、全編を通して、どこか牧歌的な雰囲気が漂っている。
96年の第一次チェチェン戦争後に創られた映画だからなのだろう。
第一次チェチェン戦争のある時期では、そういう牧歌的な要素も残っていたのかもしれない。
しかし、第二次チェチェン戦争は、そんな牧歌的な要素などどこにもない。
凄惨で陰惨な掃討作戦が繰り広げられている。
文字通りチェチェン民族絶滅の危機に瀕している。
撮影は、チェチェンで行いたかったそうだが、不可能なので、隣国ダゲスタン
の山岳地帯で行われた。
ハッサン・バイエフの「誓い」に出てくる山腹にへばり付くように散在する集落。
ラストで、老人は、主人公を銃で撃つ為に、人里離れた山に連れて行く。
老人は主人公を撃たなかった。
ロシア軍の攻撃ヘリ4機が、主人公が逃れてきた村への攻撃に向かうようだ。
「止めろ!」主人公は叫ぶが、そんな声は届かないかのように、ヘリは村への攻撃に向かうというラスト・シーンだ。
老人は、主人公を殺すべきかどうか最後に撃つまで迷ったのではないだろうか。
主人公の母親と直接会い、話をしている。
母親は教師で、老人の息子と同じ職業だと話しても、
「だから何だ。敵同士だ」と素っ気なく答えている。
そう言いながらも、親の愛と親の愛という点では同じだと認め合ったのかもしれない。
しかし、<個々人の想い>というレベルと、<政治・戦争>というレベルとは、
どうも噛み合わないようだ。
妹之山商店街さん 7点(2004-11-01 02:26:48)(良:1票)
3.ネタバレ なんとも孤高の民族の物語。少女が歌う民謡がなんとも切ない。子供の遊びの中にも結婚持参金とか単に男の世話をしているだけで「嫁にいけ」ってなセリフがでたり、死刑宣告された若いロシア兵に「天国で結婚できるように・・・」とかいかにチェチェン人が家族を大事にしているかが伺える。時代設定がいつになってるかわからないが、あの少女の成長した姿と現在ロシア人を恐怖で震えあげさせている<黒い未亡人>がダブるのである。
Waffeさん 9点(2004-09-06 03:38:56)(良:1票)
2.想像するに、ひとたび戦場に一兵士として立たされたならば、銃口の先に居るのが同じ人間である、などと考えていてはとても戦争などは出来ないのだろう。逆に言えばひとたび「敵」を「人間」と認識し、尚且つ敵味方の立場から逃れられなかったなら、そこにはより深い絶望と悲しみが生まれる。沈黙の中に無数の問いかけと怒りが込められた、そんな作品。
ぐるぐるさん 9点(2004-07-27 17:12:17)(良:1票)
1.いつ殺されるか分からない状況のなか、不思議と牧歌的でもあるロシア人捕虜2人の日々。途中で片方は殺されるんだけど、それでも、殺す方も殺される方もそれぞれに誇りをもっているところに、不思議な畏敬の念が湧いてきます。トルストイの原作を現代に翻案しても、何の違和感もないコサックの村と人々の「変わらなさ」。…つくづく、良い映画です。
やましんの巻さん 9点(2003-10-18 15:33:55)(良:1票)
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【点数情報】

Review人数 24人
平均点数 7.42点
000.00%
100.00%
200.00%
300.00%
414.17%
5312.50%
628.33%
7729.17%
8312.50%
9625.00%
1028.33%

【その他点数情報】

No名前平均Review数
1 邦題マッチング評価 6.00点 Review1人
2 ストーリー評価 8.50点 Review2人
3 鑑賞後の後味 8.00点 Review1人
4 音楽評価 Review0人
5 感泣評価 9.00点 Review1人

【アカデミー賞 情報】

1996年 69回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

【ゴールデングローブ賞 情報】

1996年 54回
外国語映画賞 候補(ノミネート) 

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