4.これは非常によく出来たサスペンスです。ファイルが紛失した時点で、それが容易にギャヴィン(ベン・アフレック)の手元に帰らないことは想像がつくでしょう。結論は二つしかありません。すなわち、ファイルが戻るか戻らないか。しかし話が進むにつれ、どうやら偽造書類らしいことが判ってきます。ファイルが戻った場合には、ギャヴィンの事務所の詐欺がまかり通ってしまう。かといって戻らなければ投獄されて終わる。どっちに転んでも後味は悪いし、第一お話として面白くないのです。本作は意に反して、後半が徐々にヒューマンドラマと化していくわけですが、この展開は、サスペンスを着地させるために必要欠くべからざる「装置」として機能しています。物語的にベストの結末へ落ちてくれて、私は非常に満足しました。ただし上で述べたように、あくまでも私はヒューマンドラマの部分を添え物として評価しています。従って、後半に重きを置いた感想の方とは、同じ点数でも方向性は全く違うはず。本作は見事なサスペンスでした――私にとっては。110分のあいだ、ずっとハラハラさせて貰いました。高得点には十分な理由でしょう。 【円盤人】さん 8点(2004-10-06 01:56:55) |
《改行表示》 3.肝心要の衝突シーンのショボさといったらそれはもう…^^ でもさ、楽しめましたよ。8点さ。 【3737】さん 8点(2004-06-05 14:02:57) |
2.ある事件の起きた「一日」を描く中に、人生の重みを折り込んでいくあたり、ソール・ベローの『この日をつかめ』にもつながるものを感じさせます。これにサスペンスというスパイスが加わるることで、娯楽として充分楽しめる作品になってます。特に、微妙な心理の揺れ動きによってサスペンスを盛り上げており、単なる勧善懲悪モノにはない魅力があります。 【鱗歌】さん 8点(2003-07-05 01:14:33) (良:1票) |
1.まず、いかにも訴訟の国アメリカらしく主人公二人の、それぞれ置かれた立場こそ違え、こぞって裁判絡みというのも鋭く現代を語っていて面白い設定だと思う。先を急いでいると言う理由で、なんとも誠意のない対応からエスカレートして、互いの首の絞め合う行為が延々と続く中、それまでの二人の男の苦悩や生きざまが炙り出されていき、いつしか己の人生を賭けた闘いに変貌していくプロセスは、単に運命の悪戯という事以上に、何気ない日常に潜んでいる危うさというものを鋭く突いている。まさに“今”はそんな時代なのだと思い知らされる。決して他人事だと笑ってなどいられないのだ。今や超売れっ子で作品数も多いB・アフレックとS・L・ジャクソンだが、共に彼らの代表作の一本に数えられるだろう。 【ドラえもん】さん 8点(2002-12-26 00:23:59) |