5.日本人が戦争を語るということは、実はかなり難しい。この映画だけでも、いろんな考え方の人が出てくることからも明らかなように、何を大事に考えるかによって、行動に大きな差が出てくる。しかし、それぞれの相反する主張が、理屈としては、ちゃんと筋が通っている。そこがとても難しい。個人的には、この映画をみてはじめて知った事実もあり、とても勉強になった。また、笠智衆と三船敏郎という対照的な雰囲気の2人が心通じ合う場面は、映画的にすばらしい。武士道を感じさせる名シーンだと思う。生まれた時点で、戦後を生きねばならない日本人として、一度は見ておきたい作品である。 【wunderlich】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-11-15 01:59:16) (良:2票) |
4.終戦記念日に放送されていて、皆さんの評価も高いので観ましたが、長いのに中だるみもなく一気に観れました。多数の有名な役者の迫真の演技に圧倒されました。終戦記念日に観るのにふさわしい作品です。 鑑賞後、ネットで宮城事件や国民神風隊について調べました。事件の詳細や登場人物の写真を見て、ますますこの作品について興味が深まりました。近いうちにもう一度鑑賞するつもりです。 【ぽじっこ】さん [CS・衛星(邦画)] 8点(2021-08-15 19:03:49) (良:1票) |
3.「畑中もうよせ それが未練というものだ」 「未練」という言葉を突きつけられ、絶句する黒沢年男演じる畑中少佐の表情が、愚かで、悲しい。 彼らが信じて譲らなかったものの“正体”は、一体何だったのだろうか。 いや、果たして、“正体”なんてものは、そもそも存在したのだろうか。今となっては、甚だ疑問である。
ともかく、愚かにも始められ、愚かさに愚かさを重ね続けて、取り返しのつかない事態に陥った「戦争」を、“国”という愚かさの中枢にいた人達が終わらせようとする。 それは、どれだけ恭しく宣おうとも、どれだけ高らかに宣言しようとも、決して「偉業」とは表すことのできないこの国の「始末」のつけ方だった。
ただし、だ。 いかにも知った風に、「愚かだ」と断罪めいた思いを抱けるのは、我々が戦後70年の現在に生きているからに過ぎない。 愚かしさも、虚しさも、それがあの時代に唯一許された価値観だったことを、こういう映画を通じて、思い知らなければならないと思う。 「愚かだ」というのは、あくまでも戦後の価値観であり、あの時代に生きた彼らに、その価値観に辿り着くための術はほぼ無かったのだろう。
辿るしか無い帝国崩壊の道筋。その真ん中を往く彼らは皆、終始“脂汗”を顔面に滲ませている。 暑く、重苦しい1945年の夏の日。 その一部始終を語る仲代達矢の渇いたナレーションが、虚無感を助長する。
暑い夏の日から70年。 日本は、日本人は、何が変わり、何が変われていないのか。 今一度、この国のすべての人が考えるべき時なのではないか。 【鉄腕麗人】さん [DVD(邦画)] 8点(2016-10-23 19:32:29) (良:1票) |
2.天皇は、日本一のカリスマであった事がよく表わされた1日だったと思う。閣議でも、なかなか意見がまとまらない所を、天皇の一言で、終戦へと一気に決まり、それを国民へ発表するのも、当時の総理でも、現場の司令官でもなく、天皇がする。日本のいちばん長い日の主人公は間違いなく、天皇陛下その人である。 【Yoshi】さん [DVD(邦画)] 8点(2009-07-07 23:06:10) (良:1票) |
1.台詞が説明口調ぽいところが気になるが、効果音をほとんど用いていないため、終戦の「儀式」が進められる場の緊張感が伝わってきて良い。あと、阿南陸相(三船敏郎)と鈴木貫太郎首相(笠智衆)の名演技。 【からがも】さん 8点(2002-11-14 03:01:32) (良:1票) |