《改行表示》 6.映像が綺麗なだけの自己中オサレ映画だったら嫌だなあとか思いながら料金半額の日にレンタルしてみたら、あなたっ、大ヒットですよ。これぞ青春、これぞ文系男子漢の花道ですよっ!早朝の山道を自転車で駆け、「世界の終わり」を確信しながら、学校の銅像に斧を突き立て、国語の授業では背徳的な意見を述べ、セミナーかぶれの道徳ババアに反抗し、時間旅行についての哲学的妄想にふけりつつ、陰のある転校生の女の子と恋におちる。そして最後には、自分の身を挺して女の子の危機を救う!このモデル、俺なんじゃないのか!俺、監視されてたか!?と、 錯覚しそうなデジャヴッぷり。陰のある美少女とキスとかは出来なかったけどな!尾崎やブルーハーツじゃない、俺の青春は筋少だったッと言いきれる人は必見! 【葛原葛原】さん 8点(2003-11-18 00:36:40) (良:2票)(笑:1票) |
5.不思議な感覚の作品だ。それは、まるで自分自身が体験しているかのようでもある。一種のタイムスリップものか、或いは「シックスセンス」の流れをくむものか。観る人によって様々な解釈の出来る作品といってよいだろう。ただ、ひとつ言えるとすれば、誰しもが幼い頃に抱いた、“この世は自分を中心に動いている!”“この世は自分の為だけに存在する”といった感覚だろうか。それは“自分が死ねば同時にこの世も終わる”という意味でもある。ある事故がきっかけで、銀色のウサギの仮面を被った不気味な人物(あたかもあの世からの使者のような存在)から世界の終わりを告げられたドニー・ダーコの、夢とも現実ともつかない不思議な体験は、彼の願望そのものなのだろう。個人的な解釈だが、人間が死ぬ時に見る一瞬の夢というものを作者は描きたかったのではないだろうか。「ドニー・ダーコ?そう言えば、そんな子いたね。よく知らないけど・・・。」と言った意味のセリフを吐くのは、彼が憧れた近所の女の子。人死しても尚この世は依然として存在しているという現実を強烈に印象づけられるた幕切れだ。主人公の“その瞬間”がひたひたと迫りくるような帯状の雲の流れが奇妙にリアルで、VFX効果もいたって斬新だ。 【ドラえもん】さん 8点(2002-10-15 00:17:24) (良:3票) |
4.冒頭の画からして普通のアメリカ映画とは違う。T・バートンがそうであるように、この監督も米国に根強いマッチョイズムからは離れて立っている人だと思う。自分の生まれた大きな国よりも、海を隔てた小さな島国に精神的土壌があるのだろう。繰り返される夢魔が少年の狭められた時を刻み、物語の結びは灰色の蛾がおちて死ぬような寂しさをたたえ、‘Mad world’(カヴァー)が似合いすぎなこの作品、未消化であり万人向けでもないが、言葉にはしにくい魅力をもつ作品なのは疑いのないところ。 【レイン】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2009-05-29 02:11:24) (良:1票) |
《改行表示》 3.《ネタバレ》 はじめに観たときは、よくわからなかったんです。ストーリーが反転する仕掛けとか、ウサギの正体とか、タイムマシンとか、一個一個は理解できるんだけれど、それで結局この話は何が言いたかったんだろう?って思っちゃったんですね。 だけどその後、他のDVDを観たとき予告編にドニーダーコの予告も入っていて、それに竹中直人のコメントが流れていたんですが、それが 「もうこの世には何の正義も真実もない…… つじつまあわせの人生に立ち向かおうとする 一人の孤独な少年の魂の物語だ!」 といった内容なんですが(細かいトコ思い出せなくて、ようつべの予告で確認しました笑)そのコメントを読んだ途端、自分の中のストーリーにピーンッ!と一本線が通って 、なんかひとつひとつに納得がいったんですね。「そっか、ドニーは世界に挑戦したんだ。それで世界を見捨てることにしたんだ。」それが自分の解釈。正しくはないかもしれないけど、そう思いました。 【あした】さん [DVD(字幕)] 8点(2009-05-11 02:56:12) (良:1票) |
《改行表示》 2.《ネタバレ》 一番最初の方も言っていますが、この話は人間が死ぬ間際にみる一瞬の夢なのだと思う。あのセミナーの雰囲気はいやだったなぁ。ああいう会合に行ったことが昔あるけど本当にぞっとした。その理由は「ぼくらはみんな仲間なんだ」というオーラがひしひしと伝わってくるからです。寂しいからみんなで寄り集まって共感しあいたいというのは結構です、しかしそういう連中に限って、仲間に溶け込めない異分子を目の敵にして攻撃しようとする。そして異分子をみんなで協力して排除することでまた連帯感を味わって気持ちよくなろうとする。人間は孤独である、ということを認めようとはしない連中が、孤独を回避するために集り、そしてドニーダーコのようなタイプの人間を餌食にする。他人と同化しきれない人は少なからずこの手の集団に痛い目にあっているはずです。この話が「ライ麦畑でつかまえて」と似ていると言った人もいましたが、まさに的を得ていると思います。ドニーダーコはホールデン君を思い出させる。誰もが自由と引き換えに寂寥感を募らせていきます。世界の終わりのタイムリミット(言い換えれば自分が死んでこの世から消えさるまでの時間)が最初から定められていて、それに向ってどんどん堕ちていく世界観は秀逸。青春はその感受性の強さゆえに希望と絶望が紙一重。 【花守湖】さん [DVD(字幕)] 8点(2006-08-29 18:34:40) (良:1票) |
1.《ネタバレ》 映画の中で明快な解答を与えない、という時点で、どんなに考えても答えはないんですよね。ほとんど全ての推理小説も、ラストの解答はよく考えると矛盾だらけと言いますし。特にこの映画は、確信犯的に真相をはぐらかしています。だから、どんなに考えても真相はわからない。じゃあつまらない映画なのかと言うと、そんなことはない!私は映画が終わった後、何度も巻き戻して真相を確かめようとしました。ここまで観客を引っ張れるのは、やっぱりこの映画が面白いからですよ。意図的に解答を与えないで、それを面白さにしている。そういう意味で、この映画は凄いと思います。でも個人的には、過去に戻って自分を犠牲にして、ヒロインを救う物語だと解釈したいな。 【IKEKO】さん 8点(2004-01-16 23:02:38) (良:1票) |