5.《ネタバレ》 この作品、後味の悪さは自分が今まで観た映画の中では五本の指に入りますね。文豪アーサー・ミラーが自作の戯曲を脚色しているので、もう何と言うか、息もできないぐらいの重々しさに圧倒されました。D・デイ=ルイス、W・ライダー、J・アレン、P・スコフィールド、それにしてもこの顔触れはドンピシャのキャスティングとしか言いようがありません。 中世の魔女狩りには魔女と断罪して相手の権力や財産を奪うと言う面が強かったのですが、この北米植民地での魔女狩りはなんか毛色が違います。最終的に被告に死刑を宣告するのはP・スコフィールドなんですが、彼はよそ者の行政官でセイラム村にはなんの利害もありません。この人物が劇中ではいちばん不気味ですよね、何を考えているのか判らないんですから。村人を告発するヒステリー娘たちの言い分はなんでも採用するのに、W・ライダーが牧師の妻が魔術を使ってると讒言したときは鼻であしらって相手にしない。明らかなダブル・スタンダードで、きっとこの判事はほんとうは魔女なんて信じていなかったと思われます。じゃあなんで、という疑問は浮かびますが、ここにこそ清教徒信仰の深い闇があるのではと思います。 こういう連中の子孫がWASPとして現代のアメリカ合衆国を牛耳っているのかと思うと、嫌になっちゃいます。 【S&S】さん [CS・衛星(字幕)] 8点(2012-11-16 19:38:51) (良:1票) |
4.《ネタバレ》 あまりにも理不尽な理由で殺されるダニエル・デイ・ルイスの姿に、不覚にも号泣。おれだったら、こんな死に方耐えられない。こんな世の中でいいのか…。 |
3.宗教の建前をかさに権力を振るう権力者と協会。嘘が嘘を呼んでどつぼにはまっていく女達。迷信深い愚かな民衆。魔女狩りという舞台に嫉妬と復讐をうまくからめた秀作だと思う。打算的な現実主義がはびこる今だからこそ、観てもらいたい作品かな。 【YoH】さん 8点(2002-06-12 15:42:18) |
2.魔女狩り裁判をとおして、人間の負の部分が垣間見える内容でした。たとえいわれなき罪のためとはいえ、己の魂に嘘をついてまで生き残るべきなのか? などといろいろ深く考えさせられました。ラストの署名のシーンのダニエル・デイ・ルイスのセリフは心の琴線に触れました。 【キス198】さん 8点(2002-01-31 23:16:08) |
1.とにかく怖い映画。映像とかストーリーが怖いわけではなく、魔女狩りという集団行為の怖さが本当に恐ろしく感じられる。魔女狩りの実態を知りたい人はぜひ。や、これが実態ではないかもしれないけど、そう感じさせるウィノナライダーの迫真の演技に拍手。最後のシーンでは絶句。 【とむ】さん 8点(2002-01-22 00:13:43) |