57.ピアニストは何もできずに逃げ回っていただけじゃないか、という批判は、当たらない。 彼が「逃げ回る人」であること、直接的に世の中に役に立つ職業というわけではないけれど、私たちにとりなくてはならない「芸術家」であること。この2つは密接にからまりあって彼というキャラクターをさらに強化し、強いメッセージを発しているのだと思います。命の大切さ、と一言で言いきってしまったら陳腐ですが、でもやっぱりそういうことかと。死というものは何も生み出しません。その事実が誰かに何かを訴えるとしても、受け止める側は、常に「いま生きている」側。この映画は、見る人自身の死生観によって、受け止めが極端にかわってくるのでしょう。私にはとても共感できる作品でした。そうそう、配給会社のつける邦題にはひどいものが多いけど、これもその一つ。日本でも、原題「The Pianist」で公開してほしかったと、切に思います。 【おばちゃん】さん [ビデオ(字幕)] 9点(2015-01-03 09:04:48) (良:1票) |
56.エンドロールの使い方が今まで見た映画の中で最高でした。エンドロールって出演者やスタッフの名前を出すための観る側にとっては不必要なものだと思ってたけど、そんなこと一切ない。最高の余韻の残し方として必要とされている1つの「シーン」でした。内容的には間延び感はあるものの素晴らしいの一言 【amier】さん [DVD(字幕)] 9点(2012-12-27 21:20:27) |
55.シュピルマンもホーゼンフェルトもこの映画で知りました。重苦しいから何度も見ようとは思わないが、一度は見るべき作品だと思う。 【リーム555】さん [CS・衛星(字幕)] 9点(2010-10-20 21:25:03) |
54.俺もビンボーな頃はこんな生活だったな…。もちろんドイツ軍には狙われていなかったが。 【くまさん】さん [インターネット(字幕)] 9点(2010-07-09 00:43:44) |
53.本作は必然的に「シンドラーのリスト」との比較にさらされる作品ですが、スピルバーグお得意の映像的ショックが鑑賞後の印象のほとんどを占め、ラストはベタベタの人情劇に終わってしまった「シンドラーのリスト」と比較すると、本作の方が映画としての完成度は上だと思います。「シンドラーのリスト」はホロコーストにおける凄惨なイベントを数珠つなぎにして披露する作品でしたが(これはこれで、ホロコーストの非人道性を伝えるためには有効な表現でした)、一方で本作においては、ホロコースト真っただ中の生活が克明に描かれます。特徴的なのが死の表現方法で、スピルバーグが「殺される過程」を見せることにこだわったのに対し、本作は「街に転がる死体」によってこれを描いており、このことからも、両者のアプローチが根本的に異なっていることがわかります。また、本作はゲットー内で利益を得ていたユダヤ人や、同胞を裏切ってドイツ人の側に付くことで自己保身を図っていたユダヤ人が少なからずいたことも暴露してしまいます。この視点には驚いたし、ここまで思いきった内容にできたのは、自身がホロコーストの経験者でもあるポランスキーならでは。言い方は悪いのですが、同じユダヤ人であってもアメリカでぬくぬくと育ったスピルバーグでは手の出せない領域だったと思います。さらには、主人公とドイツ軍将校との関わり合いの中で、滅びゆく者の憐れまでを描いている守備範囲の広さ。本当にすごい映画だと思います。。。そして最も印象に残ったのが、シュピルマンがドイツ人将校の前で演奏を披露した後、声を出して涙するシーンです(ほんの数秒のカットだったので、気付かれていない方もいらっしゃると思いますが)。安全な隠れ場所と食糧を探すことのみに集中し、もはや人とは言えない状態にまで自己を追いこんでいた彼が、ピアノを弾くことによって人格を取り戻し、長い間押し殺してきた家族や同胞への思いが一気に噴出したのか?それとも、いつも空想の中でのみ演奏していたピアノをようやく弾くことができたが、その念願の演奏は、よりによってドイツ人のために披露したものだった。芸術家としての最後のプライドまでを自己のサバイバルの道具としてしまった自分が許せなかったのか?なかなか解釈が難しいのですが、たったワンシーンにおいても解釈に幅を持たせたことも、この作品の奥の深さ、懐の広さのひとつの証明だと思います。 【ザ・チャンバラ】さん [DVD(吹替)] 9点(2010-06-27 19:34:07) (良:1票) |
52.生きるとはこういうことか。 【フライボーイ】さん [DVD(吹替)] 9点(2008-02-08 17:48:34) |
51.これを観るのは2回目になるのですが、やっぱりユダヤ人の迫害というのはきちんと知っておかなければならないことだと感じました。この状況下においても人間らしく生きた人がいるという事実に感動しました。 【垢抜け戦隊】さん [DVD(字幕)] 9点(2007-08-01 16:48:13) |
50.戦時中の臨場感を描いた映画は多いけど、この映画に関しては妙にリアルで見てるこっちが辛くなりました。 【亜空間】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-12-03 23:48:07) |
49.その日を生き延びることが死ぬよりも難しい世界で、いつ自分が道端に転がる死と同じ運命を辿るかわからない時代。主人公はピアノに励まされ、ピアノに助けられ、ピアノと共に生き延びた。ピアノ以外の大切なものを戦争に奪われた男は、戦争を生み出した国の一人の男の姿を探した。「全ては神しだいだ」と言った男も、死を目の前にして「助けてくれ」と嘆いた。戦争は人と世界を変え、そして死と赤い血を世界中に撒き散らした。争いあい、憎しみあい、そして殺しあう。一体その先に何が?僕には何も見えない。無意味な人の死と苦しみを全ての人が痛感し、共通の意識を持って欲しい。この映画はその悲痛な共通の考えになる素晴らしい未来への架け橋だと思う。 【ボビー】さん [映画館(字幕)] 9点(2006-07-10 10:11:09) |
48.映画を超越している作品を観た気がする。ほとんどドキュメントに近い完成度の高さだと感じた。こんな映画は今までに見たことないという衝撃を受けた。 「悲惨さ」や「酷さ」が伝わると同時に、やはり一人のピアニストの生き様が激しく描かれていたと思う。何もないときでも常に指を動かしている様子、弾けるはずもないのに隠れ家のピアノを前にしたときの喜び、そして久しぶりにピアノを弾く際のなんとも言いようもない激しさ。 あの時のピアノの音に何を思うのかは観た人によって異なるだろう。 殺されるかもしれないという恐怖(もはやそんなことも感じられなくなっていたかもしれないが)を感じつつも、まず何かを噛み締めるように音を確かめていき、自分がピアニストだったことを徐々に思い出していく。そして、苦しみ、悲しみを音に乗せていき、内に秘めた怒りを徐々にあらわしていき、それがどんどんと大きくなっていく。また、怒りを爆発させると同時に、ピアノを存分に弾ける喜び、かつ、これが最後になるかもしれないから悔いの残らないようにという思いや名残惜しさも感じられる。そんな演奏だったように思われた。 ある意味、監督自身もシュピルマン同様に逃亡者であり、シュピルマンが満足にピアノを弾けないのと同じく、ポランスキー監督も満足に映画作成はできなかったのではないか。しかし、この映画で存分に満足のいくまでの映画作りができたポランスキー監督の姿とぼろぼろになりながらも満足のいく演奏をしたシュピルマン(ブロディ)の姿がだぶって見える気がした。 【六本木ソルジャー】さん [DVD(字幕)] 9点(2006-01-03 06:54:31) |
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47.ナチスものでは、1番リアルで満点でした。唯一友達から凄いから観てよ。言われたて、こんな凄いのを推薦されたのが実に悔しい! 推薦される友達にもより、推薦されたものは、期待度UPの為か(その時の自分の感情やストレス具合にもよるが)、何故かからぶってしまいがちな(笑)とは裏腹に裏切っておもしろかったから、ホントに悔しいっ! 9点献上! 【FHARCYDE】さん [DVD(字幕)] 9点(2005-05-14 12:13:01) |
46.あたしはシンドラーのリストより感動したかも。なんてゆうか、わかりやすいとゆうか…戦争にわかりやすいもなにもないですね、ごめんなさいーーーー。少佐だか大尉だか大佐だかわかんないけど、あの助けてくれたひと、ほんとにすてき。戦争でこわいのは人間としての心みたいなのが消えちゃうことだとおもうけど、あの人は…!!!! まじでスキです。あたしもこれからどんな状況になっても、ひとりになっても、あの大佐だか大尉みたいに、ぜったい正義をつらぬきたいです。 【ギニュー隊長★】さん [映画館(字幕)] 9点(2005-05-08 18:32:52) |
45.実際にユダヤ人であるロマン・ポランスキーのこの映画にかける思いが物凄く伝わりました。銃殺されるシーンとかも本当に残酷で賛否がありそうですが、彼は戦争の〝真実"というものを伝えたかったのではないでしょうか?だからアレはアレでいいと思いますね。役者の方ではエイドリアン・ブロンディの徹底的なリアルな演技なうえ、シュピルマンの魂が乗り移ったかのような素晴らしいピアノ演奏が圧巻。目を見張るほどである。あと不思議な事が1つ。それは彼が弾く曲はどんなに明るい曲を弾いてても、何か切なさや悲しさを感じてしまうということ。理由は分からない・・・分かるものではないかもしれない。こういう点はジョン・レノンの曲に似てるなあ。ではレヴューは『独裁者』のチャップリンの演説で終ろうと思います・・・・・・「私は独裁者にはなりたくない。支配もしたくない。出来れば援助したい。ユダヤ人も黒人も白人も人類はお互いに助け合うべきである。他人の幸福を念願してこそ生きるべきである。お互いを憎しみあってはいけない。人生は自由で楽しいはずである。貧欲は人類を毒し、憎悪は憎悪をもたらし、悲劇と流血を招く。思想だけがあって感情が無い人間はダメである。知識よりも思いやりが必要である。思いやりがなければ暴力だけが残る。愛を知らぬ者だけが憎しみ合うのだ・・・人生はもっともっと美しいものである。」彼のこの言葉が脳裏から消えることなどないだろう。 【ピルグリム】さん 9点(2004-12-14 22:29:26) |
44.戦場の真っ只中でも芸は身を助けますた!(・∀・) 【アルカポネ】さん 9点(2004-09-19 21:30:50) |
43.これが実話というところに、最大の魅力があるのである。この映画が世界中の人々に訴えかけることはとても大きいと思われる。そして、この映画において一番の主張点となるべきだろう「ユダヤ人」の迫害についてこう見解を示す。小学校では「ベンチ」という物語(一部の教科書)で、中学校ではもちろん歴史の時間に取り上げられるこの事柄。ナチスがアウシュビッツなどで行った悲惨な行為は人類にとって忘れてはならないことである。しかし、第2次大戦中、日本軍(関東軍)も中国の南京で「大虐殺」を行っている事は事実であり、否定できない。そして現在のドイツはこの迫害について学校で半年かけて学習するそうである。さらにこの映画の制作にもドイツは協力している。が、日本はどうであるか考えてもらいたい。一人一人がこの1作の映画から受け取る物は異なるかもしれない。だが、この地球上に生きる人間として、心の中にとどめておきたい一作であることも確かである。 【000】さん 9点(2004-08-05 17:44:38) (笑:3票) |
42.話としては映画なんだから、ある程度は面白い展開になるようには作ってあると思いますが、面白さ云々以前に、この事実を現代に伝えるためにもこの映画は必要だとおオもいます。 【JACK】さん 9点(2004-08-03 23:27:44) |
41.彼は本当に運がいい。観るには痛い映画だった。ドイツ兵の前でピアノを演奏するシーンが一番印象に残ってる。今まで獣のように酷い殺し方をしてきたドイツ兵が唯一人間らしい姿を見せていたから。こいつらも生身の人間なのだなと実感したシーンだった。 |
40.命知らずにはなれずとも、恥知らずにはなれるさね。ポランスキーが撮ってることがなによりのリアリティー。 【ドレミダーン】さん 9点(2004-07-11 15:05:56) |
39.ナチス、アウシュビッツものの中で、イチバンです。冷気、将校の前で白い息を吐きながら想い、ピアノを弾くシーンには時間が止まり涙が出そうでした。人の命がゴミみたいに消えていく時代。こんな時があったなんて信じられないっていつも思います。観ていてツラかった。どんなホラーやスプラッターものに比べても、こういう戦争再現映画のほうが怖いです。しかし、ナチス将校がピアノのよさをわかる人で良かった。 【★ピカリン★】さん 9点(2004-06-21 20:33:14) |
38.財産も家族も、誇りをも奪われ、(こういう言い方はすごく失礼だけど)ほとんどいやしいまでに生に執着する人間が奏でる音楽が、あんなにも澄んだ音で響く。ドイツ人将校の前で弾いたあの曲を聴いたときの気持ちは、とても言葉にはできないです。 【no one】さん 9点(2004-05-02 12:50:33) |